立石の思い出・３

立石でも父はセルロイド工場へ働きに出ていました。
内気な私は小学校では友達と遊ぶよりは、
薄暗い図書館で一人本を読んでいることが多かったです。
通信簿に「協調性がありません。お友達を作りましょう」
と書かれてきまり悪い思いをしました。
それでも家に帰れば近所の友達と遊び回っていました。
よく遊びに行ったのは京成立石駅そばの公園でした。
相撲を取ったり、かくれんぼをしたりして遊びました。
この公園で街頭テレビの放送があったので見に行きましたが、
小学生の頭では何が映っているのか分かりませんでした。
小学２年生の時、児玉さんというお金持ちの家が、
出始めたばかりで高価なテレビを買いました。
力道山、シャープ兄弟のプロレス中継が人気で、
放送時間になると近所の人が大挙して児玉さんの家に集まりました。
私も友達と連れだってテレビを見に行きましたが、
テレビの前は大人が陣取っているので、
画面は全く見えず大人達の歓声が聞こえるだけでした。
その後はプロレス放送があっても児玉さんの家に行くことはありませんでした。

学校給食はどんなメニューが出たのか忘れましたが、
コッペパンを油で揚げて砂糖をまぶした揚げパンが出たときは
小躍りするほどうれしかったです。
給食には脱脂粉乳が付いてきました。
温かいうちはおいしく飲めますが、脱脂粉乳は冷めると不味いです。
先生の目があるので我慢して飲み干しましたが、
それ以来、今に至るまで乳製品が苦手です。