いわゆるTHE家具屋

驚く事に、この時期に２日連続で新品の婚礼セットを販売する事ができました。ありがとうございました。同業の方でないと、驚きの理由はわからないと思いますが、家具の小売業はたいへんな状況にございます。県内で仲の良かった或るお店も、この３月で閉店する事になりました。中～大規模のお店もかなりの数倒産やら廃業という事になっています（もちろん問題なく、がんばっているお店もあるとは思いますが）。であるから当店は総合型のリサイクルショップとアウトレット家具のお店に転じなければならなかった訳ですが、当店が転換した６年前の比では無い程の状況の様です。景気の停滞やデフレも大きな要因ではございますが、生活様式、住宅事情の変化が構造的、根本的に家具需要の激減につながったと思います。今から２０年も前、私がこの店に入った当時の話です。当時社長を務めていた父が、今ある５００坪程のこの店を閉じて、もっと地価が安い場所に２００坪位の小さな店を建て、社員も減らして小規模でやらないか？という事を言われました。当社では建築材の卸や住宅建築もやっていましたので、父の予想ではクローゼットや壁面収納家具におされて、これから箱物、棚物の家具は売れなくなる。特に金額も稼げ、粗利もある家具屋の華である婚礼タンスは近い将来に不要になってくるという事でした。（もちろん、その話は現実となり、冒頭でお話した、婚礼タンスがセットで２日連続で売れるとは驚くべき事なのです）その話を聞かせられた当時はバブル景気真っ只中、もちろん当社もずっと利益を出していましたし、判断能力も乏しかったので即答はできませんでした。その後、大山の製材工場の移転、私の結婚と慌しさの中その話を煮詰める事なく、父は癌で亡くなり、立ち消えになってしまいました。今思えば、父の２０年前の判断は正しかった。しかし、細々と家具屋を続けていたかもしれませんが、リサイクルショップはやっていなかったと思います。どちらが良かったのか？もちろん、私は自分で決めた今の道が良かったと信じています。