私の店ではカラオケ番付をしていて80点以上になると記帳し、その点数の数が多いほど番付の順位が上がるシステム。特に93点以上はポイントが高く、三役や横綱になるに可能性が高くなるので、他店にないカラオケの楽しみ方をするお客さんが多い。
歌唱後の曲名と点数を記載するのは私の役目だが、金曜日の夜、意識がボーっとして常連客なのに名前が思い出せない。曲名はミミズが這ったような文字でどうしてもうまく書けない。
だんだん咳がひどくなるし鼻水もよく出るようになった。最後に残ったお客さんが見かねて「今日は早よ終わって体を休めて」と通常の閉店時間の1時間半前にお勘定をした。
帰宅後、咳と共にひっきりなしに鼻をかむ私に妻が「今、温度差が大きいので寒暖差アレルギーかなあ」「俺の持病の花粉症かなあ?」「何か思い当たる節はないの?」「昨日、クーラーかけてたから風邪をひいたのかなあ」
そういえば木曜の夜、早い時間に来店した若いお客さんが少し暑いと言ったので気を利かしてクーラーを点けたのだが彼が帰ってから店が終わるまでずっと点けたままだった。
とりあえず体温計で測ると38.6度あった。「風邪ではこんだけ熱は出ーへんで。とにかく朝イチで病院に行きや」
翌朝、9時にかかりつけの医院に電話を掛けると発熱外来は11時40分。医院の横の別室で検査をしてもらうとインフルエンザだった。
妻は「今夜は店を休んだら」と言ったが、「どうしても今日しか来られないお客さんがいる。わざわざ遠い所から来て店が閉まっていたら申し訳ない」と店に出た。
店内をアルコール除菌スプレーで消毒して一品と付き出しを供する時には感染予防手袋をし、マスクは2重にして応対。この日は土曜日にも拘らず来店予定の2組だけだったので胸をなでおろした。
インフルエンザといえば、娘が小学校の頃、冬になるとインフルエンザが流行して学校では学級閉鎖が行われることがあった。毎年、どのクラスで流行が始まるか、そしていつ自分の子どもがもらってくるのかと、親としてはヒヤヒヤしながら過ごしたものだった。
コロナ発生以来、妻がうるさいのでマスク、手洗い、うがいを心がけていたので、まさかインフルエンザに感染してしまうとは。心のどこかで油断があったのでは?
私に何かがあれば、周りの人々や妻や天国の娘にも心配をかけるので、今まで以上に感染予防には徹底したいと思う。
※慕嬢詩(ボジョウシ)=亡くした娘を慕う気持を綴った詩・文。私の創作語。 |