Days of Dragonflies & Moths

トンボや蛾に関わる記事中心。
当ブログの写真、文章の無断使用禁止。
写真集「関東甲信越のトンボ2010plus」

百蛾夜行 第七巻 執念のヒロオビゲット(笑)

2007年08月10日 | 
子供の学校関係も一段落し、ようやく早起きから解放されることとなる。
今年の夏の訪れは遅かったが、そろそろカトカラも出てるんじゃないか?
ということで、ダブルヘッダーとなってしまったが、夜の山へと出かける
ことにする。

まずは低山。
このあたりはさすがに夜も暑く、訪れる蛾も割合多くて、夏の雰囲気満点だ。
しかし、種類はパットしない。。。
大体いつものメンツ(場所が同じだから当然だが)で占められている。
また、セミがうるさく飛び回り、あたりを引っかき回すので、捕まえて
明かりのない方に逃がしてやる。他にも、ブーン~と嫌な羽音がする。
見るとシオヤアブだった。獲物を狙いに来ているんだろう。

低山で見かけたメンツの中からめぼしいのはこんな感じ。。。



シロホシキシタヨトウ、トサカフトメイガ、ナカムラサキフトメイガ、アゲハモドキ
キクビヒメヨトウ二化目、ニシキシマメイガ(美麗個体!)、モモノゴマダラノメイガ
ムラサキシャチホコ(もはや常連)マルモンシロガ。
トサカフトメイガは比較的美麗個体を初めて写せた。アゲハモドキは二三頭見られ、今が
二度目の?旬か?モモノゴマダラノメイガはマツノゴマダラノメイガに似ているが、
後翅の黒班がにじまない。



まだミクロとかチェックしてないが、低山で見られた初顔はヨツメノメイガだけかも。
コヨツメノメイガに酷似するが、大きい。注意しないと他の黒白ノメイガとも紛らわしい。

一時間半ほどで切り上げ、今回は奥地へと進行する。

まずは峠のポイント。
蛾の数は少なくはないが、小物ばかり!めぼしいのはオオミズアオ(どこに行ってもいる)
くらいでがっかり。

次はカトカラ以外目当てで、渓谷のポイント~洞窟の奥地コース。



渓谷のポイントでは、割と蛾影が多く、写真のようにベニモントラガやトビネ、キマダラツバメ
といった大型のエダシャクも散見される。
そして、一頭、ひときわ大きい黒白の蛾が・・・シロオビドクガのような配色だが、どう見ても
エダシャク・・・ヒロオビオオエダシャクだ!久々に大物の初顔ゲット!と必死に目で追ったが、
茂みに隠れてそれきり懐中電灯でさがしても見つからない・・・。逃した魚はますます大きい。
しかし、いつまでもヒロオビを探しているわけにも行かないので、洞窟へ富むかう。

途中、電柱のあたりで二頭の中型種を撮影。あまりぴんと来なかったが、
ミヤケカレハとおそらくゴマダラシャチホコ。


ミヤケカレハ


ゴマダラシャチホコ 斑紋が薄いが、ゴマダラかと思われる。

洞窟では結局殆どめぼしい蛾は見られず、去年に訪れたときと同じく、オオバナミガタの
姿がちらほらといった感じで、全くの期待はずれだった。


かろうじて、地味で小さなエダシャクも何となく写しておいたが、マダラシロエダシャク
だった(初顔)・・・実はマダラシロではなく、マルバトビスジエダシャク。マダラシロでは、
もっと横線が地色にとけ込む感じになる。
このボアルミア(地味系エダシャク)、後日、蛾像掲示板に問い合わせのあった蛾と同様の斑紋を持ち、マダラシロ?と回答したが、回答する際に検索したDMJのマルバトビスジエダシャク(アナボアルミア)の模様も妙に一致し、心に引っかかっていた。ただ、参照できる標本の状態がやや擦れていたので、決めかねていたが、後日Kawaさんの指摘もあり、本個体もマルバトビスジエダシャクであろうと思われる。

その先の自販機でも全く地味。


トビハマキの仲間。まだちゃんと見てないが、アカトビハマキではなさそうなので、
トビハマキあたりか?


これは初顔ではないが、自販機の白に同化したヒメシロドクガ。

渓谷のポイントに戻る前に、ちょっと寄り道をして、別の自販機をみたが、
かろうじてクロテンシロコケガの初顔のみ。いつもうるさいほど見かける
ホシオビコケガは端境期なのか?殆ど見かけず。変異の探索も出来なかった。


クロテンシロコケガ


クロボシオオシロシンクイ

こうなったら、渓谷のポイントでスイーピングしてヒロオビをゲットするしかない!
ということで、戻る途中、先ほどの電柱でクロボシオオシロシンクイの初顔を得る。

渓谷で執拗にスイーピングしたところ、遂に隠れていたヒロオビオオエダシャクが
飛び出した。落ち着きなく飛び回るので、捕獲して車内へ・・・。


ヒロオビオオエダシャク 
オオバナミガタを更に一回り大きくした巨大なエダシャク。

結局、必要ないのに何十枚も写真を撮ってしまった・・・苦笑。
でも、久々の執念での大物ゲットでとりあえず終わりよければで終了。
帰り道は結構つらかっらが。。。

百蛾夜行 第六巻 フィールド復帰

2007年08月05日 | 
ここのところフィールドに出られない日が続いたが、やっと身辺も一段落し、
とりあえずは慣らし運転として、低山の様子を見に出かける。
7月前半ほど蛾影は濃くはないが、よくよく見ると、ミクロを中心に面白そうな
メンツが顔を揃えている。



中でもひときわ目立ったのが、ルリモンクチバ。今まで見たルリモンクチバより大きく
見え、随分黒っぽいので新顔か?と思ったが、新鮮な個体であったためであろうと
思われる。

カトカラは殆ど飛来せず、ヤガではモンシロムラサキクチバの姿が目立つばかりだったが、
かろうじてキシタバだけ飛来した。まだ新鮮な綺麗な個体だ。





またひときわ目を引いたのが、夜のコミスジ。。。

そんな感じで、イマイチパットしない夜ではあった。



1.シロスジヒメエダシャク 2.シロオビオエダシャク
3.キオビカナサンツトガ 4.ミミズク
シロスジヒメエダシャクは珍しい蛾と言えそうだ。まだ出会うのは二度目である。
白いエダシャクでは、ミスジシロ、バラシロ、フタホシシロなどいつものメンツに
加え、比較的低山では珍しいホシスジシロエダシャクも見られた。
このポイントで時々見かけるシロオビオエダシャクは、他ではまだ会ったことがない
が、二化目の個体だろう。頭が黄色く近似のシャンハイオエダシャクにも似るが、
全体的な雰囲気がおとなしめでちょっと毛色が違う気がする。
ソトモンツトガは時々見かける蛾だが、今夜のはずいぶんと色調が暗く、オレンジ色の
線も一本しかないので、変異かと思い調査したところ以下参照。
蛾像掲示板に問い合わせたところ、蛾類通信242に出てるキオビカナサンツトガがよく似てると、
Kawaさんからご教示頂いた。当然初物。この辺でもまだまだ新記載が出そうな感じである。

ミミズクは夏になると灯火で見かけるが、面白いのでついつい撮ってしまう。



ectropisは、最近スルーしがちだったが、たまには撮っておこうと思って撮影。
線の曲がり具合からフトフタオビエダシャクの一種だと思われる。・・・の一種と
いうのは、最近、食草に基づき、更にDNAの検討を加えて二種に分かれたらしいから
である。元々面倒な仲間が更に細分化されると、近くて遠すぎる存在になって
しまう。DNAの話題を持ち出すと、まだ拒否反応を示す人もいて、まるで異端の
ように目の敵にされているような気配さえ感じることもある(苦笑)。別に自分は
DNA検査マンセイではないが、そういう研究成果も出ている・・・ということを、
その事実を伝える必要のある時に、話題に出しているだけなんだが、自分もその手先
・・・なんて思ってないだろうが・・・みたいに思われるのも何だかシャクだ。
(おあとがよろしいようで・・・)



今年はお目にかかる頻度の比較的高いムラサキシャチホコと、県内では初めて見た
サカイマルハキバガ。ムラサキシャチホコは縦位置だと、ただのくっきりした模様の
シャチホコにしか見えない。実際は横位置に止まっていたものを縦中横にしたもの。
サカイマルハキバガは黄色を基調とした美しいミクロだ。

それでは、今回の初顔。



ミクロを中心に低山だけの割に多くの初顔があった。
但し、マダラメイガ系は怪しい同定もあるので、もう一度あとで見直した方が良いかも
しれない。

1.ナシモンクロマダラメイガ 2.フタモンマダラメイガ(多分二化目) 
3.ホソアカオビマダラメイガ
4.ウスアカオビマダラメイガ?(acrobasisとは違う属のようで、ますます紛らわしく混乱する)
5.ホソバキホリマルハキバガ(前々から会いたかった大型のマルハキバガ)
6.スジウスキキバガ 7.ハチノスツヅリガ(意外に大きめ。これも会いたかった種類)
8.ツマキハイイロヒメハマキ 9.マダラギンスジハマキ 10.スギカサヒメハマキ?
11.カタキマルハキバガ 12.クロヘリキバガ 
13.リンゴケンモン(初めて見るタイプのケンモンヤガ。白黒系だが、
ちょっとアオケンモンの雰囲気も併せ持つ)

他にも不明ミクロなど若干目を通してないが、当座14種を追加。
通算1386種となり、1400種も射程距離に入ってきた。

尚、8/4分 裏ヤンマの投稿は後日時間のあるときに・・・。

百蛾夜行 第五巻

2007年07月22日 | 
カトカラとシャチホコを求めて



そろそろ夏本番である。今日は地元の祭りだったが、ずいぶんとムシムシして、
雨も降り出しそうにないので、山へと出かけてみる。
やはりこれからは何と言ってもカトカラである。
裏ヤンマと並んで、蛾も本番ということになる。
同時に、山のシャチホコ探しも楽しみの一つだ。



しかし結果から言うと目的に関しては芳しくなかった。
時期としてはまだ尚早なのか?キシタバが少数出ていたほか、
かろうじて峠のポイントで地味にジョナスが得られたのみ。。。



寂しいのでシマカラスヨトウもカトカラの仲間にしてしまいたいくらいだ。
他にもモンムラサキ、モンシロムラサキ、シラフ、ウスムラサキなどの
クチバもそこそこ出ていて、大型種が増えてくると随分賑やかになって
くる。スズメガもクルマ、モモ、クチバ、エゾ、ウンモンあたりが常駐して
いるが、時々飛び上がって小型種を蹴散らしてしまうのには困らされる。

寄り添う似たもの同士



ウスムラサキクチバにコトビスジエダシャクが寄り添う。



ネアオフトメイガとシロフクロケンモン。全く違う仲間だが、
大きさも色形も割と似ている。



コヨツメアオシャクに誘引されているナミシャクの小型種。

ナミシャクともエダシャクともつかぬ未見の種類を見かけて
写したが、そんなときに限ってストロボの接触が悪くて
写せなかった・・・。



一度出会うと度々出会えるようになるのはよくあることで、
先日初見のクシヒゲシマメイガは、今夜は♂に会えた。



峠や渓谷で見かけたカラフトゴマケンモン。オオシモフリヨトウやタッタカモクメシャチホコ
と紛らわしい。似たもの同士の中では最も普通に見られる。三年ぶりの出会いだった。
この時期、他にも似たものが出る。今回は写さなかったが、ノンネマイマイがそう。
カラフトゴマケンモンよりやや小さく、個体数は更に多い。



あまりにも小さいので見逃してしまいがちな仲間も多いが、その中から初物を探し出せる
確率は高くなく、それだけに宝探しのような醍醐味もある。これは、残念ながら初顔では
ないが、あまりの小ささに毎度感動して写してしまう。写真では小ささがわからないが、
最小のコヤガ、アヤホソコヤガ。



この時期になると、蛾に混じってチョウも灯火にやってくる。
オオムラサキは比較的見かける頻度が高い。

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で、今回の初顔。今回は天気の割には地味だった。洞窟には行かなかったが、手前の
渓谷でヒョウモンエダシャクのボロが群れていたので、あまり期待できなかったろう。



1.ヘリスジシャチホコ・・・今回の探索の成果と言えよう。
2.ツマグロキリガ・・・ひたすら地味。スルーしそうになったが思いとどまって撮影の甲斐あり。
3.ヒロオビクロギンガ・・・猫のような毛並み
4.アカフツヅリガ・・・暗がりにいて、随分大きなワモンノメイガだなあと思って一応写しておいた甲斐あり。
5.クロクモヒロズコガ
6.マエモンヒロズコガ
7.ツマキトガリホソガ
8.クロオビハイキバガ


最近、地道にミクロの同定をやっていたので数日で自宅にいながら数十種の怪しい初物が増えたが、
それに比べると地味な成果だった。通算1370種。1400目指しつつ、次回に期待・・・。

蛾の遠征・・・楽しいけど、行きはよいよい帰りは怖いで、帰りがつらい!
タップリ二時間かけて帰ることになるので、睡眠を前もって十分にとっておかないと
やばい。奥地探索の時は、ダブルヘッダーは無理だ。。。もうちょっと近ければなあ・・・。

百蛾夜行は今回お休み

2007年07月18日 | 
先日、少しだけ山方面に出向いたのだが、時間もなくて麓にも
たどり着かずに昔のポイントだけ覗いて帰ってきてしまった。
昔のポイントは道の駅だが、最近は低山のポイントや山奥の
初顔ラッシュに目がくらんで、ほとんど出向いていなかった。
しかし、しばらくぶりに出かけた甲斐があって三種ほど初顔が
あった。


ナミグルマアツバ


コトビスジエダシャク 前翅長21ミリ


クシヒゲシマメイガ 前翅長17ミリ

しかし初顔三種ではいかにも寂しい。
すでに真夏に突入しようとしている頃だ。
7月も半ばを過ぎてもうすぐ夏休み・・・というあたりが一年で
最もウキウキする頃合いでもある。

そんな時期なのにすっかり低温続きである。
これでは山に出向いてもろくな収穫は望めない。
山に行くのも実は結構距離があってきついので、
車にも無理させたくないし、よほど勝算がないと、出かける気に
なれないのである。
そうでなくても、家の用事がこのところ目白押しで、少なくとも
子供の夏休みにはいるまでは気が抜けない。家事や学校のことで
緊張するのも変な感じだ・・・

そんなわけで、ここ数日はおとなしく自宅で同定作業にいそしんでいる。
同定作業と言っても、図鑑など持っていないから、もっぱらインターネット
での検索に明け暮れるわけだ。
古~い昆虫図鑑は一つ持っていて、これは小学校一年か二年の頃に買っても
らった結構よさげなやつなんだが、なにしろ昔の図鑑だし、蛾にかんしても
500種載ってるか載ってないか?ってな感じなので、ほとんど役に立たない。
原色昆虫百科図鑑というやつで、他の場所で同じものを多分見たことがない。
ほとんど役には立たないが、たま~に役に立つときもある。
先日、インターネットで探しても見つからなかった種類が、この図鑑の標本
写真を見てヒントを得て探したら見事見つかったのである。
その種が何だったか?忘れたのでまた思い出したら書くとしよう。
(多分クロクモシロキバガかな???)

さて、最近の同定作業で、結局、ヒメハマキ、マダラメイガを中心に15種ほど
の自己新種を発掘した。
最も間抜けだったのは、写し損ねて再会を願っていたはずのニシキシマメイガを
実は三年前に写していたことである。当時は同定力もかなり低かったので、今見ると
ファイル名も誤同定が結構ある。気づいたら直しているが、間違いとわかっていても
正しい名前を思い出せなくて結局面倒でファイル名を直してないのもある。

ヒメハマキ、マダラメイガは蛾の中でも難解種揃いだが、特にヒメハマキはインター
ネットに登場しない種類も多くて、なかなか調べが進まない。10種以上の未同定ヒメ
ハマキを引っ張り出してきたが、わかったのは半分行くか行かないか?だったろうか。
マダラメイガも難しいのが多い。
にわか同定なので正しくない場合もあるだろうが、とりあえず
ウスグロフタスジマダラメイガ、ギンマダラメイガ、ヒメエノキアカオビマダラメイガ、
(アクロベーシスはかなり怪しい)アカフマダラメイガ、ニシキシマメイガ(過去の写真
にその存在を見つけたとき、フィールドで本物に会ったときと同じくらいときめいた)
オオフトメイガ、ナミガタウスキアオシャク、シロテンシロアシヒメハマキ、ギンボシ
モトキヒメハマキ、ニセコシワヒメハマキ、クローバヒメハマキ、ニセシロヒメシンクイ、
クリミガ、ニセクロクモシロキバガ、ホソオビキマルハキバガ、メンコガsp.
と言ったメンツを自宅にいながら追加できた。もちろん怪しい同定もかなり含んでいる。


百蛾夜行 第四巻

2007年07月07日 | 
豹紋の夜

すっかりルーティーンとなってしまった週末の山奥回りである。
ここのところ毎日朝が早いので、夜は眠気との戦いになってしまう。
七夕の前夜は、どんな蛾で埋め尽くされているのだろうか?

下界は雨がぱらぱらしていたが、山にさしかかると地面は乾いていた。
しかし月も出ておらず、まあまあの夜となった。
低山のポイントでは、蛾影もまあまあだ。これは期待が持てるかも?

わざともったいをつけてゆっくり見回ってみると、早速初物を見つけた。
いずれは必ず出会う種類の一つと思っていたセアカヨトウである。
装飾を施した青銅器のような渋い模様が特徴だ。
曇りの晩と言うことで、蛾の動きもせわしなく、下手に踏み込もうとすると
たちまち物好きのホソバやらなにやらがたかってくる。
今年の救いはカメムシの少ないこと。去年はこれがどこに行っても沢山出て
その悪臭たるや耐え難いものだった。今年は蛾以外の昆虫は地味だが、ふと
見渡してみると偶然の産物か面白い光景も見られる。


一瞬異種間交尾かと思ってしまった微妙なショット。
象がキリンに恋をした話は有名だが、これはさすがにないだろう。



夏になるとこういう光景も見られる。
オオムラサキ、スジグロチョウ、時にはゼフィルスもやってくる。
これはゼフィルスではないが、夜のトラフシジミ。


そんなこんなで他の虫に目がいっていると言うことは、蛾の収穫はさして
芳しくなかったとも言えるのだが、まあまあそこそこ面白い初顔には
出会えた。アオケンモン、クロフシロエダシャク、そしてコスカシバも紛れ込
んできていた。
このあたりのメンバーも、いずれは山でお目にかかれると予想していた連中だ。


七夕前夜の初顔其の一 
1.ナカシロオビエダシャク(初ではない) 2.アオケンモン 3.フタスジアツバ 4.クロフシロエダシャク 
5.キオビカバスジナミシャク? 6.ルリモンシャチホコ 7.セアカヨトウ

1は当初、よく調べずにクロスジハイイロエダシャクと記していたが、
ちゃんと調べたらナカシロオビエダシャクの変異と判明(一種減....)


カトカラはワモンが一頭と寂しく、その他、ミクロ系もそこそこ怪しいのが出たが、
あまり長居するのもなんなので、小一時間で切り上げ、標高を上げにかかる。

まずは峠のポイント。
天候はまあまあだが、飛び回っている蛾は小型種が中心だ。大型種はエゾシモフリ、
クルマ、ウンモンなどのより低地でも会える仲間しかおらず、目新しいところでは
ハンノケンモンの姿が目立ったが、生体は初めてではあるものの初物ではなかった。
ここでは、もういい加減会っても良さそうなものと思っていたルリモンシャチホコ
とマダラメイガのDioryctria sp.を新たに得たのみ。


マダラメイガトリオ 
一番左はまだ調べていない(初顔かどうかは微妙)。真ん中はおそらくヒメトビネマダラメイガ(初)。
右は、Dioryctria sp.(初) 割と大きく、暗がりで見たらツヅリガの一種に見えた。


カトカラは皆無。大した蛾影もなく車の往来も少なくないので、別場所へと移動する。
とりあえず洞窟&自販機ポイント。二週間ほど前、下界はこの蛾の姿ばかりが目についたが
今や山奥で盛りである。しかも他の蛾は殆どいない!いてもホシオビコケガやまだ調べてない
小型のキヨトウ系、ミヤマエグリツトガ e.t.c.・・・といった何とも地味なメンツだった。
かろうじて自販機でキオビカバスジナミシャクではないかと思われる小さなナミシャクを
見たに留まった。この仲間は新鮮な個体の綺麗さは幾ばくかと思うが、残念ながら擦れた個体
ばかりに出会う。


ここで繁殖しているのか?と勘違いしてしまいそうな光景


ヒョウモンエダシャクはチョウっぽいメジャー感の漂う蛾だが、よくよく見ると、前翅は
白地に墨を吐いたような色合いである。墨の黒という色と白の織りなす色世界は幽霊画など
にも見られるが何ともいえず不気味でその配色を見ると本能的に恐怖感を感じる。美しくも
あるが怖さも持った蛾と感じる。目の良い鳥もこの配色を見て恐れをなすのではないだろうか?



ちょうど旬なのだろうが、山奥まできてこれとは・・・
何とも呆れる光景だった。


ここも早々に見切りをつけて、今度は林道の集落付近へと向かう。
手前の分岐点でクロテンケンモンスズメを見かけたが、写す気も起きなかった。
少し進んだ先の明かりでも蛾影は地味で、ノコメセダカヨトウやホシシャク(生体は
初めて)などが見られただけで、すぐさま見切りをつけた。かろうじてウスイロアツバ
の初顔があった。


明かりに来ていた大型のクワガタ♀

残るは頼みの綱、渓谷沿いのポイント。
蛾影は少なくはないが、なぜかどの個体も擦れている。


七夕前夜の初顔其の二
8.ウスイロアツバ 9.ハスオビマドガ 10.コスカシバ 11.オオナミスジキヒメハマキ? 
12.ホシギンスジキハマキ 13.シロアシヨツメモンヒメハマキ 14.ツマグロギンハマキ
キヨトウ系などまだ調べていないが、現状不明のマダラメイガ一種を除き15種追加。


無期限暫定 テンオビヨトウ(初) 16種追加 通算1333種目
※その後の調べで過去に見ていて同定していなかった二種ニセクロクモシロキバガ、
キタウンモンエダシャク(いずれも6月撮影)を追加し、7/10現在で1335種となっ
ている。


結局、最後のポイントでは、ずっと探していたフタスジアツバにやっと会えた他、
擦れた新顔を僅かに得られただけに終わった。
今回、初顔はそれなりに出たが、今ひとつ派手さに欠ける夜だった。
帰り道にタカネの羽化でも。。。と最初思っていたが、既にその気は失せていた・・・笑い。


ホシシャク、ハンノケンモン(右上)、同開翅状態(右下)はいずれも生体に会うのは初めて。
バンタイマイマイ(左下)は埼玉では初めてお目にかかった

百蛾夜行 第三巻

2007年06月30日 | 


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恒例となってしまった週末の山奥行。
出発する頃にはいい感じに曇って蒸し暑く、今夜は行けるぞ!
という雰囲気だったが、山に向かうに連れ、雲の動きが急に変わり
なんとほぼ満月が煌々と照らしはじめた。
そうか、月末で満月に当たる候っだったのか・・・これは望み薄かも?
と半ばあきらめつつ、最初のポイントに向かう。
蛾影は少なくはないが、前回の雨中時よりも全然寂しい感じだ。。。
顔ぶれも目新しい感じではない。カメムシもそろそろ出てきて異臭があたりに
立ちこめている。カメムシとパクチーだけはどうしても生理的に受け付けない。
世の中にはパクチーが好物の人も時々いるが、そういう人は、案外カメムシも
好きなんじゃないだろうか?

樺色
 かばいろ 蒲色なんだろうか?よく蛾名に使われる色だ。
これはその一つカバスジヤガの仲間。
この仲間は区別がやや困難で、いちいち同定するのが
面倒で仕方がないが、色がきれいな個体を見かけたら撮影している。



この仲間3種の外見での判断は一応外横線が基準になる。不明瞭なのはオオカバスジ、
前縁付近で角度がつくのがカバスジ、ウスカバスジはちょっとよくわからないが、割
と高山や寒地にいるらしい。
傾向からするとオオカバスジっぽい(そもそも大きいからオオカバスジなのではなく
て、かば色の帯みたいな部分が広いからその名がある)が、この仲間はつかみ所がな
くてよくわからないというのが本音だ。

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真打ち登場!
 まさにそんな表現がピッタリ来る存在だ。



 ムラサキシャチホコ♂
 真打ちの芸を存分に味わうには、この角度で見るしかない。写真を縦中横にしようものなら
 たちまち何の擬態なのか?わからなくなってしまう。芸名 枯れ葉クルリン である。
 それにしても見れば見るほど驚く模様である。人間本位に考えるからそういう思考に陥る訳だが
 あえて人間本位に立ってみると見事な芸術と言わざるを得ない。

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微小コンビ



 ウラモンチビアツバにウスオビチビアツバ。共に、写真ではわからないが、驚くほど小さい。
 せいぜい5ミリ程度である。自分でも普段は写真で見ているので、実物を見かけるたびに、
 こんな小さいのか!!といちいち驚く始末だ。そんな小さいもんだから、埼玉でも正式な
 記録は出ていないかもしれない。一応、両方ともシタバガの仲間だ。

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闇に浮かぶ



 昨夜はめぼしい蛾が少なかったが、美麗種シラホシキリガのちょうど旬であったらしい。
 普段は翅を開いてくれないが、下翅もなかなかカラフルでキリガの仲間とは思えないほどだ。

 


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鎮座マシマス



 トガリメイガの一種
 こんな風に立て膝をつくような格好で止まる蛾も時々いる。
 と言っても膝はついていないわけだが、さながら脚立という感じがする。 
 昔、ステージ上の僕の楽器スタンドを見て
  「脚立がまだ片づいていない!!」
 と本番前に焦って騒いだ人がいるがそのことは
 10年を経た今でも笑い話として語り継がれている。

 こちら側を向いて座ってくれると、なかなか面白い絵になる。
 先日撮ったウコンエダシャクの同様なショット。

   

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クロフタオとネグロケンモン
黒の入った名前を持つ蛾は非常に多い。
クロフタオは、名前ほど黒くはなく、むしろ白の目立つ蛾だ。
時々出会うが、あまり多くなさそうである。かなり微小な種類なので、
見逃してしまうことも多そうだ。
ネグロケンモンは、昨夏に同じ場所で何度かみかけたが、こうして出会うと、
もう季節が一周したんだなあと感じる。



クロフキエダシャク
山地を中心に稀ではない。以前、どこぞのBBSに、風呂吹き大根の画像と掛け合わせて
語呂合わせで投稿したが、完全にそのことはスルーされ、自己満足に終わった。笑い。



ナカグロヤガ
比較的高標高地で見かける。実は今が旬のようだ。夏眠して秋にも現れる。
モンヤガ系は地味な印象があるが、新鮮な個体はこんな風に意外と綺麗だ。

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ぶらさがり

往路の渓谷端でオオトビスジエダシャクと思われる個体を見かけた。
にしては見事な色と大きさだったので撮影して
帰路にもう一度覗いてみると、そのまま♂がぶら下がっていた。





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異形




この仲間にしては・・・という異形である。
ハネモンリンガは、リンガの仲間だが、他にこんな翅をした仲間はいない。
むしろモクメヨトウやツマキシャチホコに似ている。
苔生したような渋い色合いが好みだ。今年はよく出会う。



フタオモドキナミシャクは、その名の通り、フタオガの仲間と見まがいそうである。
むしろ、前述のクロフタオはヒメシャクと間違えそうだ。
ナミシャクの仲間は、翅の使い方が下手くそなのか?きれいな状態で
出会えることは稀である。フタオモドキもせっかく美しい配色だから
きれいな状態を写したいのだが、新鮮な個体にはなかなか出会えない。

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同化



オオシロオビアオシャク
たまたまこうなったのだろうが、見事な同化である。
モニターのキャリブレーションに使えるのでは?と思ってしまうほどだ。
アオシャクの中でもひときわ緑の鮮やかな蛾で、グリーンガムの
イメージがある。まだ二三回しか出会ったことがない。専ら山の蛾ということか?

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初顔



モンキアカガネヨトウ
 そして今回の初顔である。洞窟で出会ったのだが、この蛾らしくいいシチュエーションで
出会えたように思う。最近の精進の賜物か?見かけたときに一発で名前が出てきた(笑)



その他の初顔はこんな感じだった。
今回は百蛾夜行本来のスタイルをもって、物件を紹介する不動産屋のようなアプローチ(笑)で
お送りしました。

百蛾夜行 第二巻

2007年06月23日 | 
先週末に続き、山奥探索である。
このところ都合のつきやすい金曜日の天気の崩れ方が微妙だ。
今回もだいぶ雨が降っていてその割にはムシムシしてないので、だいぶ迷ったが
思い切って強行軍を発進する。

出発もだいぶ遅い時間になってしまったが、途中、目安にしている何カ所かでは
蛾の姿は少なく、先行き不安になりながらの往路となった。

まずはいつもの低山のポイント。
近づくといきなり貼り付く大量の蛾の姿が確認でき、これならハズレはなさそう・・・
とホッとする。
蛾の集団の中に入ってみると、雨のせいか?異常に数が多い!願ってもないことでは
あるが、ものすごい数の蛾がものすごい勢いで飛び回っているので、たちまち体中が
蛾だらけになる。一番なれなれしいのはいつもの事ながら通称柿の種---ホソバの類で
ある。やはりホソバが圧倒的に多いのだろう。
数は多いんだが、初物らしき姿は思ったよりも見つからない。



地味系の初物を若干得たが、結局手応えは思ったほどなく、それよりもまたまた時間を
だいぶ使ってしまったので、山奥へと急ぐことにする。
何しろ夏至なので、早く回らないと夜が明けてしまうのだ!

次は、前回時間の関係で覗けなかった神社のポイントへと向かう。
自分はこのポイントと相性があまり良くないようであるが、今回はどうか?
・・・・・・・きれいめのハネモンリンガがいた程度で、殆ど収穫ないのに
またもや時間を消費してしまい、タイムリミットが迫ってきた!
残り時間で二カ所は難しい。山々を渡り歩くので移動時間も相当かかるのだ。

神社では一応トビモンシャチホコの初物があったのをすっかり忘れていた!
神社ごみ~ん!


兎にも角にも次の場所に峠のポイントを選択し、直行する。
峠に着いたのはもう午前三時にかかろうという頃だった。
山の端も徐々に明るくなってきた感じである。
ここでは見慣れぬ羽の中程の黒い中型の蛾が見られた。よく見るとトガリバで
ある。



その他、会いたかったアマヒトリやナミシャクなどを得たが、一応見たいと思っていた
ヒサゴの姿はなかった。ヒサゴは8月までチャンスはあるので、またの機会ということに
しよう。。。また、不明のクルマアツバも見られたが目下調べ中である。


蛾像掲示板に問い合わせたところ、クルマアツバではなく、
シタバガのウスマダラアツバのようである。いずれにしても
初物で今回は現状14種追加、通算1307種。


さて、初物もそこそこ得られたし、後は明るくなるだけだから帰るか・・・と思いつつ
峠をおりたが、洞窟への分岐のところで急に気が変わり、手前の渓谷(先日一番初物の
多かったポイント)だけでも覗いていこうと言うことになる。
結果的には、これが結構功を奏したかもしれない。
もう既にだいぶ空は白んできていたが、草むらなどで多少の蛾を漁ることが出来た。



その中に珍品(と言うほどではないが、おいしそうな色)ベニモンコヤガが含まれていた。
見かけは小さく、薄暗い中では変わったハマキ系のミクロに見えたが、写してみるとピンク
の模様が鮮やかな美麗種である。
多分これが(同定した順番で)自己1300種目あたりになるのでは?ということで、記念の種となった。

初夏の山奥行きは、ますます楽しくなってきた。
来週も行けたらまだ見ぬ蛾を求めて行きたい。

百蛾夜行 第一巻 三章

2007年06月17日 | 
6月の山の蛾を求めての山奥行となった。

山奥まで回ると言うことは、10種は新顔を得たいものであるが、二カ所の好ポイントを
経て、5種の新顔と言った微妙な状況の中、蛾飢道強行軍は更に奥地へと進軍する。。。

今度は渓谷のポイント~洞窟のうら寂しいコースである。

渓谷付近を流していると、土曜の晩と言うことで、同業者らしき車が止まって何か探して
いた。とりあえずそのままやり過ごして、その先のポイントで車を止めて蛾を探している
と、後からその人がやってきた。
「ミヤマ、見つかりました?」
どうやらクワガタ屋さんらしい。

そんなこんなで、これと言った種類は見られず、頼みの綱・・・奥地の洞窟へ。
うーん、ここも少ないねえ.....
季節を問わずみられるホシオビコケガがまたいるのに呆れ、洞窟の壁にフクラスズメを
見つけて随分長生きだなあと感心したり、珍しいと思っていたモンキシロシャチホコが
ちらほら見られてまだいたのか~と思ったり、結局、めぼしい物を見られないまま、洞
窟を抜ける。
抜けた少し先に地味な自販機があるが、今夜はどうか?・・・・
蛾影は少ないものの、道ばたでもがいている見慣れぬ蛾がいる。
その存在すら忘れていたタカムクカレハであった(初物6)


タカムクカレハ


結局、そこはそんなものだったので、洞窟をあとにし、今度は別の道を向かう。
先日渓谷のキャンプ場に入ろうとして入れなくなっていたので、とりあえず道ばたの外灯を気にしつつ
最終ポイント付近で壁に止まる数頭の蛾を物色する。
大きめの奴が一頭・・・これはクロテンケンモンスズメだった。もう一頭、小さめの奴がいた。
何だろう?コヤガみたいだけど、ちょっと違う。これも存在すら忘れていたソトシロフヨトウ(初物7)
だった。こういう盲点の蛾を見つけるのが山奥の醍醐味といえる。
ちょっと調べた限りでは、ソトシロフは埼玉昆虫誌時点では埼玉未記録種のようだ。



ソトシロフヨトウ


ここでもヒサゴスズメの姿はない。
今日はパットしない夜だ・・・どうも充足感がないので、帰りがけ再び渓谷のポイントを覗く。
このところずっと工事をやっていて、道ばたに所々明かりがついているが、往路よりも群がる
虫が増えていたので、物は試しとその明かりを覗いて回る。

夜なので気づかないが、明かりの外側は崖だった!これは怖い、ひえ~つ。
一カ所だけ崖までマージンのあるところがあり、草むらになっているのだが、草むらを覗くと、
結構エダシャクやら何やらが集まってもがいている。めぼしい物は殆どいないが、ガードレール
の裏側に一頭見つけた!前々から見たかったタテスジシャチホコ!(初物8)これはいい!ガード
レールをまたいで早速写しにかかる。後ろの足場を確認するために振り向くと、目線の先の木の
幹にまたもや初物!ハネモンリンガ(初物9)だ!これも会いたかった種類だ。とてもリンガとは
思えない風貌が気に入っている。かなり擦れた個体だった。
更に草むらをのぞき込んで探すと、小さめの初物が二つ。
ツマカバコブガとキモンハイイロナミシャク(初物10、11)。


ハネモンリンガ(上)とタテスジシャチホコ



ツマカバコブガ(左)とキモンハイイロナミシャク


そうこうしているうちに、時間も相当遅くなってきた。最後の渓谷で蛾影に恵まれたので、
まずまずの充足感を味わいつつ山を下る。
帰りがけは急ぎ足で、往路に寄れなかった小ポイントをいくつか覗き、道ばたのトイレで
ベニモントラガ(初物12)のおまけを得た。随分、スピーディに飛び回る蛾という印象だ。
ベニモントラガはもう一カ所でも見たが、やはり山の普通種なんだろう。


ベニモントラガ


そんなわけで、今回の山奥行きは、結局、まずまずの成果の内に終わった。
初物に関しては、すぐわかる12種のみ記したが、他にもツトガ系、マダラメイガ系、ヨトウ系など
怪しいのを写したので、あとで時間のあるときに調べてみることにしよう。

追記:その後の調べで、ツトガ系はおそらく テンスジツトガ
マダラメイガ系はおそらく オオトビネマダラメイガ(要大きさ確認)
ヨトウ系は、athetisのウスグロ系だが、ちょっと難しいかも?ということで調べてない。
このヨトウ系の蛾、翌週には低地で結構見られた。
よくよく思い出してみると、ヨトウじゃなくて、ケンモンヤガだった。という
ことでクロフケンモンだ。(お粗末)

それともう一つ、クロエグリシャチホコの初物を撮影していた。
また追加するに出来ないcabera sp.(今後この仲間は同定で悩みそう)、
クロスジキノカワガの仲間(今回は暫定ミヤマ~で同定で追加。代わりに従来クロスジキ
ノカワガで載せていた種はどう見てもマエシロモンとの判断に至り一種削除でプラスマイ
ナスゼロ。また地味にノメイガとフサキバガ不明種の初物があった)
ということで、今回の初物は結果5種追加で17種(通算1292種)。1300種まで秒読みとなった。





百蛾夜行 第一巻 二章

2007年06月17日 | 
6月の山の蛾を求めての山奥行となった。

山奥まで回ると言うことは、10種は新顔を得たいものであるが、最初の低山では
初物三頭という状態で、先行き不安の中の山奥行きとなった。

最初のポイントは早めに見切りをつけたつもりが、時計を見ると既に2時間を消費していた。
途中の小ポイントをいくつかスルーして、まずは、峠のポイントへと向かう。
目指すは、まだ見ぬヒサゴスズメ。

それにしても、標高が上がるとこの時期でも結構寒いものだ。
一応、長袖を着てきたが、だんだんと寒さがこたえてくる。
そして、天気も微妙に晴れているので、行き交う蛾の姿も少ない。
うーむ、ポツポツとエゾスズメやセダカシャチホコ、ウスジロトガリバくらいしか見あたらない。
他にめぼしいのは電柱に止まっていたマルモンシャチホコくらいか?・・・と思いつつ、
更に探すと、一頭見慣れぬキリガ風の茶色い蛾が・・・なんとかリンガ(初物4)だ!・・
・・・名前が出てこない。
しかしその後が続かない。。。。ふと足下を見ると、なんだか白くて小さな蛾が舞っている。
止まったところをみて少しびっくり・・・「これって、こんなに小さかったの?」
大きさを知らなかった。
アブラクサスくらいはあるのかと思っていたシロオビヒメエダシャク(初物5)。


シロオビヒメエダシャク(上)とカバイロリンガ


ここも蛾影に乏しく、既にかなり時間を消費したので、次のポイントへと向かう。(つづく)

百蛾夜行 第一巻 一章

2007年06月17日 | 
6月の山の蛾を求めての山奥行となった。
山奥まで回ると言うことは、10種は新顔を得たいものである。

今日の格言
 新月の候には蛾影少なし


新月と言えば、最も蛾の彷徨い出てくる確率が高そうだが、今まで新月付近を狙って
いい思いをしたことがない。

まずは最初に低山のポイント。
蛾影は少なくないものの、先日行ったときと同じ顔ぶれでしかもだいぶ間引かれた感じだ。
どれもこれもスルーである。しかし程なく、これは初物に違いない!というものに出会う。
一見、ベニモンアオリンガの仲間に見えたが、すぐにコヤガのあの辺・・・と気づく。
しかし、名前は出てこないので「あの辺」としかわからない。思わず声を上げると、蛾は気
配を察知して焦りはじめた。先日、これは!というものを見つけて写し損なっている経験上、
何とかファインダーに入れて無理にでも写そうとする。
よし!ピントも来た!ここで一枚・・・シャッターを切ると同時に蛾は飛び上がった。飛び
上がる直前にシャッターを切ったはずだが、残念無念!!!飛び上がった直後にシャッター
は切られ、アウトフォーカスの表翅もちゃんと確認できない画像しか撮れなかった。


フタイロコヤガ


今回はどうにか写せたが、まともな写真ではないので、がっかりしながらもしばらくコヤガの再来
を待つ。その間得られた初物は二種だけであった。シマキリガは普通種で言わば出会って当然とも
言うべきもの。キンオビの方はいい加減擦れまくっていたので、さほど感慨はなかった。


シマキリガ(左)と キンオビナミシャク 


先日は見失った蛾を待ち続けて、その一カ所で終わってしまった経緯もあり、この蛾相でこの
まま居座るのもいかにも無念ということで、場所を移動することにする。  (つづく)