渡辺松男研究39(2016年6月実施)『寒気氾濫』(1997年)P133
【明解なる樹々】『寒気氾濫』(1997年)133頁
参加者:石井彩子、泉真帆、M・S、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:渡部 慧子 司会と記録:鹿取 未放
326 樹のもとに感情もまたみどりにてふかまなざしの君を恋いおり
(レポート)
もとより樹を好む作者が樹のもとへゆく。思えば「樹のもとに感情もまたみどりにて」とは、樹の包容力にたちまちに同化したのかもしれないと思ったが、「ふかまなざしの君を恋いお
り」とあるように、「にて」と「おり」によって既に恋に落ちている状態。「ふかまなざしの君」とは、他の誰でもない「樹」なのだ。(慧子)
雪国に子を生んでこの深まなざし 森澄雄
(当日意見)
★ご意見ないですか? 「ふかまなざしの君」とは、他の誰でもない「樹」なのだとレポーター
は言っていらっしゃいますが、その辺、よろしいですか?(鹿取)
★樹に恋しているんですか?そうすると分かりやすいし、ういういしいですね、みどりの季節に。
(石井)
★私は慧子さんに賛成です。樹が深まなざしをしていて、その樹に恋している。何首か前の歌(ぶ
つけあうこころとこころ痛すぎて樹々のみどりへ眼そらせり)に対するM・Sさんの解釈の
ように奥さんとケンカしていて、ぶつけあうこころとこころというものがあって、でも最終的に
は君に恋しているって考えることもできるけど、思い入れのある樹に恋しているととりたいです。
(真帆)
★前の歌(一本のけやきを根から梢まであおぎて足る日あおぎもせぬ日)と関連しているので、
樹に恋している説に納得しました。(石井)
★まあ、皆さんがおっしゃる解釈でまちがいとはいえませんが、少し先にとてもリアルな君が出て
くるので、ここは女性を想定してもいいだろうと私は思います。(鹿取)
【明解なる樹々】『寒気氾濫』(1997年)133頁
参加者:石井彩子、泉真帆、M・S、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
レポーター:渡部 慧子 司会と記録:鹿取 未放
326 樹のもとに感情もまたみどりにてふかまなざしの君を恋いおり
(レポート)
もとより樹を好む作者が樹のもとへゆく。思えば「樹のもとに感情もまたみどりにて」とは、樹の包容力にたちまちに同化したのかもしれないと思ったが、「ふかまなざしの君を恋いお
り」とあるように、「にて」と「おり」によって既に恋に落ちている状態。「ふかまなざしの君」とは、他の誰でもない「樹」なのだ。(慧子)
雪国に子を生んでこの深まなざし 森澄雄
(当日意見)
★ご意見ないですか? 「ふかまなざしの君」とは、他の誰でもない「樹」なのだとレポーター
は言っていらっしゃいますが、その辺、よろしいですか?(鹿取)
★樹に恋しているんですか?そうすると分かりやすいし、ういういしいですね、みどりの季節に。
(石井)
★私は慧子さんに賛成です。樹が深まなざしをしていて、その樹に恋している。何首か前の歌(ぶ
つけあうこころとこころ痛すぎて樹々のみどりへ眼そらせり)に対するM・Sさんの解釈の
ように奥さんとケンカしていて、ぶつけあうこころとこころというものがあって、でも最終的に
は君に恋しているって考えることもできるけど、思い入れのある樹に恋しているととりたいです。
(真帆)
★前の歌(一本のけやきを根から梢まであおぎて足る日あおぎもせぬ日)と関連しているので、
樹に恋している説に納得しました。(石井)
★まあ、皆さんがおっしゃる解釈でまちがいとはいえませんが、少し先にとてもリアルな君が出て
くるので、ここは女性を想定してもいいだろうと私は思います。(鹿取)
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