英語な日々

京都在住の英語講師のと猫と英語と美味しいもののお話。
時々、脳動脈瘤のお話もね。

桃の死

2014-01-28 | 日記



先週の終わり、母の愛犬のキャバリエが亡くなった。

桃という名だ。

人間でいえば100歳を超えていたが、遺伝子病で、早くからほぼ寝たきりの犬だった。

何年にも亘り、母が一人で世話をしていた。

桃は寝たきりなのに、床ずれも全くなく、ほんとうに行き届いた介護を受けていた。

けれど、母と桃は、相互依存の関係で、それが危うくて、心配していた。



案の定、桃が亡くなって、母はものすごく落ち込んでいる。

夫と相談して、無理やり、うちで一番おとなしいネコの「まみ吉」を、母の家に放り込んだ。

猫同士がケンカをして仕方ないので、しばらく預かってほしいという口実で。

乱暴なやり方だとは思ったのだが、母を独りにしておくのが恐かったのだ。

ネコを預けた時は、母は、まみ吉を膝に抱いて、頬ずりをしていたので、少し安心もしたのだが。





翌日、恐る恐る、様子見の電話をかけてみた。

電話口で、母が泣いている。

桃が死ぬ時に、約束したという。

死んでから一週間は、母のそばにるように、桃に頼んだのだと。

桃にその気持ちは伝わったと。

それなのに、全く知らないネコが、桃の代わりにここにいる。

桃に申し訳がない。


そこから声は叫びに変わった。


何で、まみ吉を連れてきたの!

早く連れて帰って。

桃がかわいそうでしょう!



私のしたことは、残酷な事だったのだろうか。

早急に過ぎたことは認める。

けれど、母が哀しみに沈んで浮かび上がれなくなることのほうを恐れたのだ。

元々、とてもネコの好きな人だ。

今まで何匹もネコを飼ってきている。

几帳面な人だから、ネコを預かったら、嫌でも何とか世話をしようとするだろう。

それだけでも、母の救いになると思ったのは、大きな間違いだったのか。



まみ吉を連れ戻してきた。

けれど、このままにしてはおけない。

1週間して、母と桃の約束の時が過ぎたら、もう一度、この子を連れて行こうと思う。


桃も、きっと分かってくれるだろう。



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コメント (4)
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