![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2b/71/0406409ffe209079f40cb02d840954a0.jpg)
去年は冷蔵庫の故障のために、見に行き損なっている。
それで今年こそは。。。と思っていた。
しかし、タイムリミットと思われた五月下旬の週末は例によって雨!
今年もダメかとあきらめかけたが、翌週の日曜は一時的に晴れ間が出るという。
片道300キロ。朝早くに出れば不可能ではない距離だ。
しかし、今の自分の状況では難しい。
そして、ギリギリになって思いついた。
子供を巻き込んで、前夜に出奔し、一泊して朝現地に臨む!
実に無謀な計画だった。
前日夕方、支度をすませ、車に乗り込む。
気の利く次女は、率先してタオルやら下着やらをやたら多く詰め込んだ。
夜半までに近場に着けば問題なしと踏み、下道を通って途中ラーメン屋で
夕食をすます。
現場近くのSAに陣を構え、とりあえずコーヒーでも飲んで落ち着き、
就寝することとする。
最近は、朝方な自分なので、問題なくすぐに寝入ると思っていた。。。
しかし目論見は崩れた。
静かに目を閉じ、楽な姿勢をとって寝ているつもりだが、一向に睡眠に落ちないのだ。
心配なのは、翌日の帰りなのである。
高速を200キロあまり睡魔に襲われずに運転しきれるだろうか?
しかも日曜。帰宅を遅くするわけにはいかない。
それでも必死に寝ようとするが、睡眠に墜ちた覚えがないまま、
明け方次女のトイレコールで起きあがる。
なんて事だ!絶対に眠れると思っていたのに・・・。
こうなったら帰りの運転の為の気力を最大限残しつつ、休み休み帰るしかない。。。
しかし、次女に訊くと、おしっこコールをする前、私は大いびきをかいていたという。
ということは、少しは眠れたと言うことだ!
何とかなるかもしれない。
暗示と言うべきか?体と心が若干軽くなった。
それでも、予定を前倒しするに越したことはない。
7時前にはSAで軽食と飲み物を調達し、現地へと向かう。
現地に着くと、さすがに駐車場には他の車はない。
何と33年ぶりである!
しかし、その沼は、自分の記憶にある33年前のその沼の姿とは
ちょっと違っていた。
よくよく思い出してみると、ビジターセンター向かいの草原、及び、
トンボ茶屋のあたりは、昔、バリバリの沼地だったように思う。
たしか、そのあたりで自分はショウジョウトンボやモノサシトンボやキイトトンボの
ヤゴをすくっていたような気がするのだが・・・
ビジターセンターから向かって左の工場は昔からあったような気はする。
とにもかくにも、沼の周りを回ってみることにする。
観察路を真面目に回ってみたが、沼縁から離れた山道を散策するだけのコース!!!
なんだこれは?
それだけ貴重な環境というのはよくわかるが、これでトンボに満足に出会えるのか?
案の定、会えた面々には申し訳ないが、ろくな種類には会えない。
沼縁を飛んでいるのは、まあ時期的にそんな時期なんだが、コフキばかり。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/93/9d27d3a1224f02f74602b52d4022ab4b.jpg)
ムカシヤンマの飛びそうな山道で出会ったコシアキ♀。
妙に綺麗で、思わず写した。そのあたりにいたのは、ハラビロ、クロスジギン、モンキアゲハ。
結構きついアップダウンを繰り返すコースをヒイヒイ言いながら回ったが、
案の定、足が筋肉痛になった。
それでも、お目当てのトンボには会えない。
片道300キロの骨折り損になってしまうのか?
焦りはじめたが、時計を見るとまだ8時半前。
33年前の記憶を便りに道を移動する。
水辺に出ると、いきなりイトトンボが飛んできて、
自ら進んで我が指に止まった!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/da/526a85bcd72147d6299f1c10df25b7d3.jpg)
なんという熱い歓迎ぶりか!
ブレ気味だが、気持ちがありがたく、記念ショットを撮らせて貰った。
撮り終わるやいなや、傍らに、今回の再会相手がいるではないか!
早速子供に教えようと振り向いた眼前に、アオヤンの姿が!
数年前、近所で見たのと同じ光景だ!
何とも言えぬ見事な若草色の♀が
草むらの蜘蛛の巣をつついている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2d/47/30814b9f4487f070c33d60d0dc40bf98.jpg)
焦ってピントが合わせられないままシャッターを切り、
ボケ写真しかとれない。件の♀は、傍らの樹上にサナエのように止まって
蜘蛛を食っていた。
とりあえず、再会相手の写真を撮りたい気持ちが強く、アオヤンの深追いは
止めることにした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/75/ebecdde1ab1952b2305c5ebbe275e181.jpg)
天気は予報通りというか、まあまあ好天ではあったが、晴れ間の出ている時に限って、
敵は動きに落ち着きがなく、やっとピントを合わせられたと思ったときには、必ず
空は曇っている。羽のくもりが老熟度合いを物語っている。出来ればピカピカの個体を
写したいというのが人情というものではあるが、出会った個体は全てこんな感じで、
時期的に致し方なし。むしろ、待っていてくれた事に感謝の意を表したい。
それでも何枚か記念ショットを押さえ、水面に目を移す。
早くも夏のトンボの舞台になろうとしていた。
再会相手は、どちらかといえば茂みに隠れてひっそりと余生を過ごしている風だった。
水面を飛ぶのは、コシアキ、コシアキ、コフキ・・・コシアキ、コシアキ、コフキ・・・・おや?
一頭違うのがいる!
トラフだ!
これもかろうじて間に合った。
しかし・・・・すぐに消えた。
思うのだが、これは!というシャッターチャンスはいつも複数が同時に訪れる。
まあ、トンボの生理とでも言うべきものだろう。
数分後には、既に祭りの後・・・といった感じである。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/01/93/abb89b792f9381bbf9e8dd5256236a9f.jpg)
はやる心を抑えつつ、ウチワヤンマの抜け殻でも写してみる。
夏のトンボといえば、やたらに多かったのが、モノサシだった。
むしろ、キイトトンボはこれからという感じで、少なかった。
子供にせがまれ、低くて写す気のなかったモノサシ交尾を写してみる。
イトトンボの連接、交尾は低いところでやられると、困ってしまう。
今後のためにも・・・と思って、ギリギリまで低いアングルから狙う。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/13/a3/cb79e62e05d1d6491dcab64ffebecfe2.jpg)
そこでそうしてばかりもいられなくなり、沼を一周してみることにする。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/58/78/ddeb72c1f0474ec9abbbf7f2b3390f0e.jpg)
ところどころ木々の間から、沼縁が見渡せ、アオヤンが飛んでいた。
憧れの花だったタヌキモの群落には、クロイトトンボ夫妻が止まっていた。
薄暗い林縁まで進むと、なにやら黒いトンボが飛んでいる。
一瞬、トラフ?と思ったが、違っていた。ホバリングしている。サラサだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/1d/b94b597825d307b3285094990b90d063.jpg)
自分にとっては、トラフ>>>>>>>>サラサという感じである。
初心者の人が、時期的にはトラフから先に出会うため、トラフよりもサラサを
珍重している記述などを見ると、トラフの貴重さを知らぬとは!!!と実に
イライラしてしまう(笑)。
今日はもう一つの目的があり、それは春のTrigomだった。
しかし、これも時期的に遅かったようだ。
かろうじて、それらしき細身のトンボが飛ぶ姿を見たのみ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/16/0ec29ccfc2e6f5c93b90df7d5e6bf8c3.jpg)
映画のロケに出てきそうな見事な沼姿である!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/32/14/144e13e54285fd084ace6695e8e7c040.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/0b/a815bf258eaab9783ce9c7f328b56998.jpg)
最初の歓迎ぶりが派手目だったので、かえってあきらめがつきにくくなり、最初の
場所に戻ってきた。
するとまたもやアオヤンが同じ場所に!!!今度は♂だ。
しかし、今度はフレームにも入れられずに終わった。
何年後にまた来れるかわからんが、ポイントとして覚えておくことにしよう・・・。
ふと見ると、羽化直後の綺麗なコフキ♀がいる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6c/79/7c12e5a6a617b3ae3d2c49a76821389a.jpg)
オビトンボでは、こんな感じのままだが、通常♀ではなかなかこのステージの姿には
会えない。きれいなもんだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/7d/3bfe37fc737548c532612ad60a7a20cf.jpg)
はしゃいでいる子供の後ろに・・・ベニイトの姿を発見!
しかし、子供の振り返るアクションが大きすぎて、焦って沼辺に逃げ込んでしまった。
そのあたりをみやると、複数のベニイトがいるではないか!
随分早い出現だ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/14/ae/261fd367da0edaf8fb196164ecd7c27a.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/26/e9a43bf6eee925c8ec1e7676e3dd67df.jpg)
帰り道、睡魔に襲われることを覚悟して臨んだが、奇跡的に、睡魔に襲われずに無事帰宅できた
のは、今日の一番の収穫だったかもしれない。暗示がきいたのだろうか?