さかのぼること敗戦間近。
未来は言葉だけのもので、
一瞬一瞬だけが全てだったと言う話は、たびたび聞いたことがある。
私も子供だった昭和50年前後、
命をかけた覚悟に裏打ちされた威厳と、
ただ徒に意味なく威張るのを履き違えた人がまだたくさんいたけれど、
昔話の時は皆いい顔をしていたように思う。
先進国と呼ばれる国々の人達に追い付け追い越せで
我武者羅に生き抜いた話を聞く度に感じた輝きに、
春の香りを感じていたのかもしれない。
今や2020年も3月に入った。
蕾膨らむ弥生。
草木芽吹くこの季節は、
天然の生命力を前に、しばし損得や目的や意味から解放される。
時を忘れ、我を忘れ、いのちそのものに触れている気さえするひととき。
どっからかやって来て、
この国に生まれ落ち、
ご縁に育ててもらってここまで来た。
未来は未来の方で
私なんかに関係無く
これからも動いていく。
明日を信じられないなら、
「もう駄目かもしれない!」
「恐い!怖い!」と、大声あげて
「窮鼠、猫を噛む」精神を刃として
一寸先に立ち向かえ。
危なくなれば、
直ぐに逃げ出す連中には与するな。