かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男の一首鑑賞 180

2021-03-07 15:28:54 | 短歌の鑑賞
  渡辺松男研究22(2014年12月) 【非常口】『寒気氾濫』(1997年)75頁~
      参加者:石井彩子、泉真帆、崎尾廣子、鈴木良明、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
       レポーター:石井 彩子  司会と記録:鹿取 未放


180 自殺してしまいし友は鷲っ鼻ビール飲む目のやさしかりにし

        (レポート)
 氏にしては平明でわかりやすい作品。唐突に自らの命を絶ってしまった友への悔恨の情、慟哭の思いがストレートに伝わってくる。鷲っ鼻の友は、堅固な強い意志を持った人格を想像させる。きっとビールを飲みながら、議論を交わしたのであろう。ふと垣間見た目のやさしさ…自殺した友の思いが哀切である。(石井)


       (意見)
★ここまで詠えるようになるには、自殺してからかなりの年月が経っているのかなと思いました。
 闇のテーマの中にどうしてこの自殺した友の一首があるのか不思議でした。(真帆)
★同じような歌が並ぶと緊張感が走りますが、このような歌が入っているのは歌集のバランスを考
 えられたのかなと。(石井)
★友達の心の闇だから同じだと思いました。簡単な歌じゃないと思う。(鈴木)
★組織の中で清濁併せ呑みつつ生きた人が自殺したとか。(真帆)
★同じテーマでも渡辺さんはいろんな角度から読んでいるから面白い。(鈴木)

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