古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第四章 極月改書・その二十

2011年06月29日 11時46分33秒 | 古文書の初歩

 

 

第十ページの四行目から

解読

 一 津浪川長へ打込候處ハ川口村迄池之口

 小川筋ハ池之山迄参ル尤汐嵩池之口村ニ而

 中之段壱者以池之口村宇津木月之瀬邊ニ而

 海魚沢山拾ひ候者多く有之候

読み方

 一つ 津浪川たけへ打ち込み候処は、川口村迄、池の口

 小川筋は池の山迄参る。尤も汐嵩池の口村にて

 中の段いっぱい、池の口村宇津木、月之瀬辺にて

 海魚沢山拾い候者多くこれ有り候。

解説

 「川長」と書いて、川丈(かわたけ)と読みました。川丈とは川丈筋という様に、川の本流沿い地域と言う意味だと解釈します。本件の川は「古座川」(和歌山県東牟婁郡)の事で、この津浪は、本流では、川口村まで到達した。また支流の池の口・小川では池野山まで来た。尤も(但し)汐の高さは中の段いっぱいとは、この「段」もどこの階段か石段かよく判りません。 「壱者以」・・・「者」は「は」、「以」は「い」のそれぞれ変体仮名。「者」に半濁点が有ります。 河口からから宇津木まで約三キロ、月の瀬まで約五キロほど、この辺で海の魚を沢山拾ったとの事です。魚と言う字は下が「大」になっています。