湖のほとりから。

花と空と心模様を写真と詩と文に託して。

コピー‐アンド‐ペースト

2018-01-17 18:03:23 | ポエム

人差し指をギューと押し付けて
くっついた言の葉が
人差し指から離れないように
そ〜と。。。


次のページを繰ったりするときも
言の葉が付いた指は使わずに


中指を自然と差し出して
若干、小指さえも上向き加減で
バランスを取っていたりしている


我ながら可笑しくて
その指使いはいかがなものか?


それでも
言の葉の付いた人差し指は
どこにも触れませんように


ピーンと空を向いている
慎重に慎重にと思う自分がどこかにいる


何処かに触れてしまうと
せっかく違う場所で紡ぎ出した想いが
チリジチばらばらになりそうで
そ〜と、そっと。。。


やっとたどり着いた場所で
人差し指をぎゅーっと押し戻す


解き放たれた言の葉達は
一瞬のうちに適材適所へと向かっていく


私の思いが広がって
言の葉たちは言葉となって言霊となる


いかなる人のいかなる場所へと
向かっていくのか
どうか、私のあの人の心の奥底に
届きますよにと


いつもあなたの事を想っていますと。





お別れに手を振るとき

2018-01-11 15:52:56 | 日記
人と別れるとき
バイバイと手を振る


相手の魂を引き寄せる仕草だと言う


『私を忘れないでいてね
私もあなたをわすれないでいるから』


そんな仕草なんだろうか。。。



相手の魂を引き寄せたあと
自分の魂とを擦り合わせ
魂同士の刷り込みをしあってみせる


サヨナラ


これで本当の
この世でのサヨナラ


あなたは
混沌とした意識の中で
私に言ったね


『お前のことはあの世に行っても
忘れないからと』


うん、
あなたの一部から生まれた私


あなたの肉体の中で
眠りながら育ったことのある私だもの
あなたの痛みと引き換えに
生まれ出た私の命なんだから


忘れない
忘れられるはずもない


あなたは
肉体を残したまま


今度は私が
空にあなたの魂を返す番


『ありがとう』


私の母であり続けてくれた
どれだけ強いことを言ったって
大きな存在だったんだよ



いつか
空の上でまた
巡り会えるその日まで


忘れないでいてね
忘れないでいるから



私の人生が終わった後に行き着く場所で
思い切り手を振って
あなたの魂と
私の魂を
今度は笑顔で引き寄せてみせるから


だから‥


今は
好きなだけ
泣かせてください










母の看病

2018-01-10 10:54:02 | 日記
年末の28日に
高熱を出した母

2日ほど
抗生物質の服薬で治ったかのように見えた

お正月までは、
多分、その体はもたないだろうと
在宅医に言われていたが、
なんとか、そうして、お正月を迎えられた

父が亡くなって半月と少し
母にもなんとなく
事の次第がわかっていたようで
元旦には
曽孫と孫にあげるからと
お年玉のポチ袋を私にせがんだ


父が居たら
一万円は入れてあげるだろうと
父に代わって一万円を入れてやるんだと言った


お雑煮を少し食べ
ご機嫌よろしく
帰省していた孫娘に
お年玉の一つを渡した



午後から
母は眠りに入った

その夜に
指先から読み取る機械の
あまりに低いサチュレーションに気がついて看護師さんに思わず電話をいれた

父の使っていた酸素圧縮機を
母にも使うようにと指示されて
長い朝までの時間をすごした


朝一番に、看護師さんと在宅医が来て下さり、胸のエコーより
誤嚥性肺炎だと診断された


それより、5日間の
抗生物質入りの点滴が始まった


微粒子が入り込んだため、
より厄介な誤嚥性肺炎となったと
先生は言ったけれど
その抗生物質が劇的に効いたのか、
母の肺炎は、4日で治癒した


5日目の抗生物質の点滴を終えた後
栄養剤と水分の代わりに
点滴を続けてみようと言われたが
母は眠ったまま。


この先は、母の生きる気力だと聞かされたが、
体の浮腫みと、唯一、
点滴を外してもらいたいような仕草が母に見受けられたので、
6日目から点滴をしない選択を希望した


私は
毎日、母の横で寝息をききなが寝て
毎日、母の枕元に行っては、泣いてばかりの日々


複雑な思い
人としての尊厳
寿命
生き様


色々なことが頭を駆け巡る
果たして
私の選択は間違いじゃなかったのか


もしかして
苦しんだ末に逝った父を看取った後に
母も逝っては
私が嘆き悲しむかもしれぬと思う親心か?
長いインターバルを与えられた心境のまま、

今日で、母は、10日間
眠り続けている。

点滴を外して4日目

何故か
体の浮腫みが消えていく


サチュレーションと心拍数は
2日前に下がりきってしまって
その原因が、喉の奥の痰が
喉を塞ぎかけたせいだったようで
危うく窒息死しかけた
その時も
看護師さんに助けて頂いた

それから
数値は、元気な時の数値を維持したまま


頑張ってる。
どこまで、頑張れるんだろう
我が身を削り
水分が無くなるまで
鼓動は続くのか


辛いだろうに。


私も見ているのも肌で感じては来てる


逝くのを見届ける日が近いことを思えば辛い

何かを伝えようとしてくれているのか


その時を見極めているのか


私は
やるべきことをして
やるべき看取りをするまでのこと



母がまだ、元気なうちに
痴呆症がおさまった正気のときに
『あなたの娘で良かったよ、大好きだよ』と
何度も何度も伝えたけれど
母は覚えてくれているだろうか。


今日もまた
呼吸音と、サチュレーションの機械と私の一方的なおしゃべり。


それだけの静かな日は
もう少し続くのだろう


穏やかに
穏やかに





雲からはぐれた雨粒は‥

2018-01-09 15:40:59 | ポエム
雲からはぐれた雨粒ひとつ
私の頬に落ちてきた

地面ばかりを眺めていたから
その頬の水滴は
ポロリと土へと帰っていった

私は空を見上げたけれど
思い当たる雲などなくて

探せども探せども
遠くに見える雲ばかり

はらはらと

一粒の涙は
二粒の涙を連れてきた


二粒の涙は
沢山の涙を連れてやってきた


私はただ
あのしわがれたカサカサの
大きな手を思い出しただけなのに


最後の最後まで
繋いで離さなかった大きな手のひら


なんてことはない


ただ思い出しただけなのに


もう二度とその手のひらと
重ね合わすことはできない


昔々
船を操っていたせいか
雲の流れでお天気を読むのが得意だった人のこと






冬の日の海辺の思い出

2018-01-07 22:36:08 | 日記
強い風が吹いていた


海岸の波打ちぎわに立っていた私


すくっと私をお姫様抱っこしながら、
ヤツにはできないけれど
俺には、できるよと言いながら


風の中をダンスするみたいに
あんまりクルクル回るものだから
声をあげて
必死にあなたの首元にしがみついてた


私の頬があなたの頬に触れたとき
凍えんばかりに
頬が冷え切ってたから
思わず両手ではさんで温めてしまっていたね
あなたは、されるままに目をつぶっていたけど
本当は何を考えていたの?


期待させてしまった?


それ以上のこと
私にはもう
なんにもできないのよ
ただ、目の前の冷たい頬を温めただけ
ただ、あなたの顔を見てただけ


シャカシャカと
あなたのダウンジャケットは
音を奏でるけれど
それ以上の主旋律は私、持ち合わせていないの


互いが風にとばされぬよう
両手どうしを
違う場所で温めて

違う心で受け止めて

悲しい気持ちを
わざと冗談でくるみながら
やっぱり重いよって
大切なものを降ろすようにゆっくりと
私を砂浜に立たせた


一瞬、、
一瞬だけ風が止まったんだよ


その瞬間に
私の心の小さな箱に
鍵をかけた


あなたは
冬の海にだけいる
私のまぼろしとなった


風が
頬も心も切り裂いていくような
遠い遠い寒い海辺での思い出