盛夏の候。
今年はおとなしめの夏だが、さすがにここに来て35度近くなる日が
続く。こういう気候になると、影ヤンマを探しに行きたくなる。
この日8/4は、かつての自分の古巣としていたあたりに出かけた。
昨年も仕事の打ち合わせの合間に二度詣でをして、マルタン♂と
ヤブ♀に出会っているが、今年はどうか?
これは綺麗だ!ヤブヤンマとはかくもしゃれたヤンマだったのか!と思わせる
色合いである。♀はひたすら地味だが、♂はこの青い目の輝きと黒と黄色の
コントラストが何とも言えない。
お次はこれ。
マルタン♂の影ヤンマは去年一昨年と写せたが、♀の昼日中の個体にはまだ
ちゃんと出会えていなかった。今年はいきなり、ヤブ♂とマルタン♀をゲット
できた。
影ヤンマは探し出すのも一つの醍醐味だが、今回は同好の方がたまたま現地にいらして
最初の数頭はその方が見つけたのを教えて頂いたものであった。
その点、若干残念ではあったが、後半更に数頭自力で見つけたので、まあよしと
しておこう。
一本の枝にヤンマがぶら下がるようなロケーションが好ましいのだが、大体
バックはごちゃごちゃして暗いのが当たり前なので、条件の厳しい撮影には
なる。色々アングルを探したが、マルタン♀は足場を確保しつつ、収まるように
するには上の大きさしかなかった。もう少しマージンの取れるショットだったら
絵的にも良かっただろうが、まあ迫力のある画像が撮れたので良しとしよう。
感度も200に限定して臨んでいるので(条件さえ良ければ、1600でもさほど
画像は荒れないのだが。。。)シャッタースピードに制限が出てしまう。
大体1/20以下での撮影になってしまい、200ミリ手持ちの自分にはいささか
つらいものがある。
しかしうまく集中出来れば、ぶれずに度アップの画像を撮れなくもない。
上記は1/10のスローシャッターで撮影したマルタン♀の度アップだ。
これは普通に絞り込んで写したヤブのアップ。やはり目玉の色が素晴らしい。
目玉の色はマルタン♀の鮮やかな黄色も捨てがたい。これはマルタン♂の深い
青と好対照だが、現地のマルタン♀の目玉は今ひとつ深遠さが足らない気がする。
現地では、最近の自フィールドで滅多に見かけないコノシメトンボを見ることも
できる。この日はこの一頭だけだった。
ヤブの鮮やかな♂もいいが、この老熟した♂もいい。
私は、ヤンマの翅が濃く煙った感じが好きで、この渋さがたまらない。
帰りがけに空を見上げたら、スマートで羽のいい感じに煙ったヤンマが
上空を飛んでいたが、この個体だったのかもしれない。
子供の頃、科学展を見に行ったとき、トンボの標本も飾られていたが、
オニヤンマとヤブヤンマとそれぞれ記された大きなヤンマの標本を見た
のを覚えている。オニヤンマとヤブヤンマは姿形がよく似ていて、子供
の自分にとって彼らの違いは、翅の色であった。その頃から、ヤブヤンマは
翅の煙ったヤンマ・・・という印象がインプットされているものと思われる。