さなえのうた

歌いながらあちこちに出没します♪

今日のつぶやき

2011-04-05 | インポート


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夜の桜

2011-04-05 | 日記・エッセイ・コラム

先週は街の街灯が消されてました。計画停電とか、節電の影響だと思います。
帰り道、星空の下で見た桜が…まだ蕾だったのですが、枝全体がボヤーッと赤くなっていて、その妖しい感じが幻想的で素敵だな~と思っていました。
3月20日には・・・スーパームーンでしたっけ、月が一番地球に近い場所にある満月の夜がありました。それから徐々に月が欠けていき、昨日は新月。月が欠けていくのと反比例して、東京で見える星は光を増していきました。

今日は街に街灯の明かりが戻っていました。電気の使用は18時から19時がピーク。節電に努める企業の努力の結果や各家庭での節電対策が功を奏しているのでしょう。帰りが遅くなっても暗い夜道を歩かずに済むようになりました。星空の下で見た幻想的な桜も素敵だったけど、仕事帰りに歩く暗い道はやっぱり怖いので、街灯があった方がいいなぁ。。。

暗い道を通る時、オペラ『カルメン』の中のミカエラのアリアの冒頭部分を思い出します。
ざわざわと木々が音を立てて、心の中も不安でざわざわ・・・。そんな感じの音楽からアリアが始まるのです。ミカエラが一人、カンテラを手にして舞台上に現れます。手に持っているのは心もとない小さな灯り。周りは暗闇。しかも、密輸人達の隠れ家に行こうとしています。見つかったら殺されてしまうかもしれない不安と、深い森の中で木々もざわめいていますが、獣達もいるかもしれないという恐怖・・・。
都内にいるので想像でしかないのですが、ミカエラの心の動きを想像し、また、ビゼーの音楽って素晴らしいな~と感心し、続く台詞が文法的に文章になっていないことを改めて納得し、彼女が自分を鼓舞する度に鳴り響くオーケストラのメロディを感じ・・・。

ま、感じるだけじゃダメで、ちゃんと歌えないといけないんですけどね~。

暗い中で歌われるアリアで次に思い浮かぶのはオペラ『フィガロの結婚』のバルバリーナのアリア・・・アリアというより、少し小さめのカヴァティーナですが。こちらは暗い中で心細い、というよりも、半べそです。f-mollつまりヘ短調の調性が泣きべそをかいているバルバリーナを表現しています。

歌い手が本当に泣きべそをかく必要がないくらいに音楽が泣いています。

暗い中で歌われるアリアで一番素敵なのは・・・やっぱりオペラ『ラ・ボエーム』でしょう。ロドルフォのアリアとミミのアリア、そして“チャチャが入った後”に2重唱が続きます。ロドルフォがマルチェッロ達に返事をするためにカーテンを開けます・・・それによって窓から月明かりが差し込み、ミミが照らし出されます。その彼女を見て感動してロドルフォが麗しき乙女よ・・・と歌いだします。彼の感動を表現するオーケストラの動き!

このシーン、演出によっては窓辺にミミが近づくのですが、私はその演出があまり好きではありません。ミミがマルチェッロ達に興味がありそうに見えてしまうことと・・・4幕ではロドルフォがカーテンを閉めた時にミミの命も終わってしまうので、1幕では逆にロドルフォがカーテンを開けた時にミミの命が輝きだすのだと思えてならないのです。

ま、ミミは全幕通して歌ったことはないんですけどね~。

作曲家が魂を織り込んだ曲を、少しでもいいから誰かに伝えられたらいいな~と、そんな大それたことを考えつつ、街灯に照らし出された夜桜を見ながら帰宅しました。

練習しよ~。

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