かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

馬場あき子の外国詠 73 スペイン①

2024-07-28 14:11:19 | 短歌の鑑賞
 2024年度版  馬場あき子の外国詠8(2008年5月)
     【西班牙 Ⅰモスクワ空港へ】『青い夜のことば』(1999年刊)P48~
     参加者:N・I、M・S、H・S、T・S、藤本満須子、T・H、
           渡部慧子、鹿取未放
     レポーター:H・S まとめ:鹿取未放


73 清掃の女の一団もりもりと乗り込み来たるこれぞモスクワ

       (まとめ)
 前のロマンチックな歌(モスクワ空港彼方の疎林に雪降るころ降りたしツルゲーネフを恋びととして)から一転して現実的。そのコントラストが面白くしく詠まれている。「もりもりと」に、いかにも肥えた逞しいロシア女性の姿が見えるようだ。
 この一連、重いテーマから軽やかなもの、可愛らしいもの、ロマンチックなものとがうまく配されていて、移りゆきの妙・連作の醍醐味を味わえる見事な構成になっている。(鹿取)


      (レポート)
 ユーモラスな表現によってロシアの国のおくにがらを、人を象徴している。雪に育てられた女性達を想像する。モスクワという都市の根を支えているのはこのような女性達なのであろう。モスクワの一面を知らされる。(H・S)

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