古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第四章 極月改書・その十五

2011年06月23日 11時46分27秒 | 古文書の初歩

 

 

八ページの七行目から

解読

 潰込町筋ハ札場迄潰家流物抔ニ而山の如く

 打寄セ是ヨリ上ミの町筋ハ痛無之左候へ共

 川端石垣納屋抔者少々痛有之(候)

読み方

 潰れ込み、町筋は札場迄潰れ家流物抔(など)にて、山の如く

 打ち寄せ、是よりカミの町筋は痛み是無く左候えども

 川端石垣納屋などは、少々の痛みこれ有り(候)

解説  「札場」・・・魚市場。セリの札を入れる所から札場と呼びました。 「潰家流物」・・・今で言えば「がれき」。 最後の部分、「少々痛」の次が読みにくいですが、「有之候」・・・「これ有り候」と読んでおきます。

 「全体の意味」 次に二度目の津浪が押し寄せ、浪の高さは七・五㍍で、この浪により鯨場の下の家二十軒、上の家五十軒が流失。その後二、三回浪は来たが前のより小さかった。家の流失しなかったのは、下地廣小路より上の二、三軒目で、それより下町は流された。納屋や石垣も川の中へ潰れ込み、町中は魚市場まで瓦礫で山の様になった。是より上の町の通りは損害なく、でも川端の石垣納屋には少しの被害があった。