独り舞台

　埼玉のマイミクのHさんが半年ぶりに来た。最近、女のお孫さんが生まれ写メを見せてくれたが、とても可愛くて幸せそうなHさんを見ると私まで幸せになった。
　彼はカラオケ採点機で90点前後を7回出す等、1日でカラオケ番付の関脇になった。「おめでとう！」
　ところがHさんのすぐ後に来たカラオケ番付横綱のMさんは早速、100点を出した。
　Hさんは「100点を見るのは初めて」と驚いた。記念に100点を写メに撮ったが、この後も100点を数回出しHさんは目を丸くしていた。
　Mさんはレパートリーの幅が広い上に声も良く声量もあり、カラオケに関しては五郎丸…、いや、五重丸である。
　次に9カ月ぶりに四国・高松から来た77歳のNさん。とても元気で10歳は若く見える。歌謡曲や河内音頭を唄ってから軍歌を10曲ほど連発。Hさん、Mさんに私も軍歌を唄わされ、当店は軍隊酒場さながらになった。
　唄い終わる度に「天皇陛下、ばんざ～い！」とHさんに言わされましたが、私は「吉本新喜劇、まんざ～い！」とお返し、軍歌の堅い雰囲気をダジャレで和らげた。
　Hさんが帰った後に和歌山出身で若い頃はよく遊んだと言う60代半ばのKさんが来た。
　昔の映画の話をすればNさんは各映画の主人公の名セリフ語ったり、話の流れでNさんは替え歌や芸者遊びの春歌を唄ったり浪曲も色々と演じた。
　今日は最高齢のNさんの独り舞台が、6時間も休む間もなく続いた。

　一句：最長老　独り舞台で　盛り上げる
　謎かけ：独り舞台とかけて、ムカデに噛まれた時の患部の処置と解く。どちらも(独擅場・毒、洗浄)です