俳優の市村正親さんが出演しているCM・・・
・・・某スマホ会社のものですが・・・
それを見る度に、発語が綺麗だなと思います。
まず、鼻濁音が綺麗。
「~が」・・・助詞の“が”、「予想外」の“が”、「これぐらい」の“ぐ”、
「つながり」の“が”、「都合」の“ご”・・・
お手本にしたい、綺麗な発音だと思います。
鼻濁音以外の子音も綺麗。
きつすぎない摩擦音、力の入りすぎていない破裂音、
明瞭に発語され、かつ聞き取りやすい子音の数々。
加えて母音の響き。
競演されている役者さんは、テレビではお馴染みの方ですが、
セリフの最後の方の母音が消えています。
「~です」「~でしょう」「~しましょうか」
マイクで拾っているので、テレビを通してなら聞き取れますし、
ニュアンスも雰囲気もすべて伝わっているので問題はないのですが、
同じ発声で舞台に乗せたら、
観客席の一番後ろまでは届かない発声です。
舞台でセリフを話すためには欠かせない発語法。
セリフの最後まで、お客様に届ける発声。
『魔笛』や『カルメン』や『ヘンゼルとグレーテル』、
オペレッタの数々やハイライト公演など、
歌うだけではなく、セリフをしゃべらなければならないシーンは
たくさんあります。
歌うようにではなく、
“話すように”セリフを発音するのは、
結構難しいのです。
言葉も気持ちも届いた時には嬉しいものですけれどね