一つの映画を2回も取り上げるっていうのもどうかな、って思うけど....
DVDが出たので借りて見た。
映画館で見たときは、事前に知識を持たないで見たので、クロエ・モレッツが出ていることも、本当の主人公がジョルジュ・メリエスだということも知らないでいたので、「クロエがちょっと大人びている」とか「雰囲気のいい映画だなぁ」という感想だったが、一度見た後でもう一度見ると、もっと気持ちがのめりこんで、途中から涙が止まらなくなってしまった。
映画の草創期というと、この映画、バスターキートンのブラックコメディー、チャップリンと来るのはもう当たり前の当り前で、映画好きなら(というより映画という表現方法が好きな人なら)だれでも知っていると思うが、メリエス自身については他の二人と比べてほとんど知らなかった。
映画で表現されているメリエスは、まるで子供のように純粋に映画にのめりこんでいる。それはマジシャンだったころをさらに超えて新しいものに創意と工夫を凝らすことに、本当に喜びを見出している。
HUGOが自分の父との思い出を探し求めてメリエスと出会い、その養女のイザベル(クロエが演じている)と協力して、すっかり失意の状態にあったメリエスの気持ちを復活させる中で、生き生きと映画作りに情熱を注ぎ込んでいるころの場面は、本当に素晴らしい。
これをHUGOとイザベルという少年少女の無垢な友情を通して見せていることも、この映画の良さなのかもしれない。
ちなみにアカデミー賞を5部門もとり、評論家からも高い評価を受けているが、日本ではよい興行収益を得ているものの、本国アメリカではあまり芳しくなく、製作費の1億8000万ドルをわずかに超えるにとどまっているそうです。