コロナウイルス感染症もさらに感染者数が減ってきているようで何よりです。「GOTOトラベルで感染者が爆発する!!」と言っていた専門家やコメンテーターの人たちは、それには触れずにまた新たなインパクトのあるネタを探しているのでしょうか?
さて、コロナの市中感染が始まってからかなりの日数が経過しているにも関わらず、ワイドショーでは未だに芸能人の感染者が出るたびに大きなニュースとして流しています。
先日は「緊急速報!」と画面に出て、何事が起ったのだろうとびっくりしてテレビの前に座ると「爆笑問題の田中裕二さんも感染確認!!」とテロップが出て、思わず椅子から滑り落ちそうになりました。
田中さんが何か悪いことでもしたというのでしょうか?
これを速報で流して国民にどうしろと言うのでしょうか?何かメリットがあるのでしょうか?
しかもその後の話題が「全国でコロナいじめが問題になっています・・」というもので、もう苦笑いをするしかない朝でした。
どんな感染症であろうと、犯人というものは存在しません。
世界最初の感染者であっても、どこかの何かから感染した被害者に違いないのですから・・
いくら感染対策をしっかりやっていたとしても誰にでも感染する可能性はあります。
そういう中で報道すべきは今の正確な状況、それに合わせた正しい予防対策、経済対策等であり、ひとりひとりの感染者やクラスターをこれでもかと大きく報道して、その人たちに謝らせることが目的ではないはずです。
前にも書きましたが、もうそろそろインフルエンザ並みの対応に切り替えましょう。コロナにはワクチンや薬が無いにも関わらず、毎年流行するインフルエンザよりも国内の感染者数、死亡者数ともずっと少ない状況で推移しています。
恐らく冬のインフルエンザは全く怖がらないような人たちでさえも今回はちゃんとマスクを着けて、手指消毒をして、行動自粛をしていることが良い結果を生んでいるのだと思います。また、日本人特有の清潔観念も他国と比べて感染を抑えられている一因になっているのでしょう。
そういう意味では適度に怖がることも感染予防の上で必要にはなりますが、必要以上に怖がりすぎることは逆に社会生活の混乱や差別・偏見を生み出してしまいます。
古くはハンセン病の患者さんたちが、日常生活では殆ど感染しない疾患であったにも関わらず、「簡単に感染する怖い感染症で、かつ遺伝もする」という国ぐるみの全く誤った認識により、国内最大級とも言える人権差別問題の被害者となったことを忘れてはいけません。
新たな感染症が発生したら、まず敵を良く知り、その上で落ち着いて正しく怖がることを心がけたいものです。
まあ、そんな日々です・・・
★幕末のペリー来航の後あたりに江戸でコレラが流行し、人々はコロリという妖怪が疫病をもたらしているとうわさした。(コ・ロ・リ=虎・狼・狸 )