コロコロと肌を
すべっていく汗って
面白かったなぁ
ふつふつと
肌の中から
小さく小さく
湧き出してくるみたいに
ゆっくりと
まあるくなって
粒が粒同士なかよくなって
手を繋いだら
いっせっのーせ!って
流れていくのって
久しぶりだったなぁ、あせ。
やっと
顔を出したお日様には
暈(かさ)がかかって
お天気が崩れる予兆だと言うけれど
日暈の向こうに広がる雲は
地震雲が幾重に
とおく東へ、東へと連なっていた
気温は上がっていく中
もう咲き誇るチカラのない紫陽花を
切ることにしたら
その横のツゲの木も切りたくなって
大きくなりすぎたね、君たち
ちょうど
夏に日陰ができる分を残して
バッサリと切って整えた
ごめんね、ごめんね。
切らせてね
母が大事にしていた紫陽花だから
少し切なかったけれど
来年また綺麗に咲かすには
切らなきゃいけないからねって
目と鼻の間でツンっとした
さあ、、、
あれも、少し
これも、少し切ってしまおう
気分は森の散髪屋さん
維持になってる? わたし?
何をムキになっていたのかな
ちょっと
ちょっとだけ無理をした
いつもは
あまり汗をかかないでいる私だから
吹き出してくる汗が面白くて
頑張りすぎちゃったみたい
ふらふらと軽くめまいを感じたら
やっと
変なアドレナリンが止んだみたい
這うように
バスルームに行って
冷たい水を浴びた
滝に打たれるように
しばらく
みそぎをした
悔い改めることはなんだろう
ふと笑いがこみ上げてきたとき
もし、今、大地震が起きたなら
私はあられもない姿で逃げ出さなきゃいけないの?
そう思うと
こんなことをしていられない
昼間のバスルームは
何にも
いけないことをしたわけじゃないけど
急かされてしまうみたいで
パタパタと体を洗って
髪を洗って
昨日のようにポニーテールに。
それでも
吹き出してくるんだよね、あせ
それでも
中学の時の部活の休憩みたいに
ちょっぴり清々しかったりするんだよね
バスタオル一枚
頭にのっけて
手を後ろについて
足を投げ出す
じっと
肌を晒しているとね
風がね
どこからともなく吹くの
肌に風が当たっていくのを
感じるのは
はんとうに
ほんとうに
気持ちの良いものだった
汗は大事なんだね
人間の不思議さだね
快感と隣り合わせなんだよね
