2024年版 渡辺松男研究 25(15年3月)
【光る骨格】『寒気氾濫』(1997年)86頁~
参加者:S・I、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:渡部 慧子 司会と記録:鹿取 未放
209 星雲が幾億の星孕みつつ哭いていないとどうして言える
(当日意見)
★やはり人間に擬しているのだと思います。星雲でも何でもこの人は自分のように考え
ていらっしゃるのよね。(曽我)
★ハッブル望遠鏡では100億光年のかなたが見えるそうですが、星雲は雲のように泡
立っていて泣いているように見える、そんな状況を思い出します。そこで星が生まれ
なくなっていく。人間にもあるように宇宙にも生死がある。そんな宇宙の悲しさを感
じました。(S・I)
★これは私、好きな歌です。「哭いていないとどうして言える」と反語で言って「哭い
てい」ることを強調しています。心が無いはずの星雲そのものが哭いていると作者は
感じているんです。「孕み」だから妊娠するように幾億という数えきれない星を星雲
はお腹の中に抱えていて、これからもそれを生み出してゆく。あるいは無数の星から
構成されていることを比喩的に「孕む」と言っているのかもしれませんが。慟哭の
「哭」で「哭く」だから大泣きしてるんです。果てしない大宇宙の中で次々に星を生
み出していく、あるいは星を幾億も抱え持っている星雲自体の、存在に対する怖れ、
恐懼でしょうかね。存在を生み出す母性の恐れや悲しみが意識にあるかもしれないけ
ど、ここは何かを例えているのではなく、星雲自体の慟哭を感じ取っていると解釈す
る方が私は好きです。(鹿取)
【光る骨格】『寒気氾濫』(1997年)86頁~
参加者:S・I、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:渡部 慧子 司会と記録:鹿取 未放
209 星雲が幾億の星孕みつつ哭いていないとどうして言える
(当日意見)
★やはり人間に擬しているのだと思います。星雲でも何でもこの人は自分のように考え
ていらっしゃるのよね。(曽我)
★ハッブル望遠鏡では100億光年のかなたが見えるそうですが、星雲は雲のように泡
立っていて泣いているように見える、そんな状況を思い出します。そこで星が生まれ
なくなっていく。人間にもあるように宇宙にも生死がある。そんな宇宙の悲しさを感
じました。(S・I)
★これは私、好きな歌です。「哭いていないとどうして言える」と反語で言って「哭い
てい」ることを強調しています。心が無いはずの星雲そのものが哭いていると作者は
感じているんです。「孕み」だから妊娠するように幾億という数えきれない星を星雲
はお腹の中に抱えていて、これからもそれを生み出してゆく。あるいは無数の星から
構成されていることを比喩的に「孕む」と言っているのかもしれませんが。慟哭の
「哭」で「哭く」だから大泣きしてるんです。果てしない大宇宙の中で次々に星を生
み出していく、あるいは星を幾億も抱え持っている星雲自体の、存在に対する怖れ、
恐懼でしょうかね。存在を生み出す母性の恐れや悲しみが意識にあるかもしれないけ
ど、ここは何かを例えているのではなく、星雲自体の慟哭を感じ取っていると解釈す
る方が私は好きです。(鹿取)
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