ちょうど一週間前の日曜日の10月12日、池上本門寺に出掛け、御会式を観てきた。 私が生まれ育ったのは目黒不動尊の直ぐそばで、東急“文化”圏の中。渋谷には東横デパートと「文化会館」などがあり、利用する私鉄は、当時の名称で、東横線・目蒲線・池上線と全て東急電鉄。東急への印象は悪くなかった事が、後年、そこの別荘地やハーヴェストクラブ会員権購入に繋がったのだと思う。その池上線池上駅下車の本門寺。幼い頃からその賑わい振りは聞かされて育ったが、行ったことは無かった。この歳になって初めてそこを訪れる機会がやって来た。
前日訪れた佐原に続いて、この日も案内人がいた。妻の知人で、大森に住み、本門寺子院の檀家というWさんがそのご案内人で、午後5時半に蒲田駅で落ち合った。W家では御会式のときには、必ず松茸ご飯を調理し、親戚一同に配ってきたそうな。ことしは松茸を買うのが遅くなり、止む無くお赤飯となったそうで、私たちもi頂いた。 Wさんにご案内して頂いて本当に良かったと思った。もの凄い人出なのだ。池上駅で降りたときからそれが実感できた。私たちだけだったら目的地に到着出来なかっただろう。進む道にはこれ又、物凄い数の屋台。このような数の出店を私は初めて見た。
両側の、出店と見物客の間を、御会式参加の一隊が進む。先頭を行くのは団扇太鼓隊。音が凄い。耳を劈くばかりの音量である。生涯、闘争的で、激しい生き方をしてきた日蓮に相応しい様な勢いの音が周囲を圧倒する。 御会式とは、その日蓮の命日の前日に、日蓮の亡くなった本門寺への、末寺からの万灯を掲げての御参り。神社へのお祭りとは違う。神社への祭礼は山車や神輿の登場となるが,御会式の場合、団扇太鼓一隊の後に続くのが纏。この纏が御会式の華だと思う。担ぎ手は周りの見物衆を強く意識して、過剰に纏いを操作し、激しく上下に動しながら舞うように踊る。当然ご酒が入っているだろう、恍惚の境地とお見受けした。更に続くのが、万灯。各末寺ごとに工夫されら万灯を観るのは楽しい。
Wさんとは一度はぐれてしまい、途方に暮れてしまったが、何とか再会でき、途中子院に参詣後、彼女の万事心得たご案内で本殿まで行き着け、私たちも本尊にお参りをした。
人出と屋台の多さ、それに加え太鼓の音の圧倒された御会式見物、疲れた。