かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

馬場あき子の外国詠 205(中国)

2019-04-03 21:41:34 | 短歌の鑑賞
馬場あき子の旅の歌27(2010年4月実施)
    【飛天の道】『飛天の道』(2000年刊)168頁~
     参加者:K・I、N・I、Y・I、K・T、T・S、
         藤本満須子、T・H、渡部慧子、鹿取未放
     レポーター:藤本満須子 司会とまとめ:鹿取 未放


205 葡萄の子ぶだうの遊び西瓜の子すいくわの遊び食むといふ遊び

          (レポート)
 ことばのリフレインによって面白い作りの歌になっている。葡萄の収穫を終えて葡萄酒となり、様々に加工され保管される古代からの葡萄。西瓜市場にはたくさん新鮮な赤や黄色が並んでいる。
 さて写真集『シルクロードの子どもたち』を眺めていると、西から東へ東から西へと民族の違いや肌合いの違いが写されているが、どの民族の子どもたちも笑っている。笑顔が素敵である。食生活、生活習慣から文化の違い、文明の違いを思うのであるが、食べることそのものを楽しんでいるようすをうたったものであろうか。(藤本)
 ――遊びをせんとや生まれけん――梁塵秘抄


      (まとめ)
 面白そうなリズムではあるが、最初、葡萄や西瓜の「子」とは種であろうかと考えて解釈ができなくなった。それで、これは立ち寄った街で見かけた情景ととってみた。葡萄を食べている子、西瓜を食べている子、それぞれがいて、みな嬉しそうに夢中でそれらを食べている。それを「食むといふ遊び」と言ったのだろう。紫、緑、赤、黄色のいろとりどりの果物と子供の弾けるような笑顔、景のよく見える歌で、作者の優しい情の見える歌でもある。土地褒めでもあるのだろう。(鹿取)


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