古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第四章 極月改書・その四

2011年06月11日 17時10分18秒 | 古文書の初歩

第三ページの五行目から

解読

 御大名天保山邊江数多陣所を構大坂西東

 御奉行并御城代土屋采女正様抔ハ五千余之

 同勢ニて御固メ被成同所木津川口固メ之大名

 筑後土佐郡山様抔ハ陸ト川中ニ舩陣を固メ諸

 国廻舩ニ而川中へ垣を致し夜ハ高張篝火を焼キ

読み方

 (近国)御大名、天保山邊り(あたり)へ数多(あまた)陣所(陣地)を構え、大阪西・東の

 御奉行並びに御城代土屋采女正(うねめのしょう)様抔(など)は、五千余の

 同勢にてお固めなされ、同所木津川口固めの大名

 筑後・土佐・郡山様抔(など)は、陸と川中に船陣を固め、諸

 国廻船にて、川中へ垣を致し、夜は高張り篝火を焼き

解説 (大阪近辺の)大名が、天保山付近に多くの陣地を構え、大阪西・東の御奉行所、並びに御城代(大阪城守護の大名)土屋采女正様などは、五千人余りの兵力をもってお固めなされ、木津川河口固めの大名、筑後・土佐・郡山様などは陸上と川の中に、舩陣を固め、諸国の廻船(運搬船)を並べて川の中へ垣根を作り、夜は高く掲げた篝火を焼き(焚き) 

 「天保山邊江」・・・天保山付近へ。 「五千余」・・・五の崩し字は前に出ました。  「同勢」・・・兵力。 「被成」・・・被は何度も出ました。下から「なされ」と読みます。 「陸と川中」・・・陸地は兵力で固め、川中は舟を並べて固め。  「篝火を焼き」・・・篝火を焚き。

以下〔広辞苑より引用〕「城代」・・・幕府は大阪城と駿府城には、城主を置かず、譜代大名などに守護させました。 譜代大名とは、関ヶ原の戦以前から、徳川氏の家臣であった者。それ以後の大名は外様大名と呼びます。  采女とは、古代の宮廷の女官の事で、「采女正」は後に江戸幕府では、女官を監督した役職のこと。うねめのしょう、又はうねめのかみ。