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『12月23日』

2019-12-22 16:51:45 | 明日は誰の日

【誕生日】


☆ディーノ・リージ Dino Risi (1917.12.23~2008.6.07)



1950~60年代に軽快なB級喜劇を得意としたイタリアの映画監督です。
歌劇場スカラ座の専属医師の父親のもとミラノに生まれました。12歳の時に父親が死去し、親戚や両親の友人に育てられて医師を
目指しましたが1940年頃に映画製作に興味を持ち、マリオ・ソルダーテやアルベルト・ラットゥアーダの助監督になりました。
第二次世界大戦中は中立国のスイス・ジュネーヴに移住してジャック・フェデーに従事しました。大戦後はミラノに戻って映画
雑誌に映画批評を執筆する一方で数多くの短篇映画やドキュメンタリーを制作しました。
1951年に "Vacanze col gangster" (ギャングと過ごすヴァカンス) で長篇監督としデビューしますが、1955年のイタリア式の喜劇
作品『殿方ごろし』が大ヒットしてそれ以来軽妙なB級喜劇監督としてイタリアでは売れっ子となりました。
1960年には恋愛映画『ローマの恋』でシリアスな作品に挑戦しましたが、だらしない内容をだらしなく撮ったと酷評され、再び
軽喜劇に戻りました。

【主要監督作品】
1953年『巷の恋』 L'amore in città (オムニバス第三話)
1955年『殿方ごろし』 Pane, amore e... 

1958年『ベニスと月とあなた』 Venezia, la luna e tu 

1960年『ローマの恋』 Un amore a Roma

1962年『追い越し野郎』 Il sorpasso 

1965年『バンボーレ』 Le bambole (オムニバス第一話)
1966年『ナポリと女と泥棒たち』 Operazione San Gennaro


☆マルク・アレグレ Marc Allégret (1900.12.23~1973.11.03)



作家のアンドレ・ジイトの甥っ子で、スター発掘の上手なフランスの映画監督です。
牧師の息子としてスイスのバーゼルに生まれ、中等教育の後に政治学校で法律の勉強をして法学士の資格を取りました。1926年に
叔父で作家のアンドレ・ジイドとコンゴを旅行し、そこでドキュメンタリーを撮影して映画製作者として身を立てることを決意、
1929年に映画界入りして助監督、美術監督などをつとめました。1931年にロベール・フローレイ監督が手がけていた長編劇映画
"Le Blanc et le Noir" (白と黒) を完成させて監督として一本立ちし、1933年の『乙女の湖』が出世作となりました。
その後はシェル・モルガン、ジャンヌ・モロー、ブリジット・バルドー、カトリーヌ・ドヌーヴなどの数多くの新人女優を輩出
する監督として名をあげましたが、作品としてはいずれもB級娯楽の域を出ることはありませんでした。

【主要出演作品】
1933年『乙女の湖』Lac Aux Dames

1934年『家なき児』Felicie Nanteui
1942年『呪われた抱擁』Felicie Nanteuil
1947年『情炎』Blanche Fury
1953年『巴里の気まぐれ娘』Julietta

1955年『チャタレイ夫人の恋人』L'Amant de Lady Chatterley
1956年『裸で御免なさい』En Effeuillant la Marguerite

1958年『黙って抱いて』Sois Belle et Tais-Toi

1961年『パリジェンヌ』Les Parisiennes


☆マリー・ベル Marie Bell (1900.12.23~1985.8.15)



コメディ・フランセーズの幹部出身で気品ある美しさにより映画・舞台に活躍したフランスの女優です。
ジロンド県のベグルに生まれ、13歳の時にバレリーナとしてロンドン・パヴィリオンの舞台に立ちましたがバレエから演劇俳優を
目指し、コンセルヴァトワールに入校して1921年に首席で卒業しました。直ちにコメディ・フランセーズの座員となり数多くの
舞台を経験して28歳の時には幹部女優となりました。
映画には1924年の『巴里』で端役を演じた後、1933年のジャック・フェデー監督の『外人部隊』で一人二役を演じ、1937年には
ジュリアン・デュヴィヴィエ監督の『舞踏会の手帖』で気品ある美しき未亡人を演じてトップ・スターの期待を持たれましたが
その後は『幻の馬車』に出演しただけで舞台に戻ってしまいました。
1960年代に老婦人役で一時的な映画出演もありましたが、舞台俳優そして舞台監督としてその生涯を全うしました。

【主要出演作品】
1924年『巴里』Paris
1933年『装へる夜』L'homme a l'hispano
1933年『外人部隊』Le grand jeu

1937年『舞踏会の手帖』Un carnet de bal

1939年『幻の馬車』La charrette fantôme

1963年『いっちょう頂き』La bonne soupe
1965年『熊座の淡き星影』Vaghe stelle dell'orsa


【ご命日】

★フランシスコ・ロムート Francisco Lomuto  (1893.11.24~1950.12.23) 



五大楽団のひとつとしてアルゼンチン・タンゴの黄金期を支えたピアニスト、作曲家、そして楽団指揮者。
主な演奏曲として『ラ・クンパルシータ』『ノスタルヒアス』『ソーロ・グリス』『ミロンガが泣くとき』などがある。