9月29日(水)夜、「やねせん亭」を聴きに不忍通りふれあい館に出掛けました。第10回目は用事があり出向けませんでしたから、今回は是非と思っていました。
演目は 一龍斉貞弥 「臆病一本槍」 (講談)
金原亭馬治 「茶の湯」
三遊亭兼好 「粗忽長屋」
仲入り
やねせん根問い(質問コーナー)
ぴろき ( ウクレレ漫談)
三遊亭円左衛門 「死神」
午後6時半丁度に、大入り満員での開演です。
トップバッターは講談師一龍斉貞弥(ていや)。やねせん亭初登場のニューヘイス。比較的うら若い乙女さんの、歯切れ良く聴きやすい語り。今後も何度か登場することでしょう。これからの活躍が期待できそうで、楽しみが増えました。
馬治は前にも聴いたことがあります。異物の入った茶の湯を飲むときの表情を飲む人により変化させます。この場面こそラジオやCDで聴くのでは味わえない落語の醍醐味と思います。
さて兼好の登場です。舞台に出てくる前から「この人面白いよね」のひそひそ話が流れます。初登場の貞弥の講談をマクラに使います。ですから、予め用意したネタではなく、即興のマクラでしょう。5分以上をマクラに使い会場は笑いの渦。”マクラ名人”の面目躍如。そうやって聴衆の頬を適度に緩めてから、「粗忽長屋」を語り始めます。テンポ良い語り、上手いなと思います。
ぴろきはこのやねせん亭に馴染んでいるようです。ネタの多くは何度か聴いていて最後のオチの台詞まで知っているのですが、最後の台詞を聞くと笑いが止まりません。
円左衛門の「死神」、たっぷり聴かせてくれました。死神の表情が実に上手いと思いました。
仲入り後の「やねせん根問い」は前回から始めたそうですが、円左衛門・兼好・馬治の三人が舞台に立って、客席からの質問に答えます。「どこにお住まいですか」「どこを歩くとばったり出会えますか」「練習はどこでどのくらいやりますか」「師匠の失敗談を聞かせてください」などの質問に落語家らしい返答が続きました。終わりに近く、青山学院大学落語部の部員から「文化祭に円楽師匠を招いています。どんな風に接すれば円楽さんに受けますか」との質問が飛び出しました。
円左衛門曰く「私は彼には興味がありません」
兼好は「彼はお洒落だから、着てるものを褒めてあげれば、後がスムースに進むでしょう」
馬治は「85%は褒めて、後の15%は貶した紹介がいいでしょう」
落語家の話はどこまでが本音でどこからがウケ狙いの話か見わけがつきませんが、新しい試みは地域に根ざす落語会を志向する円左衛門の企画であることは間違いないと思います。
頬の筋肉運動を終え、お安いが美味の中華調理店に寄って遅い夕食としました。