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コロナ疎開

2020-04-20 03:50:32 | 環境汚染

地方は困惑も…「コロナ疎開」でどんな問題が起こり得るのか 現地の声も紹介

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、安倍晋三首相は4月16日、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく緊急事態宣言の対象区域を全国に広げました。先に対象となった7都府県から地方への移動が増え、全国的な感染者急増が懸念されるためとしています。
 しかし既に、7都府県に宣言が出た4月7日以前から、外出自粛が求められる大都市圏を離れて、別荘地や離島などへ移動、帰省する人が相次ぎ、その動きは「コロナ疎開」とも呼ばれ、地方では困惑が広がっているようです。
「コロナ疎開」の問題点について、医療ジャーナリストに解説してもらうとともに、現地の声を聞きました。
「疎開」で自分が感染する恐れも
 まず、医療ジャーナリストの森まどかさんに、コロナ疎開の問題点を聞きました。
Q.コロナ疎開のどのような点が問題なのでしょうか。「疎開先」にとっての問題点を教えてください。
森さん「感染確認数が多い地域から少ない地域へ人が移動することで、最も懸念されるのは、ウイルスの持ち込みによる感染拡大です。
新型コロナウイルスは、感染しても無症状の人が一定数存在することが分かっています。4月7日に緊急事態宣言が出された都市部では、ウイルスがまん延していると考えられていますが、無症状の人たちは気付くことができません。そうした人たちが『自分は大丈夫』と思って移動することで、知らず知らずのうちに感染を広げてしまう可能性があります。
帰省した先で感染が判明し、帰省先の家族も感染したというケースが既に発生しています。広範囲の移動によって、感染ルートが特定しにくくなることも問題です。現在、疎開先として報道されている地域は、都市部と比較すると高齢人口が多い傾向にあります。重症化リスクの高い高齢者が多い生活圏に感染が広がることは避けなければなりません。
また、指定感染症の入院患者を受け入れる病床も、重症患者・最重症患者の治療に用いる人工呼吸器や『ECMO(体外式膜型人工肺)』が整備されている医療機関も、どこにでもあるわけではなく限られています。
別荘地や離島などに都市部から大勢の人が移動することによって、もし感染が一気に拡大するようなことがあれば、その地域の医療提供体制が間に合わなくなる“医療崩壊”の恐れもあります」
Q.コロナ疎開をする人自身にとっての問題点を教えてください。
森さん「公共交通機関での移動は、駅や空港、車内、航空機内での感染のリスクがあります。人と接触することで飛沫(ひまつ)感染のリスクもある他、不特定多数の人が利用する場において、さまざまな接触感染のリスクが高まります。
全国的に新型コロナウイルス感染への警戒が強まっているので、診療所や病院で、新規患者がなかなか診てもらえないという実態も少なからずあるようです。住み慣れた地域でかかりつけ医に相談できるという環境を離れることは、健康管理の上で不安材料となります。また、気候の異なる地域への移動は体調を崩しやすくなるので注意が必要です」
Q.コロナ疎開が多発することが日本全体に与える悪影響として、どのようなことが考えられるでしょうか。
森さん「感染拡大を止めるために重要なことは、人と人との接触機会を減らすことです。そのために大切なのは、可能な限り『動かない』こと、それが『ステイホーム』の真の意味です。たとえ、疎開先でステイホームを実行するとしても、そこまでの移動で感染を広げてしまえば、感染拡大防止策としては何の意味もありません。むしろマイナスです。
先に緊急事態宣言が出された地域の外出自粛要請は、その地域に住む自分たちが感染しないようにするとともに、他の地域の人に感染させないという大きな意味を持っているのです。
都道府県境に扉があるわけではないので、コロナ疎開がなくてもウイルスは全国各地へ広がっていきます。最も回避しなければならない医療崩壊は、感染確認数の多い少ないだけでなく、増加の勢い、重症者数、感染経路不明者の割合、医療機関と医療従事者の状況等、さまざまな要因によって起こります。
広範囲に人が移動することでそのスピードが加速すれば、全国的に感染者が急増し、結果的に、先行した7都府県における緊急事態宣言が長引くことにつながりかねません」
感染症対応病床は6床に増えたが…
 次に、沖縄県石垣市の状況を取材しました。同市には2月、「南の島なら安全かもしれない」といった、根拠のない思い込みを持った大都市圏の人たちが多く訪れたそうです。
 中山義隆市長は、市内の感染判明者がゼロだった4月6日、観光客らに向けたメッセージで、市内に感染症対応病床が3床しかないことなどを挙げ、「大変心苦しく申し訳ない気持ちでいっぱいですが(中略)旅行の自粛、延期をしていただきますよう重ねてお願いいたします」と表明。県外在住の市出身者にも、同様の依頼をしました。
 しかし、16日までに市内で3人の感染が確認され、市長は同日、市独自の緊急事態宣言を出し、市民に外出自粛を強く求めました。
 石垣市企画政策課の担当者に現状を聞きました。
Q.市長がメッセージを出した4月6日以降の状況は。
担当者「4月17日時点で、市内でも3人の感染者が確認され、ますます感染リスクが高まっています。市内の医療体制は、これまで3床のみだった感染病床が6床に増床されたほか、症状の軽い感染者を隔離する専用フロアも県立病院内に整備される予定です。
空港の出発ロビーと到着ロビーにサーモグラフィーカメラを設置し、体温確認を沖縄県とともに実施し、『新型コロナウイルス感染症相談外来』も市公共施設内に設置しました。しかし、これまで以上に危機感を持っているのが現状です」
Q.東京都など7都府県を対象に緊急事態宣言が出てからの、観光客、帰省者の状況は。
担当者「緊急事態宣言後は、市内への観光客数は減少しています」
Q.石垣市では、観光関連で働く人も多いと思います。来島自粛の呼び掛けには、ジレンマを感じるのでは。
担当者「新型コロナウイルス感染症の拡大は、石垣市の基幹産業である観光産業に大きく影響し、市経済は非常に深刻なダメージを被っています。しかし、これは生命に関わる非常事態であり、市民および観光客の皆さんの健康・生命を守ることが最優先と考えています」
Q.コロナ疎開を考えている人にひとことお願いします。
担当者「これまで、国内外多くの皆さまに石垣島へ来ていただき、心から感謝しております。来島の自粛呼び掛けは大変つらく、心苦しい限りではありますが、現在は来島を自粛いただきますようお願いいたします。
この事態が終息し、気兼ねなく旅行ができる状況になった際には、どうかまた石垣島および八重山の島々へお越しください。その際は、島を挙げて大歓迎いたします」

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