E表現研究所の「Eから始まる」

E表現研究所所員の、E生活やE活動を自由に語り合うサロンです。

卒業式で

2008-03-23 02:25:48 | ダイアリー

娘が中学校を卒業しました。
いろいろ辛いことも多かったけれど、無事に卒業できてよかったなと思います。
本当によく頑張ってきたと、振り返ってみても、怒りと悲しみと空しさはあるのだけれど、これで別れられるという気持ちも、正直あります。

卒業式の会場は、先生の「こだわり」とやらで、体育館ではなく、文化会館で行われました。最後は学校から去って行きたいという気もしましたが・・・
受付では、子どもからの手紙を受け取りました。これは受験が終わったあと、それぞれが親に感謝の手紙を書くというもので、下書きをして、先生がチェックして、清書したものだと聞きました。
席についた後、後ろの席に、娘の友達のお母さんがきれいな着物姿で座っていました。始まる直前に「娘さんには本当に助けられたのよ。ありがとう」と言われました。
娘の友達Eちゃんは、年明けくらいからいじめを受けていたのだそうです。受験前の不安定な時期、私は娘から、いかにクラスの人たちが殺伐とした中にいるのかを聞いていました。Eちゃんとはクラスは違いますが、どこも同じようだったそうです。たとえば、休み時間、ふいにハサミが飛んできたり、ちぎったガムテープを誰かの後ろからくっつけて急に引っ張るとか、そんな出来事がしょっちゅうあり、普通に存在していました。
そんなとき、無視や言葉の暴力のような陰湿ないじめもあり、Eちゃんは高校進学もやめようとしていたそうです。自分の未来を信じられなくなって。
お母さんが、担任に相談したら、「そんなことは考えず、受験に専念してください」という返事だったそうです。
そして、私の娘を呼んで、「人のクラスに口を出すな」と叱ったそうです。でも、娘はEちゃんに言いました。「そんなこと関係ないから、何でも聞くよ。学校で話せないなら、メールで」
携帯電話のメールを使って、励まし続けてくれたのだそうです。
Eちゃんとは高校は違ってしまいましたが、お互いに志望校に合格することができました。
Eちゃんをいじめていた女の子は、娘もいじめられたことがありました。とても辛い思いをしましたが、その思いは、優しい思いやりとなってEちゃんに向けられたのです。私自身も「怒り」をどこにぶつけていいのか、先生に訴えたところで、理不尽な答えしか導き出されないし、娘の成績を楯にして太刀打ちできなかったので、そのお母さんの気持ちも痛いほどよくわかりました。
モンスターペアレントは存在するけれど、本当に子どもを守るために怒りをもった人は、それを言う術がないのだと思い知らされました。
それにしても、そんな殺伐とした中で、娘は友達を励まし、自分も支えられ、明るい希望を持って頑張っていたことを思うと、ああ、なんて成長したのだろうと、卒業というイベントよりも、そのことに感動しました。

式の後、「感謝の会」が行われました。
クラスで担任の先生に感謝を伝えるために出し物をするのですが、大きな布に「ありがとう」の文字を書いて、一人一人言葉を言ってつなげたり、歌を歌ったり。
ここでは、子どもたちと先生との仲がよくわかり、あまり良い関係が築けていないと、とてもしらけた雰囲気になり、良い関係が築けていると、先生が飛び出していき、抱き合ったり、握手をしたりなど、みんな泣いていました。残念ながら、娘のクラスは前者でしたが・・・
この企画も、先生たちが考え、子どもたちが出し物を考えている時間は、教室からはずしていたのだそうです。いったい誰に感謝する会なのか・・・親たちは黙って見ていました。
最後に、後輩へのメッセージを4人の卒業生が読み上げました。娘はその中の一人。自分で考えたというメッセージは、詩的で静かに感情を込め、とてもステキな贈る言葉になりました。

Oさんがくれたメールに、大人は、エゴや様々な事情から、ずいぶん右往左往していたように思いますが、結局いつも、ぶれないで、まっすぐな気持ちでいたのは、娘さんだったねと、言ってくれました。一番成長したのは娘だったと。
本当にそうです。Tさんが、いつも言ってくださるように、絵本の世界で育った子どもは、やっぱり強いですね。娘の中にあるファンタジーが、支えてくれるのですね。

その日は、友達とお母さんを家まで車で送り、自分たち(親も子も)にとって「いい卒業式」だったねと言いました。               (M.H)


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