Days of Dragonflies & Moths

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写真集「関東甲信越のトンボ2010plus」

新たな選択肢(汗)

2014年04月05日 | トンボ
本格シーズンオープンを前に、使用レンズの傾向を探りつつそろそろラインアップをフィックスしたい時期だが、ここに来て思いついてしまったことがあった(笑)

数年前の記事で、フロントテレコンを揃えて試したことを記したが、結局殆ど使い物にならなかったので、何か購入の資金の足しにでもするかと思っていたのだが、今更ながら組み合わせを試していないレンズがあったことに気がついた。
元々、フロントテレコンは超望遠撮影のために手に入れたので、タムロン90ミリにつける予定はなかったのである。

このフロントテレコンというのは、なかなか面白くて、クローズアップレンズ同様に前玉につけるので、基本的にF値は落ちない。以前試したレンズはフロントテレコンのねじ込み径よりも前玉の径が大きかったので、前絞りの効果でf値が落ちてしまっていた。ところが、タムロン90ミリは口径55ミリとフロントテレコンのねじ込み径と一致するのだ。実際室内で試してみると、明るさはほぼ変わらないようだった。
次に、リアコンバーターと違って、フロントテレコンは倍率の分だけ、最短距離が伸びる。手持ちのフロントテレコンは1.7倍なので最短が1メートルのレンズは、最短1.7メートルまで伸びてしまって寄れなくなるが、その分ヘリコイドの分解能が上がる。つまり、一般的な望遠レンズなどでフロントテレコンを使って大きく写そうとすると、寄れなくなって使えないと言うことになり、元々最短距離の短いマクロレンズのみが、フロントテレコンの恩恵を受けやすいと言うことになる。ただし、ヘリコイド分解能アップが、より精密なピント合わせに役立つかというと、ちょっと疑問で、むしろ歩留まりが落ちるのは目に見えている。

そんなこんなで、90ミリマクロにつけた場合、最短距離は1.7倍になるものの、レンズ先端から20センチ程度までは寄れ、そこそこの倍率(テレコン無しよりも倍率は低い)で捉えることが出来、トンボをそこそこの大きさにとらえたい場合、1.7倍のワーキングディスタンスが出来ると言うことになる(笑)。数値上は、90mmF2.8 Macroが「153mmF2.8 ClosedFocus」として使えるということになる。
それをフィールドで検証して、早めの内に、「153mmF2.8 ClosedFocusは使い物にならない(笑)」ということを確かめておきたかったのだが。。。

被写体はトンボがいいのだが、やっと一頭見つけたときにはあいにく55mmをつけていて、「153mmF2.8 ClosedFocus」に付け替えて戻ったらもう姿が見えなかった。
仕方なく、蝶の被写体で検証することにした。



まずは、キチョウを画面1/4位の大きさで捉えてみた(絞り開放)。右が等倍切り出し。(ピントの追い込みが少し足らない?)



性能変化を確認するため、f4.0まで絞った。右が等倍切り出し。(ピントの追い込みが少し足らない?)



続いては、ベニシジミで最短まで寄ってみた(絞り開放)。右が等倍切り出し。



同じくベニシジミで最短まで寄ってみた(絞り開放)。右が等倍切り出し。

これはちょっとうれしい誤算と言うべきなのか?「153mmF2.8 ClosedFocus」は、使い物になるかもしれないのだ。。。汗
90mm単体でもベニシジミを写したが、むしろ90mm単体の方がフリンジが目立ったりして、むしろ「153mmF2.8 ClosedFocus」のアラを探すのは少し難しいようなのだ(ということは使えるということ)。かねてから150mm前後の焦点距離でそこそこ寄れるレンズが欲しくて、135mm、50-135mm,70-200mmなどを持つことになったが、フリンジのひどい135mmは外すとしても50-135mmとの競合と言うことになってしまいそうだ。尤も、距離が伸びるということは引いての撮影であり、蝶よりも一般的に大きなトンボが被写体の場合では、バックがボケづらいという弱点は否めない。もう少し検証が必要なようだ。