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キルギス錐情

  「キルギス錐情」                             荒川  洋治 方法の午後、ひとは、視えるものを視ることはできない。 北ドビナ川の流れはコトラスの市(まち)からスコナ川となり史実のうすまった方位にその訛(か)を高めている。果たしてそこにひとは在り、ウラルの高峰をのぞみながらてごろな森を切っている。倒れ木の音は落ちゆく地理に気をもみながら負の風をうけて、樵 . . . 本文を読む
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