2022年度版 渡辺松男研究2の14(2018年8月実施)
【はだか】『泡宇宙の蛙』(1999年)P69~
参加者:泉真帆、A・K、T・S、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:泉真帆 司会と記録:鹿取未放
99 おさなごは苔の花見ていたるらし無口なるこのおさなごの瞳は
(レポート)
つぶらな瞳、寡黙な瞳。その瞳が植物の小さ花を「ふしぎ(・・・)」と思い観察している。結論を述べるのでなく、景を見せて語る技をおもう。(真帆)
(当日意見)
★松男さんは古典の和歌とかはあまり勉強したことがない人だと思いますが(もちろん、私
もしていませんが)おさなごの繰り返しの部分は古事記の「この口やものいはぬ口」を思
い出しました。有名な歌だから松男さんの頭の隅に残っていたのかも知れないと思います
し、全然関連無くつくられたかもしれませんが。(鹿取)
★苔の花って具体もなかなか普通出てこないものですね。(真帆)
★そうですね、幼子が瞳を輝かせて見るのがチューリップや薔薇や百合ではなくて地味で小
さな苔の花だというのがユニークですね。(鹿取)
(後日意見)
かなり話がそれるが、当日の鹿取発言の繰り返しについて、古事記や日本書紀に誉津別皇子(ほむつわけのみこと)という長じてもしゃべることが出来なかった王子の話がある。この王子がある日白鳥が渡っていくのを見て初めて言葉を発したという話である。古事記の歌「この口やものいはぬ口」を山中智恵子が本歌取りして次のような歌を詠んでいる。
(鹿取)
この額(ぬか)ややすらはぬ額 いとしみのことばはありし髪くらかりき
山中智恵子『紡錘』
【はだか】『泡宇宙の蛙』(1999年)P69~
参加者:泉真帆、A・K、T・S、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:泉真帆 司会と記録:鹿取未放
99 おさなごは苔の花見ていたるらし無口なるこのおさなごの瞳は
(レポート)
つぶらな瞳、寡黙な瞳。その瞳が植物の小さ花を「ふしぎ(・・・)」と思い観察している。結論を述べるのでなく、景を見せて語る技をおもう。(真帆)
(当日意見)
★松男さんは古典の和歌とかはあまり勉強したことがない人だと思いますが(もちろん、私
もしていませんが)おさなごの繰り返しの部分は古事記の「この口やものいはぬ口」を思
い出しました。有名な歌だから松男さんの頭の隅に残っていたのかも知れないと思います
し、全然関連無くつくられたかもしれませんが。(鹿取)
★苔の花って具体もなかなか普通出てこないものですね。(真帆)
★そうですね、幼子が瞳を輝かせて見るのがチューリップや薔薇や百合ではなくて地味で小
さな苔の花だというのがユニークですね。(鹿取)
(後日意見)
かなり話がそれるが、当日の鹿取発言の繰り返しについて、古事記や日本書紀に誉津別皇子(ほむつわけのみこと)という長じてもしゃべることが出来なかった王子の話がある。この王子がある日白鳥が渡っていくのを見て初めて言葉を発したという話である。古事記の歌「この口やものいはぬ口」を山中智恵子が本歌取りして次のような歌を詠んでいる。
(鹿取)
この額(ぬか)ややすらはぬ額 いとしみのことばはありし髪くらかりき
山中智恵子『紡錘』
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