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10月の蛾探索。
今年は前半こそまあまあだったが、夏を過ぎるころからどうも不調になった。
山奥に行ってもめぼしい蛾を殆ど見かけないのである。
当方も、今年はズルして楽をする暇がもらえず、夜の蛾探索も後半は
かなりしんどかった。
そんなこんなで、肝心要の気力がここに来て失せてきた。。。
今日あたりも絶好の秋晴れでどこかにでかければ何か見られたのだろうが、
その気さえ起きない自分に、むしろホッとしている別の自分がいたりする。
前置きが長くなったが、昨夜は10月のまだ見ぬ憧れの蛾を見に、いつもとは
違うコースを辿ることにした。
到着したばかりの新車にETCカードを入れ、ドキドキの初トライもどうと言うことなく
クリアした(笑)ここ三年ほど、仕事で高速の往復が増え、ETCを使ってなかったので、
いくら損したかしれないが、これで少しは節約できそうである。
インターを降りしばらく街道を進むとだんだんと山へと入っていく。
いつも見る景色とはひと味違う感じだ。
子供の頃読んだ探偵小説に出てきそうな風景が次々とよぎっていく。
だいぶ山を登っていくと、最初のポイントと思われる橋に着く。
建物の壁にへばりつく大きなスズメガ風の個体を発見し降ろしてみると、
ムラサキシタバだった。
他にはヒメヤママユの黒化型や、秋のお馴染みの蛾の仲間などが見られた。
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ヒメヤママユの黒化型 / オオハガタヨトウ
エゾキシタヨトウ?(最初、暫定的にウスキシタとしたもの。右後翅に黄色鱗片が
見えるのと、その部分の形状等から擦れたエゾキシタの可能性が大きいが何とも言
えない・・・) / マエモンオオナミシャクの綺麗な個体
他に、初物となるナカアオナミシャク、キイロキリガをはじめ、アマヒトリ、キシタミドリヤガ、
ナカウスエダシャクなどの姿を見かけるが、本命は現れない。。。
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ナカアオナミシャク
そこは適当に切り上げ、更に登っていくと、峠の駐車場に到着。
駐車場の下で待ち合わせていたSさんと合流する。
駐車場のトイレで、ナカジロトガリバを見た瞬間、季節はもう10月なんだということを
思い知らされる。頭ではわかっていても、フィールド心がまだ夏の終わりくらいの感覚で
いたようだ。これで彷徨える心も少しは浮かばれただろうか?笑。
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ニッコウナミシャク(初) / キエグリシャチホコ /
ナカジロトガリバ / コカバスジナミシャクの割と綺麗な個体 / キイロキリガ(Sさんには
モンキキリガと言ってしまった。頭の中ではキイロキリガの文字が結像していたのだが・・・
失礼!)
そのあたりでしばし蛾を探していると、足下になにやら見たことあるような物体が・・・
灰色の地に黒いスジが入っている・・・まさか・・・ギンモンセダカモクメ!!??・・・
Sさんを呼んでしばらく観察してみたが、あれ?どうもおかしい・・・何と、タバコの灰
だった・・・大笑。。。
穴居奥、ここでも本命は見られず、Sさんを橋まで案内するが、
ここでも相変わらずのメンバーだった。
その内に気力も無くなってきて、本命をあきらめ、別路で山を下ることにする。
そのまま往時のコースを辿っても面白くないので、別ルートでいつもの峠を通過するという
豪華なコースだ。笑。
途中、いつもの峠のポイントの少し手前の湖に寄ってみる。
はじめていったところだが、カトカラの姿が目立つ。
高い壁のあたりでは、ムラサキシタバが数頭へばりついたり飛んだりしていた。
そのあたりで、初物のエゾシロシタバを得る。
しかし、他にはシロシタバの姿が目立つくらいで、赤いシタバは見つからない。
そこも適当に切り上げ、いつもの峠に到着。
相変わらず、殆ど蛾の姿がない。カトカラはいい加減擦れたゴマシオ一頭だけ。
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エゾシロシタバ と ゴマシオキシタバ
せっかくここまで来たので、本命の記録地をちょっとだけ覗いた方がいいかな?という
気持ちもあったが、もう既にかなりしんどかったので、道の温泉と低山のポイントだけ
覗いて帰った。途中見かけた色鮮やかなクスサンをもって、今回の蛾探索のレポートを
終えたいと思う。お粗末。
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北の方ではムラサキは割と普通と聞いておりましたが、最近は
減りましたか。今年は三カ所ほどでムラサキシタバを見ましたが、
私には肝心の♂♀見分けのスキルがありません。昨日見た場所では
一昔前には何十ものムラサキが来たそうですが、環境変化により
激減とのことでした。
今年もカトカラは終了のようですね。来年はもう少しカトカラの種類も増やしたいものです。
Matszさんは三カ所で見たという事で、羨ましい限りです。メスを見つけてぜひ採卵を試みてください。