渡辺松男研究47(2017年3月実施)『寒気氾濫』(1997年)
【睫はうごく】P157
参加者:泉真帆、M・S、鈴木良明、曽我亮子、A・Y、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:鈴木 良明 司会と記録:鹿取 未放
396 耳ぞこに紅葉のごとくひろがりぬうらわかき日のははの呼ぶ声
(レポート)
「うらわかき日のははの呼ぶ声」は音色として、紅葉のようにきらきらと明るく華やいでいたのだろう。その声がいまだに耳底に残っていて、ふとした弾みに、その声が蘇えってくるのだろう。
※本歌集最後の歌に次の歌がある。
どの窓もどの窓も紅葉であるときに赤子のわれは抱かれていたり
(当日発言)
★「うらわかき日のはは」は〈われ〉の幼児期ですよね、きっと。お母さん、男の子はみんな好き
なんですよね。うちの母は若くて綺麗って。まあ、大人になっても、お母さんが生きていても、
男の人って基本的に母恋がありますよね。(鹿取)
★この作者はお母さんのことを歌われた歌が多いのですか?(A・Y)
★多いですね。お母さんを早く亡くされている関係もあるでしょうが、何度かシリーズでお母さん
の死を歌っています。茂吉の「死に給ふ母」に匹敵するくらいたくさん。「ああ母は突然消えて
ゆきたれど一生なんて青虫にもある」(『泡宇宙の蛙』)は歌壇で物議をかもしましたけど、私は
とてもいい歌だと思っています。(鹿取)
★松男さんはお母さんをとても愛していらして、何と良い声だろうと思っていらした。(曽我)
★若い頃お母さんを亡くされたので母の若い声を思い出せるけど、うちなんか100歳超えて母が
亡くなったので、若い頃の声なんか思い出せないですよ。(鈴木)
【睫はうごく】P157
参加者:泉真帆、M・S、鈴木良明、曽我亮子、A・Y、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:鈴木 良明 司会と記録:鹿取 未放
396 耳ぞこに紅葉のごとくひろがりぬうらわかき日のははの呼ぶ声
(レポート)
「うらわかき日のははの呼ぶ声」は音色として、紅葉のようにきらきらと明るく華やいでいたのだろう。その声がいまだに耳底に残っていて、ふとした弾みに、その声が蘇えってくるのだろう。
※本歌集最後の歌に次の歌がある。
どの窓もどの窓も紅葉であるときに赤子のわれは抱かれていたり
(当日発言)
★「うらわかき日のはは」は〈われ〉の幼児期ですよね、きっと。お母さん、男の子はみんな好き
なんですよね。うちの母は若くて綺麗って。まあ、大人になっても、お母さんが生きていても、
男の人って基本的に母恋がありますよね。(鹿取)
★この作者はお母さんのことを歌われた歌が多いのですか?(A・Y)
★多いですね。お母さんを早く亡くされている関係もあるでしょうが、何度かシリーズでお母さん
の死を歌っています。茂吉の「死に給ふ母」に匹敵するくらいたくさん。「ああ母は突然消えて
ゆきたれど一生なんて青虫にもある」(『泡宇宙の蛙』)は歌壇で物議をかもしましたけど、私は
とてもいい歌だと思っています。(鹿取)
★松男さんはお母さんをとても愛していらして、何と良い声だろうと思っていらした。(曽我)
★若い頃お母さんを亡くされたので母の若い声を思い出せるけど、うちなんか100歳超えて母が
亡くなったので、若い頃の声なんか思い出せないですよ。(鈴木)
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