緩和ケア医の日々所感

日常の中でがんや疾病を生きることを考えていきたいなあと思っています

リハビリテーション病院の壁の詩には励まされます

2022年02月06日 | 医療

初めてこの記事をアップしたのが、
2007年8月。

その後、何度か再掲しました。

前回は2018年4月

今回、ありがたいことに再度リクエストを頂きました。
改めて再掲いたします。


HimsanによるPixabayからの
画像 
======================


ニューヨーク大学リハビリテーション病院の壁には・・
大変有名な詩が書かれています。
作者は不明ですが、心も体も傷ついた
ベトナム戦争帰還兵の若者という説や
ここに入院していた神父という説もあるようです。


以前、この詩をここで記事にしたところ、大変な反響を頂きました。

学校で先生がこの記事をご紹介してくださったり、
この数年間、「リハビリ 壁 詩」といった検索語で
ここにお訪ね下さる方が 続きました。

再褐させていただこうと思います。






失ったことや対極を知ったことによって

その本質の尊さや豊かさに気づくことができた
この詩は、そんな意味を伝えてくれます。




私は、医師になって
本当によかったと思います。


患者さんと共に過ごすことで
自分の一回だけの人生では分からなかったことを
気づき、知ることができ
何倍も豊かにしてもらったと感じています。

キラキラとした宝物を
心に感じることが出来きているような・・
上手くいえませんが。



ーーーーーーーーーー
「苦難にある者たちの告白」
-ある患者の詩-

大事を成そうとして、
力を与えてほしいと神に求めたのに、
慎み深く、従順であるようにと
弱さを授かった。

より偉大なことができるように
健康を求めたのに
よりよきことができるようにと
病弱を与えられた。

幸せになろうとして
富を求めたのに、
賢明であるようにと
貧困を授かった。

世の人々の賞賛を得ようとして、
権力を求めたのに、
神の前にひざまずくようにと
弱さを授かった。

人生を享楽しようと
あらゆるものを求めたのに、
あらゆることを喜べるように
命を授かった。

求めたものは一つとして
与えられなかったが、
願いはすべて聞き届けられた。

神の意にそわぬ者であるにもかかわらず、
心の中の言い表せない祈りは
すべてかなえられた。

私はあらゆる人の中で
最も豊かに祝福されたのだ。



A CREED FOR THOSE WHO HAVE SUFFERED

I asked God for strength, that I might achieve
I was made weak, that I might learn humbly to obey...

I asked for health, that I might do greater things
I was given infirmity, that I might do better things...

I asked for riches, that I might be happy
I was given poverty, that I might be wise...

I asked for power, that I might have the praise of men
I was given weakness, that I might feel the need of God...

I asked for all things, that I might enjoy life
I was given life, that I might enjoy all things...

I got nothing that I asked for -- but everything I had hoped for
Almost despite myself, my unspoken prayers were answered.

I am among all men, most richly blessed!
ーーーーーーーーー

God Bless You!


コメント (47)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 片隅を見逃さない | トップ | 薬剤相互作用に注意が必要な... »
最新の画像もっと見る

47 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
はじめまして (mallin)
2007-08-25 00:38:45
いつも、先生のお話に考えさせられています。

ところで、有名なお話「アルブスの少女ハイジ」の、子供向けバージョンではカットされているこんなエピソードがあるのをご存知ですか?

心ならずも都会に来てしまい、早く山に帰りたいと願うハイジは、クララのお祖母様から神様に祈ることを教わりますが、直ぐには山には帰れないことが判ると祈ることを止めてしまいます。
そんなハイジにお祖母様は「神様は貴方にとって一番良い方法で貴方の祈りに応えようとされているのだから、信じて、諦めないで、祈りつづけなさい」とアドバイスし、文字を教えてくれました。そうして時が過ぎ、いろいろな出来事があり、晴れてハイジが山に帰れるようになった時には、彼女は聖書を朗読できるまでになっていました。
おかげで、盲目となって以来聖書を読めなくなっていたペーターのお祖母さんに、久しぶりに朗読をしてあげることができて、お祖母さんは泣いて喜びます。
それを見てハイジは、確かに神様は、早く山に帰りたいという自分の願いはかなえてくれなかったけれど、かわりに本当に一番良いときを選んで山に帰してくれたのだと理解するのです。


>求めたものは一つとして
>与えられなかったが、
>願いはすべて聞き届けられた。

自分が望んだものが手に入らなくとも、本当に自分にとって大切なものはちゃんと持っていることが自覚出来る・・・そんな人間になりたいと思っています。
返信する
毎晩、お訪ねしております (キャサリン)
2007-08-25 00:51:08
虫の音が聴こえ始めました。 聖路加国際病院の日野原先生のご著書で知りました。 詠むたびに涙します。魂をゆさぶる祈りの詩です。 私は毎日の祈りに、マザー・テレサの祈りから 「主よ、私をお使いください」 主よ、今日一日 貧しい人や病んでいる人を助けるために 私の手をお望みでしたら 今日、私のこの手をお使いください。 主よ、今日一日 友を欲しがる人々を訪れるために 私の足をお望みでしたら 今日、私のこの足をお貸しいたします。 主よ、今日一日 優しい言葉に飢えている人々と語り合うため 私の声をお望みでしたら 今日、私のこの声をお使いください。 主よ、今日一日 人は人であるという理由だけで どんな人でも愛するために私の心をお望みでしたら 今日、私のこの心をお貸しいたします。 酷暑の後、お躰をおいといくださいませ!
返信する
Unknown (runa123)
2007-08-25 10:02:24
有賀先生、すばらしい詩のご紹介ありがとうございました。TBさせていただきました。

ちょうど苦しいな、と感じていたときだったのでとても心に響きました。

病と闘う患者さんの苦悩と比べればささいなことかもしれませんが、ときに人は「何一つうまくいかない!!」と思ってしまうことがあります。
でも人生のすべてに意味があるのだな、と思いました。
返信する
なるほど・・・ (May)
2007-08-25 12:12:57
なんだか希望に満ちた詩ですね。

時々、どうして上手く行かないのか、と全てが嫌になってしまうことがあります。

でも今振り返ると、それらの挫折があったから今があるのでは、と思います。

意味のないことなんて1つもないといいますが本当にその通りですよね。

これからもたくさんいやな事、挫折があると思いますがその時はこの詩のように前向きに頑張りたいと思います。
返信する
頂いたコメントに、心が熱くなります。 (aruga)
2007-08-25 20:32:34
mallinさん
ハイジの子供向けには盛り込まれていないバージョンがあったなんて、はじめて知りました。まさしく、この詩に共通する話ですね。お書きくださった話を、本文にアップさせてください。是非、多くの方に知っていただきたいと思いますので、どうぞ、よろしくお願いいたします。

キャサリンさん
我を捧げたマザー・テレサの生き様そのままの言葉であり、キャサリンさんの生き様でもあるのですね。祈りの言葉、シェアしてくださり本当にありがとうございます。また、毎晩ご訪問くださっていること、心から感謝です。書くことへの支えです。

runa123先生
苦しさを知らない人より、苦しさを知っているからこそ、言葉が心に染み入ることができるのだろうなあと思いました。先生のブログに取り上げてくださり、リンクとTB、本当にありがとうございました。

Mayさん
本当ですね。辛いとき、この詩を思い出すことで、辛さが無駄にはならない成長があるかもしれないと希望を持つことができそうです。
返信する
宝物のような時間 (セロー)
2007-08-29 23:00:09
私も時々感じます、宝物のような時間を…
緩和ケアは最期はお別れが待っているのだけど、
患者さんやご家族と宝物のような時を過ごすことがあります。
あたたかくて、優しい時間です。
先生も同じような時を過ごしていらっしゃるんだなぁと嬉しくなりました。
そんな宝物のようなことがあるんだよって、周りの人に伝えることができたらなぁと思っています。
返信する
こんにちは (aruga)
2007-08-30 19:18:52
時々、ブログおじゃましています!
同じ志を持っていて、同じような経験をしているってわかると本当に嬉しいもので、セローさんの周りの患者さん達も最後の大切な時間を宝物のように過ごせていらっしゃるのですね。多くの方にそう感じていただけるとよいですね。
返信する
Unknown (花菜)
2007-11-05 16:47:29
ヤフーでブログをしている高校③年の花菜と言います。
実はつぃ最近学校であった学年集会である先生がこの詩(正確には、この記事を)を読んで聞かせてくれたんです。
あたしはその言葉に感動し、直接教えてもらいました。
そしてここに辿り着きました。
よかったらあたしのブログにも遊びにきてくださぃ^^詩を書いてます。
トラバ貼らせてもらいます。
返信する
花菜さん (aruga)
2007-11-05 23:06:21
高3なんですね。長男と同い年・・学校の先生が取り上げてくださってのですね。新しい繋がりに心から感謝します。TB、コメントありがとうございました。詩楽しみにしています。
返信する
Hoihoi-p's Blog 其の2 (hoihoi-p)
2007-12-11 10:29:06
はじめまして。私はlinux系のBlogを書いてる障害者です。(鬱病+パーキンソン病)
友人から雑誌に掲載されている詩を見せてもらって、心に突き刺さってしまいました。
「私は諦めない」と思っていても、弱い自分が顔を出す。でも、病気に成ったから会えた人もいます。助けてくれた方々を裏切らない様にしないと。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

医療」カテゴリの最新記事