港町のカフェテリア 『Sentimiento-Cinema』


献立は…  
シネマ・ポップス…ときどきイラスト

『12月27日』その1

2019-12-26 23:19:11 | 明日は誰の日

【誕生日】


☆マレーネ・ディートリッヒ Marlene Dietrich (1901.12.27~1992.5.06)



世界映画史に燦然と名を残す唯一無二の大女優です。
父親はプロイセン王国近衛警察士官で母親はベルリンでも有数の宝石商の娘という中流貴族の家庭にベルリンで生まれました。
幼い頃からピアノとヴァイオリンを習い、ヴァイオリニストを目指して1919年に国立ヴァイマル音楽学校に入ましたが手首を
痛め断念しました。1922年にマックス・ラインハルト主宰のドイツ演劇学校に正式に入学し、舞台劇『じゃじゃ馬慣らし』で
舞台に立つようになりました。1923年には『ナポレオンの弟』の女中役で映画デビューし、ベルリンの人気者になりました。
1929年にハリウッドで活躍し始めたジョセフ・フォン・スタンバーグ監督をウーファー社が呼び寄せ、新作の『嘆きの天使』の
ローラ役にスタンバーグがディートリッヒを指名して撮影を開始、映画は空前の大ヒットとなり、退廃的な美貌、100万ドルの
脚線美、さらにセクシーな歌声でたちまち全世界の話題をさらいました。この成功によって米国のパラマウント社と契約を交わし
以降、スタンバーグ監督との黄金コンビで『モロッコ』『間諜X27』『上海特急』などの作品でハリウッドのトップスターとして
君臨しました。しかし、1935年の『西班牙狂想曲』の評判が悪くてスタンバーグ監督とのコンビを解消、低迷期となりました。
やがて第二次大戦が勃発し、ヒトラーから帰国を要請されましたがそれを断って米国籍を取得し、1943年には連合軍の前線兵士の
慰問活動でヨーロッパの戦場をめぐり、当時にドイツ軍の戦士に流行していたララ・アンデルセンの『リリー・マルレーン』を
唄ったため、『リリー・マルレーン』は敵味方の双方で唄われるという異常な事象となりました。
大戦後、1946年に『狂恋』でジャン・ギャバンと共演した後は歌手としての活動が多くなり、欧米をツアーし1960年には念願の
故郷ドイツでの公演を行っています。
1957年には久々に映画の主役に復帰しビリー・ワイルダー監督の『情婦』で圧倒的な存在感を見せつけてくれましたが、1961年の
『ニュールンベルグ裁判』以降は映画から退いて歌手活動に専念、日本でも1970年の大阪万博でのコンサートはいまだに語り草と
なっています。しかし、1975年に足を骨折し1979年には惜しまれながら完全引退してしまいました。

【主要出演作品】
1929年『奥様お手をどうぞ』Ich küsse ihre Hand, Madame【YOUTUBEより】

1930年『嘆きの天使』The Blue Angel【YOUTUBEより】

1930年『モロッコ』Morocco【YOUTUBEより】

1931年『間諜X27』Dishonored【YOUTUBEより】

1932年『上海特急』Shanghai Express

1932年『ブロンド・ヴィナス』Blonde Venus

1933年『恋の凱歌』The Song of Songs
1934年『恋のページェント』The Scarlet Empress
1935年『西班牙狂想曲』The Devil is a Woman

1936年『真珠の頚飾』Desire
1937年『鎧なき騎士』Knight Without Armour

1937年『天使』Angel

1939年『砂塵』Destry Rides Again

1940年『妖花』Seven Sinners

1941年『焔の女』The Flame of New Orleans

1946年『狂恋』Martin Roumagnac

1956年『八十日間世界一周』Around the World in Eighty Days
1957年『情婦』Witness for the Prosecution【YOUTUBEより】

1958年『黒い罠』Touch of Evil
1961年『ニュールンベルグ裁判』Judgment at Nuremberg



【主要歌唱曲】
『また恋に堕ちて』Ich bin von Kopf Bis fuss auf Liebe【YOUTUBEより】

『バラ色の人生』La Vie en Rose 視聴
『リリー・マルレーン』Lili Marleen【YOUTUBEより】

『行かないで』Bitte geh nicht fort 視聴
『花はどこへ行った』Where Have All The Flowers Gone? 視聴
『ベルリンにはまだスーツケースがあります』Einen Koffer in Berlin【YOUTUBEより】


『12月27日』その2

2019-12-26 23:13:22 | 明日は誰の日

【誕生日】


☆ミシェル・ピッコリ Michel Piccoli (1925.12.27~2020.5.18)



男の色気を感じさせる舞台出身の演技派でランス映画界の主流的俳優です。
音楽家の両親のもとにパリで生まれました。中等教育を終えたころには自分の劇団を組織するなどで早くから俳優を目指し、大学
では演劇科に籍を置き、テアトロバビロンで舞台を踏みました。1949年に "Le Point du jour" (夜明け) で映画デビューを果たし
フランス映画界では主流的スターとなりました。1960年代に入ると『軽蔑』『小間使の日記』で主役を張るなど男の色気を武器に
幅広い活動を続け、近年まで舞台・映画・TV に出演し続けました。
1969年には当時妻(1966~77年)であった歌手のジュリエット・グレコと一緒に来日しています。

【主要出演作品】
1954年『フレンチ・カンカン』French Cancan
1959年『爪を磨く野獣』La bête à l'affût

1962年『いぬ』Le doulos
1963年『軽蔑』Le Mépris

1963年『小間使の日記』Le Journal d'une femme de chambre

1964年『スタンダールの恋愛論』De L'amour
1965年『レディL』Lady L
1966年『獲物の分け前』La Curée

1966年『パリは燃えているか』Is Paris Burning?
1967年『ロシュフォールの恋人たち』Les Demoiselles de Rochefort
1967年『昼顔』Belle de jour

1969年『トパーズ』Topaz


【ご命日】

★イエジー・カワレロヴィッチ Jerzy Kawalerowicz (1922.1.19~2007.12.27)



アンジェイ・ワイダと共にカードル派指導者でポーランドを代表する映画監督。
主な監督作品として『影』『戦争の真の終り』『夜行列車』『尼僧ヨアンナ』などがある。


★ジョージ・ロイ・ヒル George Roy Hill (1921.12.20~2002.12.27)



哀愁を持って古き良き日をノスタルジックに描く作風で注目されたアメリカの映画監督。
主な監督作品として『マリアンの友だち』『ハワイ』『明日に向って撃て!』『スティング』などがある。


★アラン・ベイツ Alan Bates (1934.2.17~2003.12.27)



1960年前後に起こった「怒れる若者たち」をテーマにしたフリーシネマ運動の一翼を担ったイギリスの俳優。
主な出演作品として『或る種の愛情』『その男ゾルバ』『まぼろしの市街戦』『遥か群衆を離れて』などがある。