10月5日(日)は、台風18号の接近により雨脚が強くなり、講演会へ影響を心配したが、80名以上の方の参加を得て無事、盛会のうちに終了した。澤地さんへは前日に電話をし、雨の場合はタクシーでお出で下さいと伝えると、「いえ、電車で参ります」とのお返事だったが、当日は予想を超えて強雨の為、止む無くタクシーを利用されたそうな。残念ながら和服姿は拝見できず、洋装でのご登場だった。
都高教委員長の挨拶、私からの講師紹介の後に講演開始。 13時45分から1時間の講演をお願いしていたが、実に1時間40分に及ぶ講演となった。語り出しから最後まで、途切れることなく飛び出す言葉に、この方が84歳かと驚かされる語りだった。語りたいことが沢山おありになったのだ。
話は、脱原発・憲法・安倍総理のことなど、エピソードを交えながら多岐に渡ったが、常に戦争の悲惨さに戻って来た。戦地に赴かされた男たちのみならず、”銃後を守らねばならない”女たちも、多大な困難を引き受けさせられた。戦争は築き上げて来た平穏な生活を一気に破壊する。その戦争への足音が聞こえ始めた現在。
最後に彼女は、元上智大名誉教授の鶴見和子さんの次の言葉を引用し、間接形で、私たちの奮起を促したのだ。
『権力者への民衆の寛容という美徳は、民衆自身の不幸の始まりだ』と。この酷い政治情勢に沈黙を守り、怒りの声を上げない民衆。現状改革の第一歩となるべき選挙へ足を運ばず、低下を続ける投票率。澤地さんはここを強く嘆いた。
第99条で「・・・公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」とされる憲法を擁護し、”第9条を守れ”と叫べば”非国民”と言われかねない現在日本の状況、澤地さんは”非国民”と云われることを恐れない。私たちにもそう云われることを恐れないで、だめなものはダメとの声を上げようと語った。
「日本を戦争する国にさせないために」は、今現在の私たちの行動こそが肝要なのだと、語ったのだ。
会終了後、1次会は”向丘同窓会”へ。2次会は”幹事ご苦労様会”へ。美味しい二献だった。