公園で見かけた根っこをむき出しにした木
渡辺松男研究2の10(2018年4月実施)『泡宇宙の蛙』(1999年)
【邑】P50~
参加者:泉真帆、K・O、T・S、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:泉 真帆 司会と記録:鹿取未放
75 逆立ちをしたまま太き樹となりぬそよぐみどりはわれのあなうら
(レポート)
樹木は地中にバンザイするようなかたちで根を張ってゆくが、作者は野原だろうか戸外で逆立ちをして、いま自分は木になっているという心でいるのだろう。手の先に根をぐんぐんのばし、ふといふとい樹となり、自分の足裏には木の葉がそよぐ、そんな気分を詠ったのではないか。(真帆)
(当日発言)
★宮崎駿監督の「もののけ姫」か何かに出てくるような感じ。自分が太い樹になっちゃう。それが
読者の自分もそうなっちゃうような体感を持てる。映像性もあって、ユーモアがあって、でも根
源的なところを歌っている。下句が全部ひらがなで、ゆっくりと樹になっていくような感じを出
している。(K・O)
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