さなえのうた

歌いながらあちこちに出没します♪

椿姫

2011-07-19 | インポート

先日ツイートしましたが、
Gガルボ主演の映画『椿姫』を見ました。DVDです。

  

オペラのイメージとは違うイメージを得たのですが・・・
おつきあいしている男性による金銭的援助が、
とても分かりやすく描かれていると思いました。

しかも、ヴィオレッタが彼らにとても愛されていることも
とてもよく分かる気がします。

  

原作を読んだ時には、ヴィオレッタは、
愛を知らない女性という印象が強く残りました。
父親との関係、愛に飢えた境遇で育ったという印象が
とても強かったのです。

    

  

愛に飢えているので、愛されようとする・・・というか、
“私を愛して”光線をビビビッと発している・・・というか、
愛されたい欲求が身体中から色気として溢れる・・・というか。

   

  

   

   

ヴェルディの楽譜を読んでいると、
ヴィオレッタの身体から放出されるこの上もない色香が、
フレーズのあちこちに散りばめられています。

  

ビゼーの描いたカルメンの色気とはまるで違う色香。

  

カルメンも、フレーズを辿っているだけで、
彼女が尋常ではない色気を持つ女性だということが
(ビゼーがそのように作曲しているということが)
わかるのですが、
ヴィオレッタも、楽譜を読んでいるだけで、
彼女が尋常ではない色香を放つ女性だということが
わかります。

  

歌っていると、ものすご~く楽しくなります。

  

全幕を通して一晩で歌うのは、まだまだ無理ですが。

  

  

オペラ『椿姫』を劇場で見た時、
プリマドンナの『私を愛して光線』が、とても悲しく見えた時がありました。

演出によって、脇役のキャラクターが、とても色濃く描かれていたのです。

  

残念ながらプリマもプリモも海外の方でしたが、
他はスタッフも全員日本人。

切なすぎて大号泣しました。
後にも先にも椿姫を泣いて号泣したのはそれ1回・・・じゃなくて、
もう1回あったなぁ。。。

  

  

バロンにはバロンの愛し方があり、
ガストンにはガストンの愛し方があり、
ジェルモンも彼女を理解し、
アルフレードは、まっすぐに愛していた。

  

そんな感じでした。

  

もう1回、あのプロダクションで、椿姫が見たいなぁ。。。

  

  

ところで、
まだ若いソプラノで、ヴィオレッタを歌ってほしいと思う日本人が
2人います。

  

一人は・・・最近ヴィオレッタを歌いました。
見た目も華があり、プリマとしての素質は十分。
歌の技術も申し分なく、スタミナも十分ありましたが、
ヴィオレッタのもつ影の部分が表現しきれていなくて、
・・・ああ、この役をこなすためには、
経験など、別の要素も必要なんだなと感じました。

もう一人は・・・最近、スピントよりのものなど、
重いレパートリーを歌い過ぎていて、
嫌なヴィブラートが出てきてしまいました。

真面目すぎる彼女は、オファーがあったものを断り切れず、
無理なスケジュールをこなしているのだと思います。

でも彼女は、誰もが見とれる容姿を持ち、
繊細なガラスの心を持っているので、
雰囲気は申し分ないです。

技術さえ伴えば・・・。

  

オペラって、難しいですねぇ。

  

  

椿姫を見て大号泣したもう1回は、
ほんの一瞬でした。

終幕、アルフレードの歌う『だめだ、死ぬな!』のフレーズが
心にグサグサ突き刺さったのです。

  

  

そんな経験が出来るのもオペラならでは。

舞台を実際に経験してみないとわからないかもしれませんが。

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