花に導かれて家に戻る。

家族のお手伝いに、東の国にやってきて、2日目が終わる。

初めて行くスーパーには、見知らぬ食材がいっぱいだ。

やっぱり関西と関東では、食文化がずいぶん違うなと、見るものも珍しく、ウロウロと館内を歩きまわる。

あれを作ろう、これも好物だったな、などとやっていると、買い物かごはすぐに満杯となる。

やばいな、歩いてきたから、これを抱えて帰らねばならない。


行きはよいよい、帰りはこわい、とはよく言ったもので、グーグル先生のおかげで鼻歌交じりにやってきたスーパーなのだが、帰り道、家になかなかたどり着かない。

ふっしぎ〜〜〜

これは本格的に迷ったぞと空を仰いで、気がついた。

花が咲いている！

綺麗だ。
もう春ね。




と、その木のずっと向こうに、見慣れたはずのマンションがあるではないか！

お花のおかげで、家に戻れたのでした。


家に戻って作ったのは、ローストビーフに、きゅうりとイカの中華炒め、ひじきの炊いたのに、だし巻き卵、ちぎって洗っただけの野菜サラダ、などなど。

なんと和洋折衷なご飯なんだろうと、少々反省する。




とはいえ、今までとは全く時間の経ち方の違う生活だ。
ゆーーーーーっくり歩いて買い物に行って、あれやらこれやら、気ままに料理して、時計を気にすることもない。


ところが夜になり、仕事場から電話が入る。

ヒェ〜〜〜！書類を一つ出し忘れていたようだ。

ご、ごめんなさい！