古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第三章 五人組改連判・その八

2011年06月04日 09時34分54秒 | 古文書の初歩

五人組連判改め 二ページ第一の一つ書き、続き四行目から

解読

若麁末ニ仕候而雨ニ当り御米腐り候か

又者無念有之火事盗人ニ逢ひ候而御

米致紛失候ハゝ急度米納可仕候事

 附御蔵致破損候ハゝ御納所前ニ修覆可仕事

読み方

もし、粗末につかまつり候て、雨に当たり御米腐り候か、

又は無念これ有り、火事盗人に逢い候て、御

米紛失致し候らわば、、きっと米納めつかまつるべく候事

附けたり 御蔵破損致し候らわば、御納所前に修復つかまつるべき事。

解説「若」・・・「もし」。 「麁末」・・・「麁」は略字で本来の字は、鹿を三つ(上に一つ、下に二つ)重ねた三十三画の漢字です。その略字がこれで、クの下に鹿が一つです。粗末の粗と同じ意味。 「而」・・・「て」と読みます。 「雨」・・・この字もちょっと読みにくい。 「當り」・・・ 「当たり」。 「候か」・・・「か」も難しい漢字で「與」へんに「欠」と書いて、「よ」「か」「や」と読み疑問・推測・不定の意味を表す助詞、「米が腐ってしまったならば」と言う意味。 「無念」・・・この場合は、残念無念ではなくて、「不注意」でと言う意味に解釈します。 「逢ひ」・・・この字もちょっと読めません。 「紛失」・・・「紛」も難しいです。 「火事盗人に遭い、米をなくしても必ず米を納めよ」とはどういう事か分かりませんが、当時はそう言う百姓には厳しい時代だったと思われます。 「御納所」・・・「ごなっしょ」、年貢米を納める事、又は納める場。或いはそれを担当する役人の事も言います。

もし、粗末に扱い、雨にあたって米を腐らせたならば、又は不注意で火事や盗人に遭い、米を紛失した場合でも、必ず米は納めること。附則、米倉が破損したら、米を納める迄に蔵を修繕すること。