教室のこと・速読のこと・受講生のスコア・SEG講習生のスコア等々について書いています。
クリエイト速読スクールブログ
2015年体験記「それは本当にもったいないのだ」2
きのうの続きになります。
【文演】
さて、教室に通い出して数か月後、私はとうとう念願だった文演を受講する。いやー、やりたいと思っていたことができるってつくづく嬉しい。大病をされたそうだが文演をやるだけの体力が松田さんに回復してくれてよかったよかった、などと身勝手な感謝もした。
受講の目的としては本を読む際の手助けとしたかったこと、そして自分自身で書く文章をより良いものにしたかったことの2つである。この講座が終わったら文章は深く読み込め、文章力も著しく向上し、サラッといい文章・分かりやすい文章を書けるようになるのではないかと期待していたのである。ところがいざ講座で最後に課題を提出する段になると、そんな考えが全く浅はかであったと気づかされた。つくづく速読と同じで、ただ方法を知っただけでは当初の目的の半分も達成できないのである。
もちろん文演はとても面白かった。かつて読んだ文章で違和感を感じていた理由が次々に判明したり(この指摘が目からウロコで、後から後から、かつて何かモヤっとしながら読んだ様々な文章が思い出された)、渡されたテキストに対する他の受講生の指摘を聞き、自分には欠けていた視点を知ることも出来た。同じ文章を読んでいても他人はそんなことにまで注意を払って読んでいたのか、と自分の甘さを知ったのだ。しかし相変わらず何かが引っかかると思えば幾度も読み返すし、文章を書けば見直しつつ書き直してもいる。
これは難しいですよ、無駄ですよと言いたいのではない。それどころか全講座が終了する前から即座に役に立った。「あなたの説明が一番分かりやすかった」と言われたり、誤解のないように配慮したメールを打ち、意図通りに作業を完了してもらえたときのしてやったり感は、仕事上の密やかな楽しみの一つにもなっている。しかし、速読もそうだが文演で学んだことはとにかく実践ありきなのである。学んだことを踏まえながら書き続けてようやく掴めるものなのである。
したがって大学生や院生、レポートを作成するような業務に就いてる人などには強く受講をオススメしたい。なぜなら受講した後も文章を書く機会が多いため、熱いうちに鉄を打つことができ、効率的に習得できるからである。また、自分が述べたいことを人に正しく理解してもらいたい人、指導員や上司にメールや資料が「分かりづらい」と指摘されたとき、読む側の能力が足りないのだと密かに毒づいてしまうような人にも万障繰り合わせて受講されることを勧めたい。受講するにつれ嫌な汗をかくこと請け合いだが、それ以後自分が書く文章の質はグッと上がるのである。
【副効用について】
通信教育からスタートし、自分の実感する読字数の向上自体は思うほどではなかった一方、始めるまでは考えもしなかった副効用を得たことは早々に気づいた。どれもこれも高校生の頃に、もっと言うなら中学生の頃に身についていたならどれほど人生が違っていただろうと思わずにはいられないものばかりである。
1.集中力の向上
始める前は体験記を読んでもあまりピンと来ていなかったが、クリエイトでのトレーニングは確実に集中力が上がる。それまで何をするにしても常に散漫な状態で行っていたからその重要性が分かっていなかったのだが、本当にコレってすごい!
例えば新聞を見開いたときに目に入るあちこちの見出し。以前はもう端から気になって視線が右往左往し、途中まで読んでいるのに他のタイトルが目に入ればそちらに移ってしまったりと、読むのにとても時間がかかっていた。それが気づけば一つの記事を読み通してから次に移る、という他の人には当たり前でも私にとってはとても快挙な読み方が手に入ったのである。集中するってこんなに物事がスムーズに動くものなの!? という遅ればせながらも新鮮な驚きがあった。
2.頭の切り換え
次に頭の切り換え。以前は順番通りに行わないことにどこかズルをしているような気持ちを抱いていた。それが何かの作業を並行して行ったり、順序を変更してみたり、完全に把握していなくてもひとまず先に進んでみるといったことが、ごく自然にできるようになってきている。不得意な何かがあっても、全ての質が落ちるわけではないと気づいたのだ。
これは仕事の効率といった面は当然だが、生きること自体にも関わる判断力のようで、無駄に自分の首を絞めていたようなかつてのキツキツ感が減り、ちょっと生きやすくなってきたよなあ、などと思っている。
3.構成力・イメージ力
また、教室に通いだしてから強化されたものとしては、頭の中で構造を組み立てたり、複雑な話を追ってイメージしていく力がついてきたことを挙げたい。
以前は小説の筋を追うのはいいが、部屋の間取りの説明などは華麗にスルーして読んでいた。正確に言うと読んでも分からないだろうから、とハナから考えることを放棄していた。しかし(通信教育にはなかった方法も含めて)トレーニングを受けていくことで、建造物の構造や実物が分からないものも思い描きながら読むようになってきている。話の筋で追いきれなかった(イメージしきれなかった)部分も、他の情報から構築して当てはめていく余力も生まれた。これのおかげで作業の効率が上がったり、物事を多角的に見られるようになってきたように思う。なぜなら「そんな風に作業するなんて斬新」「なんでそれに気づいたんですか?」といったことを、自分の知識の積み重ねとは別の判断を行った際にも言われるようになってきたからである。
4.ロジカルテスト
文章の読解力についてはロジカルテストがカギと思っている。最初にロジカルに臨んだときは本当にゲンナリだった。こういう論理テストみたいの、絶対ダメ。だってナゾナゾとか羊と狼を運ぶ川渡り問題みたいなアレ、分からないことが悲しいから極力避けてきたんだもの。さぞかし悲惨な状態なんだろうよ、イヤだイヤだ……と悲嘆しながら解いてみたところ、意外や結果はそう酷くなかったのだ(あくまで当社予測比)。地べたを這うようなスコアかと思ったら、そうでもなかった。あれ? 意外に普通だったかも? という程度ではあったが、このことでロジカルは楽しみなものへと変わった。それは自分に小さな自信を抱かせるキッカケの一つにもなった。
レベルが上がるたび、いきなり解ける数は減り間違いも多くなる。少し言い回しが変わるだけで、一つ項目が増えるだけで頭の中での組み立てはフワフワと揺らぎ、時間もかかる。しかし、ムキーッ出来なかった! という悔しさは湧いても、解くこと自体は楽しいのである。回数を重ねてくると、次へ、次へと問題を解いていくさなかに「本当にこの一文が一目で見えてる? この速さの判断で合ってる?」という自分への不安がチラリとよぎるが、これがちゃんと正解してくるのだから面白い。
現在ようやくCタイプの後半まで進んだが、まだまだこの先には長い道のりが待っている(ブログを読むと20段階以上あることが分かる)。早く次の世界を見てみたい。早く次の種類の問題に出会いたい。得意じゃないのに面白くなってしまっている私の、この先の楽しみである。ブログを読むと、DやE、F、Gといったレベルにあっても「伸びない」と悩んでいる人たちがおり、こちらからすると彼らのそれはいわばオリンピック選手の苦悩のようなものだ。この人たちが文章を一読したときの読解力は一体どんなものなのかつくづく知りたいとは思うが、実のところそれを知るには結局自分でたどり着き、自分がその世界を体験するしかない。そしてそれは私にもいつかちゃんと掴める世界なんだと今は思えるのである。
5.イメージ記憶
トレーニングの一つであるイメージ記憶は、いわゆる記憶術として巷で単体の講座があるものと同様のため、初めて知ったときにはなんだかお店の人が黙ってお得な商品を現品丸々一個つけてくれたような気分であった。上記の3.を容易にするのにも役立っているが、以前読んだ本を思い出す際に「あの場面があった本」と映像で思い出されることが多くなった。かつては読んだ本の場面や内容が記憶に残っていること自体がとても少なく、「昔読んだけど中身は覚えてない」ものばかりで、よっぽど面白いもの以外は中身が消え失せていることが多かった。全てを無理やりイメージしようと力んで読んでいたわけではないので、イメージ記憶が貢献してくれていることは間違いない。
【最後に】
速読も文演も、どちらも楽しい。そして知ってしまうとそのどちらもが「もっと早くに受けるべきだった」と思わずにはいられないものであった。小学生と思しきお子さんが教室にいるのを見かけると、この子の将来はどれだけ面白いことになるんだろう? と目を細めてしまう(でもイメージ記憶は大人の方が得意なんだからね!)。いいなあ、こんな年齢で受講するなんて、と羨ましく眺めてしまう高校生でさえ「中学生の頃に知っていたら」と悔やんでいる。
自分が薄らぼんやりとした時間を過ごしている間に、力いっぱい努力している人たちがいた。仕事や学校以外にも90分を必死に過ごしている人たちがいた。それは今も続いていて、もし私が何もしなければその差は開く一方だ。しかしその「誰か」との差をただ焦り、諦めるのではなく、自分自身の土台を築きあげ、確固としたものにしていける場がクリエイトなのである。良いもの見つけちゃったなー、と教室に通いだして3年目になろうとする今も思っている。
田上さんの最新スコアです↓
「田上さんの受講86回目の主なスコア15/6/21」よこ100 数字ランダム78・76 漢数字一行〇→7,380、四→9,360、三→8,370 たて一行ユニット112・98 スピードチェック37(1分)39(1分)ロジカルテストCタイプ20/28(3分)16/23(3分)イメージ記憶17/40(30秒)33/40(30秒)イメージ読み57個(30秒)倍速読書『鹿の王』10,400字/分・理解度A-「イメージ読み久しぶりで思い出せなかった。スピードチェック、終わらずくやしい」※漢数字一行Pシートは、前回のスコアです。
田上さん、体験記執筆、ありがとうございました真
※クリエイト速読スクールHP
※田上さん(Yさん)関連ブログです
・2013-10-29「いかに周りや自分の悩みなどに囚われず、」
・2014-05-13「ふて腐れ半分で読んでいた」
・2015-01-25「腹を立てつつブログを読んだりしていたが、」
・申し訳ありません。7月1日(水)より、しばらく公式ブログをお休みさせていただきます
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