遠い記憶の中で 君は微笑んでいる
風にそよぐ秋桜が 僕を優しく包む
君の好きだった色の あの花が咲くたびに
ふと、終(つい)別れからの 20年の時を忘れる
君はもういないのに 今も君を探してる
あの丘で見た秋桜が 僕の中で咲き続ける
娘への愛は消えずに 季節を越えてまた巡る
君の声が聞こえるようで 切なくて愛しい
25年の君の命 短すぎた夢のようで
もっと話したかったんだ もっと抱きしめたかった
だけど時は容赦なく 君を連れていってしまった
僕の手の届かぬ場所で 君は静かに眠る
君はもういないのに 今も君を探してる
秋の風に吹かれながら 君の名前を呼んでみる
娘への思いはずっと 脳裏から消えずにいる
二度と会えないはずなのに 今も君を求めてる
秋桜がまた咲いたよ 君の思い出を抱いて
あの日の君の笑顔が この風に乗って帰る
僕は今日もひとりきり 君に語りかけるんだ
愛してるよ 忘れないよ 永遠に僕の娘よ
君はもういないのに 今も君を探してる
秋桜が咲くこの丘で 僕は君を待ち続ける
父の愛は果てしなく 天まで届くと信じてる
君が微笑むその日まで 僕は君を愛してる
※慕嬢詩(ボジョウシ)=亡くした娘を慕う気持を綴った詩・文。私の創作語。