『ドン・ファン』 カルロス・ディ・サルリ楽団
”Don Juan” Carlos Di Sarli 【YOUTUBEより】
1898年頃にヴァイオリン奏者のエルネスト・ポンシオが酒場で演奏されていた曲を楽譜にしたためたともいわれている
古典曲で最も古いタンゴの一曲ともいわれています。
タイトルの『ドン・ファン』は17世紀スペインの伝説上の美男の放蕩児で、イタリアのジャコモ・カサノヴァ と共に
ヨーロッパにおけるプレイボーイの代名詞となっている男性のことです。
この曲の作曲者でもあるエルネスト・ポンシオも、神の与えた美貌の持ち主で、それが仇となり『ドン・ファン』同様に
乱れた生活に明け暮れ、やくざ者にとりつかれた上にイカサマ師を射殺して獄中生活を送るなど波乱に満ちた半生を
送り48歳の若さでこの世を去っており、まるでポンシオ自身のことを指した曲のようにも思えます。
歌詞としては当初ポンシオが自ら書き下ろしていたようですが、あまりにも下品すぎたために発禁となり、後日に
リカルド・ポデスタが書き直していますが歌曲として唄われることはないようです。