古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第四章 極月改書・その十一

2011年06月19日 10時33分29秒 | 古文書の初歩

 

 七ページ、四行目まで

 解読

一 同五日七つ時ヨリ又大地震ニ而諸国大混雑

  別而当所之人者前日之津浪を恐連又々

  上エ野山へ逃走ル有様ハ父ヨ母ヨト泣声ハ蚊能

  啼如く尓て見る尓見羅連怒次第な利

  読み方

  一つ 同五日七つ時より、又大地震にて、諸国大混雑

     別けて当所の人は、前日の津浪を恐れ、又々

     上野山へ逃げ走る有様は、父よ母よと泣き声は蚊の

     啼く如くにて、見るに見られぬ次第なり

  解説

  「七つ時」・・・この地震は午前四時と思われます。  「恐連」・・・           恐れ。「連」は「れ」。  「上エ野山」・・・上・下には送り仮名の付く時が有ります。 逃走ル・・・「逃」は外にしんにゅう。  「有様」・・・「有」は難読文字です。「ありさま」「ありよう」。  「蚊能」・・・「能」は「の」の変体仮名。「蚊の」。  「啼く」・・・鳴く。  「見る尓見羅連怒」・・・見るに見られぬ。  「羅」・・・「ら」。  「怒」・・・「ぬ」。「利」・・・変体仮名で「り」。  変体仮名の連続です。