緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

第15回がん対策推進協議会議事録

2011年01月10日 | 医療

新年早々アッタマに来ることがあり、
ここに、思いっきり書いてしまおうかぁ"====3

と、思ったのですが・・・

そんなわたくし事ではなく
皆様に読んで頂いて建設的なことの方が
書く意味もあろうと思い、
心静めました・・・・





と、いいましても、
今日の記事は、何とも、どろどろ
なんじゃこれ・・って思われるに違いありません。







以前から、議事録が公開されたら目を通そうと思っていた
昨年11月19日に開かれた
厚生労働省審議会の一つ
第15回がん対策推進協議会議事録が公開されましたので、リンクを張りました。
   ↑
ココをクリック

今までの審議会にはなかったことですが
患者代表が参加されています。

がん対策基本計画が策定され、協議会で審議が重ねられてきましたが
中々、患者さん達の声が反映しきれない様子、
数人で多量の仕事をこなす厚労省事務局の様子
そんな中、会長の解任動議がだされた会議です。
挙手の結果、12対2で慰留決定となりつつも、
会長が辞任発言をされ・・




この会議については、
新聞報道もされておりますので、
ご存知の方も多いと思います。

ただ、議事録は、口語そのままですから、
リアルでもあります。

ここはちょっと枝葉の部分です。
大臣官房審議官の「仲よくできませんかね・・」などというくだりは失笑ですが、
それ以下には、びっくり・・

仲よくできませんかね。仲よくですね、事務局として改善できることは何でもしますので、ぜひですね。だって、がん検診推進50%、23年までに達成すると言われているんですよ。私は前の長妻大臣から、達成できなかったらおまえは首だとまで言われています。こんな状況ではとてもできませんし、金もないですけれども、(以下、略)





ええ・・ 23年までにがん検診50%?!
今年?!
はあ・・?
あまりに、現実から遠いところを見ていています・・
それこそ、これを手の届く目標とするなら、
韓国のように、がん保険と検診を掛け合わせるなど
積極的な対策を早急にせねばならぬのでは?!





がん対策の行き詰まり感
もっと何かできるのではないか、
もっと期待に答えられるようにできることは・・
紛糾する中に、
様々な命を背負った方をも感じることができます。

多くの医療者も一般市民の方々も、
こうしたことを知って頂いた方がよいと感じました。

長い議事録ですが、目を通してみて頂ければと思います。


コメント (3)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 1月の勉強会のお知らせ | トップ | 最近、引きうけているレクチャー »
最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Vnおやぢ)
2011-01-12 20:01:02
はじめてコメさせていただきます。岡山の片田舎の外科医です。報道である程度知っていましたが、リアルな議事録読んでびっくりしました。患者代表が参加した審議会そのものは画期的と思いますが、悲しいかな、自身の思いの丈を述べることになってしまい、それが混乱を招いてるみたいに思いました。K山先生は以前はかなり攻撃的なご意見でいろいろとぶつかっていたように思いますが、今回の官僚のシナリオ?をなんとかしようという意気込みがあるようにも感じました。いずれにせよ思ったことは、患者不在、形式重視、見直し無し、ということが浮き彫りになっただけに思えました。日本の中心でなんとつまらない、生産性のない会議をしているのかと、すごく悲しくなりました。ますます、地道な努力しかないのかと残念な気持ちに包まれてしまいました。
返信する
こんにちは。 (ひろこ)
2011-01-16 14:32:29
いつもブログを拝見させて頂いています、22歳の者です。記事とは関係なく私事で申し訳ないのですがコメントさせてください。

私は今大学四年生ですが、看護師になりたいと思い、一週間後に看護学校の受験を控えています。私が小学生の時に母親を乳癌で亡くし、大学在学中には父親も癌で手術を受けました。(父は現在元気に過ごしています。)その経験の中で、私は自分の進路を改めて考えました。私はこれからどう生きていきたいか。私には何ができるのだろう。。。と。その結果、母や父が経験したような苦しみを持つ方々を、少しでも支えてあげれる仕事がしたいと思い、看護師の道を決めました。看護師になり、緩和ケア医療の道に進みたいと思っています。また、大学では心理学を専攻していました。沢山命について考える機会があり、つい涙を流してしまう講義も少なくありませんでした。

、、っと長々と勝手に看護師への動機を述べてすみません。。ですが私は今本当に心から看護師になりたいと思っています。そこで質問ですが、緩和ケアチームにとっての看護師の役割とは何でしょうか?チームには医師や心理士、看護師など様々な方が関わりますよね。ぜひ先生の意見を聞かせて頂けると嬉しいです。

本当に長々とすみません。先生のブログでいつも勉強させて頂いています。いつか私が看護師になって、先生とお会いできる事を心から願っています。まずは看護学校に入学できるように頑張ります。失礼いたします。


返信する
コメントありがとうございます (aruga)
2011-01-16 20:34:12
Vnおやぢさん
はじめまして!
私は、高校時代まで岡山で過ごしましたので、親近感イッパイです!

ご指摘の通りです。本当に・・

ただ、これをサマリーや要点のみとした議事録ではなく、通常の形式のままで公開したところに、良くしたいという姿勢の表れと期待しています。そして、がん対策基本計画の見直しがどのようにされるか見ていく責務が国民としてもあると感じます。


ひろこさん
コメントありがとうございます。
また、お母様、お父様のこと、シェアしてくださり、感謝です。心理学4年生をこの春卒業(でしょうか?)とともに、看護の学びの場に進まれようとされているのですね。
熱意に頭が下がる思いです。
ご質問の緩和ケアチームにおける看護師の役割・・
ここでは、書ききれない膨大な内容になると思います。たぶん、ひろこさんが看護の勉強を始められたら、その命題を心におき、ずっと学ばれても答えは得られないものだろうと思います。なぜなら、その答えを得るためには、医療とは、ケアとは、看護とは、チーム医療とは、医療倫理とは・・・膨大な知識の上に立脚する専門的な質問だからです。
どうぞ、看護の道に進まれたら、その答えを見つけるための勉強を続けていってください。

是非、同志となってくださいますように。
試験、力が出し切れますように・・
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

医療」カテゴリの最新記事