かまくらdeたんか 鹿取未放

馬場あき子の外国詠、渡辺松男のそれぞれの一首鑑賞。「かりん」鎌倉支部の記録です。毎日、更新しています。

渡辺松男の一首鑑賞 2の217

2019-11-09 11:13:46 | 短歌の鑑賞
   ブログ用渡辺松男研究2の28(2019年10月実施)
     Ⅳ〈水〉『泡宇宙の蛙』(1999年)P138~
     参加者:泉真帆、岡東和子、A・K、菅原あつ子(紙上参加)、鹿取未放
     レポーター:岡東和子    司会と記録:鹿取未放

217 にごる水とどこおる水くらき水 にんげんがみな病気だなんて

     (レポート)
 濁つている水、滞つている水、暗い水そして人間がみな病気だなんて。作者はまず、不健康になりそうな水を三種類挙げている。そして一枡あけて「にんげんがみな病気だなんて」と、強調とも反語ともとれる終わり方をしている。水は苦しみにつながるという事か。(岡東)


(紙上参加意見)
 人体はほぼ水でできている。その水、血や体液に問題があれば病気になる。そしてほとんどの人は病気なのだ。作者は体も心も病んでいる人間存在を悲しんでいるのだろう。(菅原)


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 渡辺松男の一首鑑賞 2の216 | トップ | 渡辺松男の一首鑑賞 2の218 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

短歌の鑑賞」カテゴリの最新記事