かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男の一首鑑賞  327

2021-10-04 16:48:39 | 短歌の鑑賞
 渡辺松男研究39(2016年6月実施)『寒気氾濫』(1997年)P133
  【明解なる樹々】『寒気氾濫』(1997年)133頁
   参加者:石井彩子、泉真帆、M・S、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
   レポーター:渡部 慧子   司会と記録:鹿取 未放


327 目瞑ればわたしも樹々になれそうな涼しき夜を啼く青葉木菟

    (レポート)
目を瞑ればもとの区別(視覚的に)がなくなって、なりたいものになれるような気がする。寒暑もなくて涼しい夜ならばなおさらだ。そんな涼しい夜に青葉木菟は作者の樹々になりたいと思っていた心を感じてあらわれたのかもしれない。何ともいえない啼き声が夜も作者の願いもつつみこんでいよう。(慧子)
 

      
(当日意見)
★分かりやすい素直な歌ですね。(石井)
★そうですね、爽やかであまりはからいがなくて、だからという訳ではないですが、好きな歌です。
 ちょっと淋しげに青葉木菟は啼くので、その感じがよく出ていますね。「涼しい」は松男さんの
 キーワードの一つですね。(鹿取)

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 渡辺松男の一首鑑賞  326 | トップ | 清見糺の一首鑑賞  151 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

短歌の鑑賞」カテゴリの最新記事