時は天下泰平、徳川の治世。三代将軍・家光は劣等感や謀殺への畏れから心を閉ざし、剣技に耽った。孤独な将軍が打太刀役として召し抱えるのが、将軍家剣術指南役・柳生宗矩が次男・柳生左門。類稀なる美と剣術の才を兼ね備えた彼に家光は仕合の相手を命ずるが、峻厳なる剣の道に生くる左門は、そこで----...!?
剣を通して育まれる主従を越えた愛と一族の相克を描く隆慶一郎の傑作小説を、田畑由秋&余湖裕輝コンビが鮮やかにコミック化!!
原作は隆慶一郎の「柳生非情剣」、20年ほど前の小説です。直木賞の候補になったとか。
それが漫画化されてのは去年のこと。
おもわず買ってしまいました、帯見て。
『尻一つで十三万石だとぉっ!!』な、なんだ!?これは~!!
あっ、すみません、わたしのブログにいつも来てくださる方々はすでにご存知だと思いますが、
初めての方、何の気無しに迷い込んでしまった方はご注意を!
コミックの感想については限りなく下方向に話題が暴走する可能性がございますので、
腐ったもの、BL、やおい、ゲイなどなど興味のない方、お嫌いな方はここで引き返してくださいませ。
主人公は、かの有名な柳生宗矩の次男であり27歳という若さで亡くなった柳生友矩(左門)です。
柳生十兵衛の異母弟にあたる実在の人物です。
左門は時の将軍家光の剣の指南役であったそうですが、
大変美少年だったために、家光の寵愛を受けることになってしまうんですね。
そしてなんと13万石の大名に!!
そんな息子に対し宗矩が叫んだ台詞が「尻一つで十三万石だとぉっ!!」です。
己の力でやっと一万石の大名まで昇りつめた宗矩ですから、
息子に対して叫びたくなるのもおおいに理解できるわけでして……(笑)
青年向けの漫画ってほとんど読んだことがないので(「聖おにいさん」とか「かぶく者」くらい)
なんか新鮮な驚きというか、笑いというか(し、失礼)がありました。
やたらデカイ文字が飛び交っているんです!!
週刊誌の中刷り広告のように。
そして所々に
「かつて日本では男同士が愛し合うことは倫理に反することではなかった」みたいな注釈が入るんですね~。
一般人の方にはちゃんと説明しないと理解してもらえないってことなんでしょうね~。
昔は男同士の恋愛は普通に認められていたのに、
いつの間に後ろ指さされる存在になってしまったのでしょうね~。
上様と左門との愛も描かれているのですが、基本BLじゃないので、
からみあいもほとんどなく、ちょっと腐女子には物足りないぞ~という感じです。
BL漫画のようなキラキラもドキドキもありません。
剣の命をかけた男たちの物語ですから当然といえば当然でして。
そういえば、この漫画、原作者と、漫画家の他に脚本家がいらっしゃるのです。
青年誌では当たり前なんですか?
少女漫画だと、だいたい漫画家が脚本も兼ねて描いていますよね。
コミックカバーの題字「SAMON」は書道家の方が書いていらっしゃって、
yahooのブログでその制作風景を見ることができます。
なかなか興味深いかったです。
こんな風にして一冊のコミックが出来上がっていくんだな~と思うと同時に
お金かけていらっしゃるのね~と……(笑)
原作の方、図書館で予約しちゃいました。
楽しみです。