絢人が膝の上で大粒のブドウを齧っているのを滝川が愛しげに眺めている…。
滝川の食事をする手が時々疎かになるのを…輝は可笑しそうに見つめていた…。
久々に戻って来た305号室で…輝と食卓を囲んでいる…。
誰が見ても…ごく普通の家族の光景だ…。
絢人は滝川が帰ってきてからずっと傍を離れようとしない…。
輝に叱られることが分かっているので、御飯だけは自分の椅子に座って食べたが、終わるとすぐに滝川の膝に上った…。
こえ…あびてもいい…?
可愛い声で滝川の皿のブドウを指さして強請った…。
勿論…自分の分は食べてしまった後だ…。
いいよ…と滝川が言うと…嬉しそうに皿から掴み取る…。
膝の上の絢人が器用に皮を齧りとって…ブドウの中身だけ美味しそうに食べるのを…滝川は眼を細めて見ていた…。
「恭介は…根っから子供好きなのねぇ…。
いつまでも独り身通してないで再婚すればいいのに…。 」
そう言いながら輝は…棚の上の和の写真にチラッと眼をやった…。
滝川が以前…短いながらも結婚していたことを…この部屋に住むようになって初めて知った…。
相手の女性が病気で早世してしまった…という話も…。
「再婚は…ない…。
和は僕にとって…最高の女だったからな…。
他の女に代わりは…できねぇよ…。 」
少しだけ…悲しそうな笑みを浮かべた…。
絢人がふたつめに手を伸ばす…。
「ケント…! 食べ過ぎ…御腹壊すわよ…! 」
輝に叱られて…渋々…手を引っ込める…。
恐る恐る…滝川の顔を窺う…。
「ケントの御腹…先生が診てあげよう…。
う~ん…いっぱい入ってるぞ…。
これは危ない…もう満腹だ…! 」
絢人の御腹を触りながら…滝川はわざと驚いてみせる…。
「もう一個食べるとポ~ンッと破裂…どうする…? 」
可笑しそうにキャッキャッと笑いながら…絢人は滝川に甘えて寄りかかる…。
「ケント…ブドウはこのまま残しといてあげるから…明日…食べような…。 」
滝川がそう言うと…絢人は素直に頷いた…。
「ノエルが見たら嘆くわねぇ…。
ケントはどう贔屓目に見ても…あなたの方に懐いちゃってるから…。 」
滝川にべた甘えな絢人を見て、輝は軽く溜息をついた…。
「親父としての責任がない分…甘やかすから…僕に懐くんだよ…。
ノエルはいい加減なように見えるけど…智哉さんに仕込まれてるからな…。
かなり厳しい親父だぜ…。 」
あいつが親してるとこなんて…以前には想像もできなかったけどな…。
向こう見ずなノエルの悪戯っぽい顔を思い浮かべて…滝川は愉快そうに言った…。
「遊び相手として…なら…好みの女も居ないわけじゃないが…。
…てか…もう…誰かと遊ぼうなんて気持ちすら…消えてなくなったし…。
紫苑の傍で…紫苑と生きていく…。
そう決めたから…。
僕は…僕の力の及ぶ限り…紫苑を護ってやりたい…。
紫苑は…いつだって全力でみんなを護っているけれど…紫苑自身を護ってくれる人は何処にも居ないんだ…。
他の誰のためでもなく…紫苑のために…生きてやる…。
それが僕の務めだと思ってる…。 」
そこまでいくと病気だわね…と輝は肩を竦めた…。
常軌を逸してる…。
まるで宗教…紫苑崇拝…呆れるわ…。
輝の心を見透かしたかのように…滝川はふっと笑みを漏らした…。
「これまでは僕だけの勝手な思い入れだったけど…結局は…あいつらも…僕を選んだ…。
紫苑を抑えることができる…ただひとりの存在として…。 」
あいつら…って…。
輝が不安げな眼を向けた…。
「意思を持つエナジーたちのこと…?
あのエナジーたちが…恭介を…選んだ…?
どうして…?
あなたには…彼等の言葉さえ分からないのに…? 」
母親が動揺したことに驚いたのか…絢人がきょとんとして輝を見つめた…。
滝川はそっと頭を撫でて…何でもないよ…と囁いた…。
「太極が…ノエルに伝えたそうだ…。
生き延びさせてしまった相手に対しては責任がある…と…。
マーキスのことは…どうやらあの場でチャラにしてもらったらしいが…。
紫苑を生き延びさせた責任は一生ものだな…。 」
下手をすれば命懸け…という重責を負わされたわりには…滝川はやけに嬉しそうだった…。
この男の眼には…紫苑の他には何も…見えてないんだわ…。
大きな溜息が輝の唇から洩れて出た…。
もう…脱帽よ…。
「人類を存続させた代償に…紫苑が負わされた重荷に比べれば…どうということはない…。
僕はむしろ…この状況を…喜んでいる…。
もう…何処の誰に気兼ねすることもなく…ゆっくりと紫苑の傷だらけの心をケアしてやれる…。
ずっと放置され続けてきたせいで…どうしようもなく頑なに懐疑的になってしまった心を…温めて…できる限り解きほぐしてやりたいんだ…。 」
如何にも幸せそうに微笑む滝川を目の当たりにして…輝はとうとう…呆れを通り越してしまった…。
滝川とはめったに反りの合わない輝だが…その想いの一途さには小さな感動さえ覚えていた…。
たったひとりの相手に…そこまで…心を尽くせるものなのか…と…。
小さな旅行鞄に最低限必要なものだけを詰め込む…。
出会ったばかりの頃の亮が…初めてプレゼントしてくれた鞄だ…。
あの時はまだ…西沢が実兄であることを知らなかった…。
養父は…笑うだろうか…。
ブラントとは名ばかりの安物の旅行鞄…。
それでも…亮が一生懸命にバイトして買ってくれたもの…。
コードバンやブライドルレザーが定番の靴や鞄…。
カジュアルに合皮や化繊を使ってあるものでも…名立たる老舗の逸品揃い…。
まだ学生だった頃に処分してしまった西沢の旅行鞄は…養父が買い与えた…そうした高級品のひとつだった…。
どんな高級品だって…役に立たなければ無意味なんだ…。
胸の奥で…そう呟く…。
「珍しいよね…。 紫苑さんがお養父さんと旅行だなんてさ…。 」
あんまり…嬉しそうには…見えないけど…。
最後の荷物を鞄に詰め終えたところで、ずっと西沢の様子を見ていたノエルが声をかけた。
「子供の頃は…わりと家族旅行もしたんだ…。
英武も怜雄も家の外ではめったに発作を起こさなかったんで…。
けど…養父とふたりだけで出掛ける…ってのは…初めてだな…。 」
旅行に誘った魂胆は見え透いてるけどね…。
新しい家の件だろう…。
「大丈夫…? 紫苑さん…お養父さんが…苦手なんでしょ…? 」
少しばかり心配そうに…ノエルが訊ねた…。
えっ…?
西沢は一瞬…当惑したような眼でノエルを見つめた…。
「ノエル…ノエル…苦手だなんて…どうしてそう見えたんだろう…?
そんなふうには思ってないよ…。
むしろ…僕の方が養父に敬遠されている…。 」
笑いを噛み殺したように歪めた唇で…そう言った…。
養父や僕の生きる世界では…僕の方が権限が上…。
僕が宗主の特使になったからではなくて…生まれた時から…ずっとそう…。
自分の家系のことは知らなくても…そういうことは肌で感じてたよ…。
紫苑を怒らすな…泣かすな…。
祥はいつも…怜雄と英武にそう言って聞かせていた…。
それはかえって…ふたりの発作を助長しただけに過ぎなかったけれど…。
「え~…だけどさ~…紫苑さんてば…いつだって…できるだけお養父さんとぶつからないようにしてるじゃない…。 」
ノエルの怪訝そうな表情を見て、西沢はもう堪えきれずクスクス笑い始めた…。
「そりゃぁ…親が相手だから…僕にも遠慮ってもんがあるだろ…。
それにしなくていい諍いは避けた方がいいじゃないか…。
大事に…育てて貰ったんだし…。 」
西沢が…ふと…遠くを見るような眼をしたのを…ノエルは見逃さなかった…。
苦手ではないにしろ…紫苑さんはやっぱり…お養父さんとはしっくりいってないんだ…。
そりゃそうだよなぁ…あのおっちゃん…すげぇ我がままで自分勝手だし…。
紫苑さんのこと…ず~っとこの部屋に閉じ込めてるし…。
「優しい人なんだ…養父は…。
いつでも…僕を気遣ってくれている…。 」
ノエルの思考を遮るように…西沢は…そう…呟いた…。
その顔の何処にも…笑みらしきものは残っていなかった…。
マンションの玄関先にピカピカに磨かれた高級車を横付にして…中から颯爽と堅い身なりの運転手が現れた…。
扉の前で待っていた西沢に深々とお辞儀をすると…西沢が持っていた旅行鞄を恭しく受け取り…西沢の為に車の後部ドアを開けた…。
「おはようございます…お父さん…。 」
西沢は後部座席にゆったりと身を沈めている祥に軽く会釈をすると…自分も祥の隣へ腰を下ろした…。
「随分と…待たせたのでは…ないかな…? 」
祥が優しく問いかけた…。
「いいえ…お気遣いなく…今さっき降りてきたところです…。 」
西沢がそう答えると…祥は…そうか…と満足げに頷いた…。
西沢と祥を乗せた高級車はやがて…音もなくマンションの玄関先を離れ…彼等の目的とする場所へと走り出した…。
生まれてこの方…西沢がずっと回避し続けた…祥との対決の場へと…。
次回へ
滝川の食事をする手が時々疎かになるのを…輝は可笑しそうに見つめていた…。
久々に戻って来た305号室で…輝と食卓を囲んでいる…。
誰が見ても…ごく普通の家族の光景だ…。
絢人は滝川が帰ってきてからずっと傍を離れようとしない…。
輝に叱られることが分かっているので、御飯だけは自分の椅子に座って食べたが、終わるとすぐに滝川の膝に上った…。
こえ…あびてもいい…?
可愛い声で滝川の皿のブドウを指さして強請った…。
勿論…自分の分は食べてしまった後だ…。
いいよ…と滝川が言うと…嬉しそうに皿から掴み取る…。
膝の上の絢人が器用に皮を齧りとって…ブドウの中身だけ美味しそうに食べるのを…滝川は眼を細めて見ていた…。
「恭介は…根っから子供好きなのねぇ…。
いつまでも独り身通してないで再婚すればいいのに…。 」
そう言いながら輝は…棚の上の和の写真にチラッと眼をやった…。
滝川が以前…短いながらも結婚していたことを…この部屋に住むようになって初めて知った…。
相手の女性が病気で早世してしまった…という話も…。
「再婚は…ない…。
和は僕にとって…最高の女だったからな…。
他の女に代わりは…できねぇよ…。 」
少しだけ…悲しそうな笑みを浮かべた…。
絢人がふたつめに手を伸ばす…。
「ケント…! 食べ過ぎ…御腹壊すわよ…! 」
輝に叱られて…渋々…手を引っ込める…。
恐る恐る…滝川の顔を窺う…。
「ケントの御腹…先生が診てあげよう…。
う~ん…いっぱい入ってるぞ…。
これは危ない…もう満腹だ…! 」
絢人の御腹を触りながら…滝川はわざと驚いてみせる…。
「もう一個食べるとポ~ンッと破裂…どうする…? 」
可笑しそうにキャッキャッと笑いながら…絢人は滝川に甘えて寄りかかる…。
「ケント…ブドウはこのまま残しといてあげるから…明日…食べような…。 」
滝川がそう言うと…絢人は素直に頷いた…。
「ノエルが見たら嘆くわねぇ…。
ケントはどう贔屓目に見ても…あなたの方に懐いちゃってるから…。 」
滝川にべた甘えな絢人を見て、輝は軽く溜息をついた…。
「親父としての責任がない分…甘やかすから…僕に懐くんだよ…。
ノエルはいい加減なように見えるけど…智哉さんに仕込まれてるからな…。
かなり厳しい親父だぜ…。 」
あいつが親してるとこなんて…以前には想像もできなかったけどな…。
向こう見ずなノエルの悪戯っぽい顔を思い浮かべて…滝川は愉快そうに言った…。
「遊び相手として…なら…好みの女も居ないわけじゃないが…。
…てか…もう…誰かと遊ぼうなんて気持ちすら…消えてなくなったし…。
紫苑の傍で…紫苑と生きていく…。
そう決めたから…。
僕は…僕の力の及ぶ限り…紫苑を護ってやりたい…。
紫苑は…いつだって全力でみんなを護っているけれど…紫苑自身を護ってくれる人は何処にも居ないんだ…。
他の誰のためでもなく…紫苑のために…生きてやる…。
それが僕の務めだと思ってる…。 」
そこまでいくと病気だわね…と輝は肩を竦めた…。
常軌を逸してる…。
まるで宗教…紫苑崇拝…呆れるわ…。
輝の心を見透かしたかのように…滝川はふっと笑みを漏らした…。
「これまでは僕だけの勝手な思い入れだったけど…結局は…あいつらも…僕を選んだ…。
紫苑を抑えることができる…ただひとりの存在として…。 」
あいつら…って…。
輝が不安げな眼を向けた…。
「意思を持つエナジーたちのこと…?
あのエナジーたちが…恭介を…選んだ…?
どうして…?
あなたには…彼等の言葉さえ分からないのに…? 」
母親が動揺したことに驚いたのか…絢人がきょとんとして輝を見つめた…。
滝川はそっと頭を撫でて…何でもないよ…と囁いた…。
「太極が…ノエルに伝えたそうだ…。
生き延びさせてしまった相手に対しては責任がある…と…。
マーキスのことは…どうやらあの場でチャラにしてもらったらしいが…。
紫苑を生き延びさせた責任は一生ものだな…。 」
下手をすれば命懸け…という重責を負わされたわりには…滝川はやけに嬉しそうだった…。
この男の眼には…紫苑の他には何も…見えてないんだわ…。
大きな溜息が輝の唇から洩れて出た…。
もう…脱帽よ…。
「人類を存続させた代償に…紫苑が負わされた重荷に比べれば…どうということはない…。
僕はむしろ…この状況を…喜んでいる…。
もう…何処の誰に気兼ねすることもなく…ゆっくりと紫苑の傷だらけの心をケアしてやれる…。
ずっと放置され続けてきたせいで…どうしようもなく頑なに懐疑的になってしまった心を…温めて…できる限り解きほぐしてやりたいんだ…。 」
如何にも幸せそうに微笑む滝川を目の当たりにして…輝はとうとう…呆れを通り越してしまった…。
滝川とはめったに反りの合わない輝だが…その想いの一途さには小さな感動さえ覚えていた…。
たったひとりの相手に…そこまで…心を尽くせるものなのか…と…。
小さな旅行鞄に最低限必要なものだけを詰め込む…。
出会ったばかりの頃の亮が…初めてプレゼントしてくれた鞄だ…。
あの時はまだ…西沢が実兄であることを知らなかった…。
養父は…笑うだろうか…。
ブラントとは名ばかりの安物の旅行鞄…。
それでも…亮が一生懸命にバイトして買ってくれたもの…。
コードバンやブライドルレザーが定番の靴や鞄…。
カジュアルに合皮や化繊を使ってあるものでも…名立たる老舗の逸品揃い…。
まだ学生だった頃に処分してしまった西沢の旅行鞄は…養父が買い与えた…そうした高級品のひとつだった…。
どんな高級品だって…役に立たなければ無意味なんだ…。
胸の奥で…そう呟く…。
「珍しいよね…。 紫苑さんがお養父さんと旅行だなんてさ…。 」
あんまり…嬉しそうには…見えないけど…。
最後の荷物を鞄に詰め終えたところで、ずっと西沢の様子を見ていたノエルが声をかけた。
「子供の頃は…わりと家族旅行もしたんだ…。
英武も怜雄も家の外ではめったに発作を起こさなかったんで…。
けど…養父とふたりだけで出掛ける…ってのは…初めてだな…。 」
旅行に誘った魂胆は見え透いてるけどね…。
新しい家の件だろう…。
「大丈夫…? 紫苑さん…お養父さんが…苦手なんでしょ…? 」
少しばかり心配そうに…ノエルが訊ねた…。
えっ…?
西沢は一瞬…当惑したような眼でノエルを見つめた…。
「ノエル…ノエル…苦手だなんて…どうしてそう見えたんだろう…?
そんなふうには思ってないよ…。
むしろ…僕の方が養父に敬遠されている…。 」
笑いを噛み殺したように歪めた唇で…そう言った…。
養父や僕の生きる世界では…僕の方が権限が上…。
僕が宗主の特使になったからではなくて…生まれた時から…ずっとそう…。
自分の家系のことは知らなくても…そういうことは肌で感じてたよ…。
紫苑を怒らすな…泣かすな…。
祥はいつも…怜雄と英武にそう言って聞かせていた…。
それはかえって…ふたりの発作を助長しただけに過ぎなかったけれど…。
「え~…だけどさ~…紫苑さんてば…いつだって…できるだけお養父さんとぶつからないようにしてるじゃない…。 」
ノエルの怪訝そうな表情を見て、西沢はもう堪えきれずクスクス笑い始めた…。
「そりゃぁ…親が相手だから…僕にも遠慮ってもんがあるだろ…。
それにしなくていい諍いは避けた方がいいじゃないか…。
大事に…育てて貰ったんだし…。 」
西沢が…ふと…遠くを見るような眼をしたのを…ノエルは見逃さなかった…。
苦手ではないにしろ…紫苑さんはやっぱり…お養父さんとはしっくりいってないんだ…。
そりゃそうだよなぁ…あのおっちゃん…すげぇ我がままで自分勝手だし…。
紫苑さんのこと…ず~っとこの部屋に閉じ込めてるし…。
「優しい人なんだ…養父は…。
いつでも…僕を気遣ってくれている…。 」
ノエルの思考を遮るように…西沢は…そう…呟いた…。
その顔の何処にも…笑みらしきものは残っていなかった…。
マンションの玄関先にピカピカに磨かれた高級車を横付にして…中から颯爽と堅い身なりの運転手が現れた…。
扉の前で待っていた西沢に深々とお辞儀をすると…西沢が持っていた旅行鞄を恭しく受け取り…西沢の為に車の後部ドアを開けた…。
「おはようございます…お父さん…。 」
西沢は後部座席にゆったりと身を沈めている祥に軽く会釈をすると…自分も祥の隣へ腰を下ろした…。
「随分と…待たせたのでは…ないかな…? 」
祥が優しく問いかけた…。
「いいえ…お気遣いなく…今さっき降りてきたところです…。 」
西沢がそう答えると…祥は…そうか…と満足げに頷いた…。
西沢と祥を乗せた高級車はやがて…音もなくマンションの玄関先を離れ…彼等の目的とする場所へと走り出した…。
生まれてこの方…西沢がずっと回避し続けた…祥との対決の場へと…。
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