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解読
一 同五日七つ時ヨリ又大地震ニ而諸国大混雑
別而当所之人者前日之津浪を恐連又々
上エ野山へ逃走ル有様ハ父ヨ母ヨト泣声ハ蚊能
啼如く尓て見る尓見羅連怒次第な利
読み方
一つ 同五日七つ時より、又大地震にて、諸国大混雑
別けて当所の人は、前日の津浪を恐れ、又々
上野山へ逃げ走る有様は、父よ母よと泣き声は蚊の
啼く如くにて、見るに見られぬ次第なり
解説
「七つ時」・・・この地震は午前四時と思われます。 「恐連」・・・ 恐れ。「連」は「れ」。 「上エ野山」・・・上・下には送り仮名の付く時が有ります。 逃走ル・・・「逃」は外にしんにゅう。 「有様」・・・「有」は難読文字です。「ありさま」「ありよう」。 「蚊能」・・・「能」は「の」の変体仮名。「蚊の」。 「啼く」・・・鳴く。 「見る尓見羅連怒」・・・見るに見られぬ。 「羅」・・・「ら」。 「怒」・・・「ぬ」。「利」・・・変体仮名で「り」。 変体仮名の連続です。