かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

馬場あき子の外国詠 426(韓国)

2019-12-04 19:17:00 | 短歌の鑑賞
  馬場あき子の外国詠59(2013年12月実施)
【発光 武寧王陵にて】『南島』(1991年刊)P90~
    参加者:K・I、崎尾廣子、曽我亮子、渡部慧子、鹿取未放
   レポーター:崎尾 廣子   司会とまとめ:鹿取 未放    
  

426 武寧王陵(ぶねいわうりよう)立冬の霧濃ゆければ手にふれて知る木々の寂けさ

(当日発言)
★425番歌(王陵の闇より出でて松の葉の白き霧氷に息吐きにけり)もそうだが長い歴史の時間
 の凝縮のようなものを見てきて、地上に出、身体的にも精神的にも現実世界にとまどっている感
 じ。それが木々に手を触れることではっと現実に引き戻された。その覚醒の感じが「寂けさ」に
 象徴されているような気がする。(鹿取)
★立冬の霧としたところがとてもいい。冬のなどでなく、立冬で時をぱっと絞り込んだ感じ。
    (慧子)
★霧が深くて手に触れないと木が実感できなかった。(曽我)
★直接的にはそうですね。ただ、手に触れて知るのはもっと微妙な内面的な「木々の寂けさ」では
 ないか。(鹿取)


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